コーンの跡 [写真]

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今回はリアリズム作品でやす。
ずっと同じ位置に置かれていたコーンがちょっとずらされ、そのずらされた跡を主役に撮ってみやした。
加工は、昔の映画フィルムのような ややセピアがかった加工を施しやした。
世の中に、影を主役として撮った写真作品は数多くあるけれど、跡を主役にしたのって少なくて面白いんじゃないかな?と、あっしなりにではありやすが 思い、公開することにしやした。

跡といえば、、、
コンクリートの固まる途中に猫が歩いて 猫の足跡のついたコンクリートって、時々街なかで見かけやすね。
あっしはあれを見る度に、微笑ましくて思わず「クスリッ!」と笑ってしまいやす。
工事をされたかたからすると「おいおい、やっちまってくれたなあ〜」って頭抱えちゃう事なんでやしょうけど。
で、先日は、コンクリート面に なんとカラスが歩いた足跡を発見しやした。
カラスの足跡を見たのは初めてだったので、とても貴重に感じやした。


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「無対象」とは [映画・演劇雑記]

今日は、映画・演劇用語に於いての「無対象」とは何かについて 解説させていただきます。
無対象とは、主に 演劇研究所等のレッスンの一科目としてやられる基礎訓練で、稀に 舞台や映像の作品でも、演出の意図によっては用いられる事があります。

「無対象」、具体的にどの様なものかというとーーー
何かを食べる・飲む・持つ・抱き上げる等々々、、、それらを、何の小道具も使用せずに 自身の過去の体験を頭の中から引っ張り出して、あたかも本当に その行為を行なっているかの如く見せる事を目的としたレッスンです。

一つ例を挙げるとーーー
「淹れたてのブラックコーヒーを飲む」という課題が出たとします。
すると研究生達は、自身が過去に熱々の香り高いブラックコーヒーを飲んだ記憶を思い起こし、コーヒーがなみなみと注がれたカップの重みを手に感じ、カップの持ちての部分に指を通す具合を再現し、立ち昇る香りを吸い込み、「あぁ、いい香りだ!」とか「苦そうだなー」と思い、カップの縁があるであろう位置に唇を触れさせるや、「あっ!熱い!」と感じ、人によってはフーフーとちょっと冷ましたりして、コーヒーを一口飲み、熱さと苦さ・美味しさ・あるいは苦手さを、舌や口腔内に体感し、コーヒーが食道を通って胃へ落ちてゆく、、、という事を演るのです。
重要なのは、単なる形だけのジェスチャーにならずに、心身の根底からその記憶を引っ張り出せ 再現できているか、です。

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実際に無対象が使われる作品は稀なのに、何故、この様な訓練をやるのかというとーーー
舞台で、何か食べたり飲んだりする場合、器の中身は空で 飲み食いは実際にはしない という演出が少なからずあるからです。
しかも戯曲上の設定では高価な陶器の器であっても、実際に使用するのは、軽いプラスチックだという場合も多いです。
それをあたかも、貴重で上等な陶器で飲み食いしているかのように演る訳です。
又、映像では、リアリズム作品でも、日本酒は水、ウイスキーやブランデーのストレートは麦茶を使います。
役者は水や麦茶を、あたかもそれぞれのアルコールを飲んでいるかの様に演ります。
他には、枕状の物を布で包んで大切な赤ちゃん という設定だったり、空っぽのダンボールを抱えて重たい荷物を運んでいる演技をしなければならない事も多々あります。

ですから、この「無対象」という訓練は、一見「そんなことやってて何の役に立つの?」と思われる向きがおられるかも知れませんが、実は非常に応用度の高い 重要な訓練なのです。

現在 役者を目指している研究生のみなさんは、たった一人でも出来る訓練の一つでもありますから、何度も何度も様々なモチーフ設定で、自主練に励みましょう。
単に観客として 演劇や映画・ドラマを愉しまれる方は、そんな所に着目してみると、より その役者さんの技量が解り 興味深く面白く鑑賞できると思います。

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ジグソーパズルみたいなマット [写真]

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某店舗入り口のジグソーパズルみたいなマット。
ブルーの色合いがいい感じだったのみならず、雨上がりの日だったので、水が溜まっている所や濡れて色が濃くなっている所の変化も、また、パズル状態がちょっといいかげんに並んでいる所も面白いな、と 迷わずスマホを向けやした。
そして、あえて マットがマットであるという説明ではなしに、図案的な視点から 縁が入らないように寄りで撮りやした。

ジグソーパズル、みなさんやられやすか?
あっしは子供の頃は子供向けの単純なジグソーパズルを普通にやってやしたが、大人になってからは、このマットみたいな形状が並んだ緻密なジグソーパズルは未体験でやす。
でも、やり始めたらハマって、他の事が手につかなくなりそうな、、、
あ、あと、猫ちゃんがいるお宅は、ちょっと目を離したすきに飛び乗られてゴロンゴロンされて、今まで合わせてきた部分をグチャグチャにされそうでやすね。


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秋のお彼岸のセルフポートレート [セルフポートレート]

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秋のお彼岸なので、彼岸花柄のワンピースとマスクを着けて撮影してみました。
加工は全くしてません。

ワンピースもマスクも、梅雨時に 別の店で見つけて、どちらも一目惚れして購入したものです。
彼岸花が咲いてない季節にも着たり着けたりはしてますが、彼岸花の季節の今は、より積極的に着けたいアイテムです。
ここのところはお出掛けに、天上にも昇る気分で 毎回出動させています。


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聴診器を掛けたボディ [写真]

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首に聴診器を掛けられ 赤いリボンでくくられた洋裁で使われるボディ。
アヴァンギャルドで面白いから撮ってみやした。
モチーフそのものが面白いので、ひねりのあるアングルや激しい加工はせずに、ストレートプレイでゆきやした。

このボディ、胃のあたりを観ていただければ判るように、バーの看板代わりなんでやすね。
場所は、個性的な人々が日本一多く集まる街・高円寺。
ここの常連さん達も間違いなく、個性派揃いだとお察ししやす。

ところで、上で、「胃のあたり」と書きやしたが、みなさんの胃、ちゃんとこのBarと書かれている場所にありやすか?
あっしは胃下垂なので、ニョロ~ンと「し」の字の様にひんまがったヘチマみたいな形の胃で、「し」の一番下がった部分はヘソより下にありやす。
そう、胃下垂の人の胃って、よくイラストに描かれるような正しい形の胃がそのまま位置だけ下についている訳ではないんでやす。
おまけにあっしは、数年前から萎縮性胃炎(いわゆる慢性胃炎)にもなってしまったので、日々、胃に負担のかからない食生活を心掛けてやす。

この猛暑でますます胃が弱り、2キロ痩せてしまったので、今、あまり得意でないスイーツを極力食べて、適正体重に戻そうと頑張ってやす。
胃が悪い人が体重を増やすのは、太っている人が体重を落とすより難しいらしいでやす。


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昔の女性ってウブだったのね [独り言]

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私が三十才くらいの頃ーーー
近場の天満宮に ふらりと散歩に行った時のことである。
その天満宮は、鶏が何羽も放し飼いになっているので、鶏を観るのも 一つの愉しみの場だった。

私が鶏を眺めていると、傍を二人の年配女性ーーーおそらく大正生まれだと思われるーーーが、しきりと世間話をしながら やはり鶏達のほうを向いていた。

とーーー
一人の年配女性がもう一人の年配女性に あっけらかんと「どうして雌鶏の背中の羽根はハゲハゲになってるの?」と尋ねた。
すると聞かれた年配女性は、急に両手を頬に当て ひどく困った様子で「、、、、、えっと、、、えっと、、、それは、、、あの、、、、、有精卵だから、、、」と答えた。
「有精卵」と聞くや、尋ねた側の年配女性は、自分は何てはしたない質問をしてしまったのだろう!と言はむばかりに、恥ずかしそうな表情になり 俯いてしまったのだ。
二人は、俯きつつ黙って 鶏達から離れて行った。

聞かれた側の年配女性、「交尾をする時に雄が雌の背中に乗っかるからよ」とすらも、直接的な表現過ぎると感じて言えなかったのだ。

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又、やはり私が三十才くらいの時ーーー
山梨に住んでおられる知り合いのご婦人ーーー確か、昭和十年生まれくらいーーーに、石和だか甲府だかに在る宝石博物館(これが正式名称かどうかは正確に記憶していない)に、是非ご一緒しましょう! と誘われ 同行した。

館に入るや、様々な種類の貴石でこしらえられた 牡丹の花やら五重の塔やらがい並んでいた。
そのご婦人はおしゃべり好きなかたで、「ぼんぼち先生! これは紫色だから紫水晶、洋名でアメジストって言うんですよ。 で、こっちの葉っぱの部分は、、、」と しきりに説明をしてくださりながら、私達は観進んで行った。

と!
突然、館内展示物が、秘宝館展示へと変わった。 つまり、貴石で作られた秘宝品の数々となったのである。
すると、それまで間なくしゃべり続けていたご婦人は、しまった!ぼんぼち先生をこんな恥ずかしい所にお連れしてしまった!と言はむばかりの顔になり、俯いて黙ーーーってしまった。
俯きとだんまりは、秘宝コーナーが続く限り続いた。

秘宝コーナーを歩ききると、館内の展示は終わりで、土産物売り場へと直結していた。
と、ご婦人は先とは別人の様に満面の笑顔になり、「先生! 先生はどのお土産買いますか? アタシ、ぼんぼち先生が何をお選びになるか、先生のセンスを見て勉強したいんですよ。 で、アタシが今、目に留まったのは、、、」と 縦板に水の如くしゃべりを復活させた。
私は心の中で、あまりにも解りやすい感情の変化に、クククク、、、と笑ってしまった。

私の世代の女性二人で、いきなり秘宝コーナーが出現したとしたら、「あはは〜!これって秘宝館じゃん! デカイねー、プププ〜」と 恰好の土産話のネタになるところだが。

昔の女性って、、、子作りして何人も子供を産んで 年齢を重ねても、それでもウブだったのね、、、と思わずにおれない 思ひ出二つである。

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タイルのスロープ [写真]

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舗道から建物二階へと伸びるタイルの貼られたスロープ。
ネガ加工にしてみたら ちょっと非現実的な抽象画のような雰囲気になって面白いんじゃないかな?と思い、試してみたら、あっしの想像通りになってくれたので、これを完成作品としやす。

実際は、このスロープの先には、小洒落たカフェと雑貨屋さんがあるのでやすが、あっしはこの写真を観ていたら、先にあるのは、ネジとか金属片をロボットが売っている店があるようにイメージが沸きやした。
みなさんは、このスロープの先に何があると想像されやすか?
勿論、なんにも想像しないよ、でも構いやせん。


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タブレット端末、17ヶ月で壊れる・の巻 [リポート]

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8月31日、起床するや いつものようにブログ画面を観るために タブレット端末(アンドロイドのキュアタブ大型)のスイッチを押すと、起動途中に表示される2つの画面が交互にループし続け、起動に至りませんでした。
再起動を試みようとスイッチをもう一度押しましたが、起動途中のループは繰り返されるばかりでした。
ーーー昨夜までは何の滞りもなくスムーズに稼働してたのに、、、

「これはauショップに行って治してもらうしかないな」
私は、これまでの経験上、近場で最も 技術・知識が優秀で接客態度も良いと認識している 隣街のauショップ・吉祥寺北口大通り店へと向かいました。

カウンターで担当にあてられた若い女性に診ていただき、担当女性は、不具合サポートの部署であるらしき所へ電話を掛け、その指示通りに ICカードを取り出してからアダプターにつなぎ再起動するか否かをやってみておられましたが、ループは全く変わらず、「お客様、こちらの商品、修理か交換という方法になります」と仰いました。
私は、ショップなら簡単に治していただける程度の問題だと思っていたので、購入からたったの17ヶ月で修理か交換となるという結果に かなり驚きました。
修理だと約2週間 交換だと翌日か翌々日に届くとの説明だったので、迷わず交換を選択しました。
いずれにしろ2年間の保険期間内なので、自己負担金は僅かな手数料で しかも貯まっていたポイントから使えるとのことでした。
担当女性は、物静かで丁寧な態度のかたでしたが、カードの入っている場所を見つけるのに時間が掛かったり カードの取り出し方がおぼつかなかったりと、一生懸命やって下さっていることは解りましたが、まだキャリアの浅い これからの人だな、という印象でした。
「ありがとうございました」と一度だけお礼を言い、auショップ吉祥寺北口大通り店を出ました。

これから先に私がやることとなると、故障紛失サポートセンターからの電話待ちと その電話で諸々の確認をしていただいた後、商品発送を待ち、新しい商品を受け取り、ICカードを入れ起動させ、細々とした設定をして今までのと同じにすることでした。
auメールアドレスはICカードに情報が入っているので新たにメール設定をする必要はなく、けれど、自分で後からインストールした画像加工アプリは、ストックしてある画像も アプリをインストールした状態もゼロになります、とのことでした。
ーーー幸い私は、「これぞ!ブログに使える!」と判断した画像は、早々に加工縮小し、公開時未定であっても ブログの管理画面のファイルに移していたので、安心でした。

31日の午後から夜までは用事が入っていて電話に出られないので、9月1日と2日に電話に出られる状況にしておきます、とショップに伝えたので、その2日間の9時〜20時までの間に、au故障紛失サポートセンター担当のかたが掛けて下さる、とのことでした。

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1日 午前11:30
スマホからチマチマとブログ訪問をしていると、早速サポートセンターから掛かってきました。
若い女性の声で「こちら、ぼんぼち様のお電話で宜しいでしょうか?」
「はい、ぼんぼちです」
「ワタクシ、本日ご案内させていただく担当のHと申します。 今から10分ほどお時間を取らせていただきますが、大丈夫でしょうか?」
「はいっ!大丈夫ですっ!」
すると、担当のHさん、「この度は ぼんぼち様のタブレットに不具合が生じてしまいまして、まことに申し訳ありませんでした」と仰ったのです! しかも、その口調には、心の底から本当に申し訳なかったです!という感情が溢れていたのです!
私は、何という優秀な担当のかただろう!!と いたく感激してしまいました。
そして、住所・氏名・電話番号の確認や 商品の到着が 早ければ今日の夕方、遅くとも明日の昼くらいまでになることを伝えて下さいました。
それらのお話しかたも最上級に丁寧で温かみのある ますます優秀さを感じさせるものでした。
私は何度も何度もお礼を言い、電話を切りました。

その日ーーー
15時くらいから自室で待機し、お気に入りのビールをチビチビやりながら、交換品の到着を待ちました。
18:00くらいになった時ーーー
宅配便のお兄さんが交換品を届けて下さいました。

早速 開封し、ICカードを入れ、充電をしながら起動を開始させました。
起動は、「同意」や「次へ」をポチポチとタップしてゆけば良いだけだったので、予想外に簡単に完了しました。
次に、音を全て出ないようにしたり 文字を大きくしたり 天気予報が表示されるようにし、そして、自分のブログをログイン状態にしました。
それから、今まで使っていた画像加工アプリ2つをネット上から探し出し、インストールしました。
そのうち1つは横文字のアプリ名なのですが、横文字に疎い私はスペルを正しく記憶していなかったために、探し出すのにちょっと手間取ってしまいました。
そうして、これまで使っていたタブレットと全く同じ使い勝手に出来、ほっとひと息つきました。
呑みながらのんびりやったので、その間 2時間くらいだったかと思います。

今回のタブレット不具合騒動、たったの17ヶ月で壊れてしまうとは思いもしなかったのですが、優秀な担当者さんや 迅速な発送によって、不便を覚える時間も短く、再び、タブレットと共に生きる快適な生活を復活させることが出来ました。
めでたし、めでたし。
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隙間におさまっているホース [写真]

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今回は、あっしが写真記事の中で一番多く扱っているモチーフ、ホースでやす。
これまで色んな状態になっているホースを撮ってきやしたが、建物の外壁の隙間にうまくおさまっていて他の物が何も写っていない という単純さに面白味を覚え、迷わず撮りおさめやした。
加工は、外壁が白く飛び過ぎないよう ほんの少しだけブルーのトーンをかけやした。

ホース、この季節に水撒きをするのに欠かせない道具でやすね。
あっしも子供の頃、夕方になるとよく庭の水撒きをしやした。
それでよく憶えているのは、ホウセンカが綺麗だったことでやすね。
ある年に三種類くらいの色のホウセンカを植えたら、勝手に交配してくれて、翌年翌翌年と、年を重ねる毎にそれはもう色んな色のが咲き、実に美しかったでやす。
ホウセンカ、最近めったに見かけない花でやすね。
花にも流行り廃りがあるようで、最近は流行らない花なのでやしょうか?


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庭の睡蓮鉢に住んでいた蛙 [独り言]

私は何年か前に「ぬし」と題した散文詩の記事を公開したことがある。
我が家の庭の睡蓮鉢に、ある初夏から 焦げ茶色の私の握り拳大の蛙が住みつき、我が家の「ぬし」と言はむばかりに居座っていたが、私は興味がなく、日を重ねる毎に蛙から遠ざかり、ついには庭にすら出なくなった、という内容の詩である。

この詩には、実在のモデルがいた。
実際に私の家の庭に住んでいた蛙である。
しかし、詩というのは創造の世界の産物なので あのような関係性にしたが、実際は 私のほうが蛙に興味深々で、毎日睡蓮鉢を覗くために庭へ出、蛙は私の気配を感じると、ぽちゃん!と水中に潜ってしまっていたのだ。

そんな、私が横恋慕を続ける蛙も、夜になり窓のシャッターを降ろし、部屋の中で静かに書き物などにふけっていると、「今宵も我が天下!」とばかりに「ケッ!ケッ!ケッ!ケッ!ケッ!ケッ!、、、」と よく通る甲高い声を響かせていたのだった。
私は夏中、彼のケッ!ケッ!ケッ!を、子守唄代わりに床についていた。

そんな夏は三、四年の間続いたが、ある晩夏、彼は忽然と消えていた。
夜中のケッ!ケッ!ケッ!も聴こえなくなった。
次の日もその次の日もその又次の日も、一週間経っても、、、、、
そして、その夏は終わりを告げてしまった。
以降、彼を見ることも聴くことも まったくなくなってしまった。
ーーー鴉に喰われてしまったのだろう、、、と察した。

何処からやって来たとも知れぬ 私の拳大のたった一匹の蛙だったが、私は 両手をいっぱいに広げてもまだ足りないほどの幸福感と非孤独感を与えてもらっていた。
彼のおかげで、じっとりと不快に汗ばむ夏を どれほど独り微笑みながら過ごせたことか、、、

夏の終わりになると、彼の終わりを思い出さずにはおれなく、心に寂寥の風が吹く。

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