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ウンダーベルグで、手軽にドリンクにアクセントを! [洋酒・カクテル]

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今日は、ウンダーベルグというお酒と、そのオススメの飲み方をご紹介します。

ウンダーベルグというのは、ドイツで作られている アルコール度数44度の40種以上のハーブ・スパイスが漬け込まれ熟成された とても香りが良く苦いスピリッツです。
ドイツ本国では、ストレートで、二日酔い直しや滋養強壮酒として飲まれる事が多いそうです。

このウンダーベルグ、クラブソーダやトニックウォーターやジンジャーエールやコーラやグレープフルーツジュースで割ったり、又、ジントニックやリッキー類やバック類に加えたりするのもメジャーな飲み方ですが、苦味のあるソフトドリンクスを主体に、ウンダーベルグをほんの数滴だけ垂らして飲む、というのも、オススメのいただき方です。
微妙に香りと苦味のアクセントのついた 一味違ったそれらとなります。
それに、数滴であれば、アルコールに弱い人でも、大丈夫でしょう?
しかも、一瓶が20mlでお値段が200円ちょっとというのも、お手軽で気軽に手を延ばしやすいこととお察しします。

みなさん、もしもお気が向かれたら、ウンダーベルグ、お好みの飲み方でトライしてみてくださいませ。
たとえお口に合わなかったとしたら、部屋の中の洒落た小さな飾り物としてしまえばいいのですから。
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フィズの中でスタンダードなもの [洋酒・カクテル]

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スピリッツ又はリキュール+レモン果汁+シュガーシロップをシェイクして 氷を入れたタンブラー又はコリンズグラスに注ぎ クラブソーダで満たしたカクテルを「フィズ」と呼びます。
ですから、どんなスピリッツ リキュールで作ろうが、フィズは出来る訳ですが、主に飲まれているフィズというのは、限られています。
理由は、言わずもがな、それらがフィズ向きで、そうでないものがフィズにしない方が美味しいから といったところでしょう。

という事で、今回は、フィズの中で一般的に飲まれているスタンダードなものを、ご紹介します。

ジンフィズ
カカオフィズ
バイオレットフィズ
スロージンフィズ
ルビーフィズ
ゴールデンフィズ
シルバーフィズ
ロイヤルフィズ

です。

先ず、ジンフィズは、お酒を飲まない方でもご存知な スタンダード中のスタンダードなフィズですね。
ネーミング通り、ベースはジンです。
カカオフィズは、カカオリキュールをベースに作ります。
バイオレットフィズは、パルフェタムールという スミレの花から香りを移し取った 美しい紫色のリキュールがベースです。

これらのフィズは、オーセンティックなバーでは無論、昔も今も、バーテンダーさんが何の躊躇もなく 注文が入ると出してくださるフィズですが、純喫茶(この場合の純喫茶とは、最近よく使われている「単に古い喫茶店」という意味ではなく、特殊喫茶があった時代の、つまり1960年代の「純然と飲食を愉しませる喫茶店」という本来的な意味での純喫茶です。 1970年くらいに特殊喫茶は絶滅しますので)に必ずといっていいほどメニューにあった フィズ三兄弟です。
1960年代、私はまだ幼い子供だったので、大人達が美味しそうに傾けるそれらのフィズを「アタシも大きくなったら飲みたい!!」と憧れの眼差しで見上げていましたが、自分が酒が飲める年齢になった時代には、フィズがメニューに記載されている喫茶店は、残念ながら 極めて稀になってしまっていました。

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次に、スロージンフィズ。
これは、スローベリーという赤いベリーをジンに漬け込んで作った スロージンというリキュールがベースのフィズです。
爽やかな軽い赤色が目にも愉しいフィズで、甘酸っぱく アルコール初心者の女性にもオススメの一品です。

それから、ルビーフィズ。
これは、前述のスロージンフィズに、シェイクの段階で、グレナデンシロップと卵白を加えたものです。
卵白は、ねろ〜んとしているので、最初にシェイカーの中でバースプーンの先で以て、チャッチャッチャッチャッと ねろ〜んを切る必要があります。
甘く シェイクされた卵白がほわっと、口当たりも優しいフィズです。

最後に、ゴールデンフィズ、シルバーフィズ、ロイヤルフィズ。
ゴールデンフィズは、ジンフィズに卵黄を加えたもの。
シルバーフィズは、ジンフィズに、卵白を加えたもの。
そしてロイヤルフィズは、全卵を加えたものです。
ルビーフィズの項でも説明させて頂いた通り、卵白はねろ〜んとしているので、シルバーフィズとロイヤルフィズは、チャッチャッチャッが必須です。
卵、特に卵黄が入ると味がまろやかになるので、ジンをあまり強く感じない 飲みやすいフィズとなります。

以上が、フィズの中でのスタンダードなものです。
デコレーションは、基本的にはスライスレモンを一枚、グラスの中に入れるだけなのですが、私は個人的にはマラスキーノチェリーが好きなので、バーでフィズを所望する折りには、マラスキーノチェリーに切れ目を入れたものを、グラスの縁にちょこんと着けて頂きます。
見た目も華やかになり、カクテル感も上がり、気分も上昇です。

まだまだ、飲みに出掛けたくともバーが営っていない地域にお住まいの方も少なくないとお察ししますが、フィズは難易度の高いカクテルではないので、又、夏向きのカクテルでもあるので、みなさん、お気が向かれたら ご自宅でお作りになってみてはいかがでしょう。

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吉祥寺に在ったバー・ワゴンリーが閉店 [洋酒・カクテル]

先日、知人から「吉祥寺東急デパート裏の葡萄屋が全階閉店をした」という話しを聞いた。
私は早々に 葡萄屋が在った場所に行くと、すでに写真の様な状態となっていた。(写真は、12月10日撮影)
知人の話しによると、「10月くらいに閉店になったらしい」との事であった。

葡萄屋というのは、古い重厚なレンガ造りの建物で、階によって、ステーキ しゃぶしゃぶ バー 喫茶 と、同経営者で営られていた 吉祥寺の中でも抜きん出て洒落た品のある店で、私はその中のバー・ワゴンリーに20代後半から30代半ばまで 足繁く通っていた、今までの生涯の中で飛び切りにお気に入りのバーだったのだ。

ショックである、、、、、
20201211_173909.jpgおそらくは、やはりコロナの影響なのではないかと推測するが、吉祥寺からまた一つ、雅な空間が消滅してしまったとは、、、、、

私がワゴンリーに通い始めたきっかけは、国立のカクテルラウンジでアルバイトをしていた20代後半時、常連のお客様に「いい店だから行ってごらん」と薦められた事だった。

葡萄屋建物の地下への階段を降りると、そこには 手抜かり一つ無く磨き上げられたクラシックな木造りの内装に、ゆったりとしたカウンターとテーブル席が広がっていた。
酒は、私がアルバイトをしていた店がカクテルに特化したバーだったので リキュールの種類が多かったのに対して、ワゴンリーは、各スピリッツやシェリーを取り揃えていた。

私はラムとシェリーが好きなので、イギリスがジャマイカに作らせた ちょっとスコッチの様なニュアンスのゴールドラムや、シェリーは、ドンゾイロのフィノからクリームまでの飲み比べをさせて頂いたりしていた。
フードメニューでは、エスカルゴとチーズ盛り合わせをいつも所望した。
エスカルゴは、エスカルゴトングを使って食べるのが一興で、殻の中に残ったソースを添えられたバゲットに掛けて頬張ると 何とも香り豊かで、チーズは、チョコレートを練り込んだクリームチーズなどという珍しいものも盛り込まれていた。

クオリティが高かったのは、内装や酒やフードだけでなく、その時期いらした4人のバーテンダーさん全員が、素晴らしく気の利く 話し上手聴き上手な、私を天にも昇る心地にさせてくださる方達だったのである。
下品さがみぢんも無いのは言うまでもなく、かつ、それでいて気さくで くだけた世間話をしてくださり、緊張する事も気兼ねする事もなかった。

20201211_173838.jpg又、オープン時間が4時だったというのも、国立に住んでいた私にとっては、生活上、非常に好都合であった。
何故、4時オープンにしていらしたかというと、ステーキやしゃぶしゃぶ目当てにいらっしゃるお客様が ウェイティングに使える様に との配慮かららしかった。
私が4時ジャストに入店すると、たいていまだ他にお客様は誰もいなく、4人のバーテンダーさんが揃って私の前面に並んでくださり、私は至福のひとときを重ねていった。

ーーーが、
30代半ばになった頃、バーテンダーさんが1人替わり2人替わりし、マスター以外は総入れ替わりとなり、接客上手の方が、マスターの他にいなくなってしまったのである。
これを理由に、私はワゴンリーから足が遠退いてしまった。

それから20余年が経ったが、東急デパート裏の通りを歩き、葡萄屋のレンガ造りの建物を見る度に、あの頃の享しさが蘇ってきたものである。

しかしーーー
もう、私のあの頃の至福を思い出させてくれるものは、レンガの一片すらも無くなってしまった、、、、、


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カクテルのチェリーやオリーブは食べてもいいのか [洋酒・カクテル]

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私は若い頃 カクテルラウンジでアルバイトをしていた という話しをすると「カクテルに入っているチェリーやオリーブ、あれって食べてもいいものなんでしょうか?」という質問をよく受けます。
答えは、イエスです。
食べてもいっこうに構いません。
マナー違反にもならなければ、お行儀の悪い行為にもあたりません。
ですから、みなさん、注文したカクテルに、マラスキーノチェリーやスタッフドオリーブが入っていた場合、躊躇なくいただきましょう。

そう答えると、今度は「では、どのタイミングで食べるのが適切なんでしょうか?」という質問を重ねられます。
基本的には、どのタイミングでいただいてもオッケーです。
ただ、チェリーやオリーブは、視覚的にもカクテルの効果を盛り上げている名脇役ですから、運ばれて来た早々にパクッと口にほおりこんでは、そういった意味で ちょっと勿体無いと思います。
チビリと飲んでは、グラスやカクテルの色合いやチェリーやオリーブを愛で、そしてまたチビリといきたいものです。

「じゃあ、飲み干してから、最後にパクッとやるのが一番いいの?」という声も聞こえてきそうですが、勿論このいただきかたもいけない訳ではありませんが、チェリーなりオリーブなりを味わった後、もう一口か二口 そのカクテルの味を堪能したい気分にはなりませんか?

ですから私は、7〜8割方飲んだところで、いただくことにしています。
絶対的に これが正解です、正式な食べ方です、という事ではありませんが、目で楽しみ、そして最後に再びそのカクテルを味わうには、このタイミングがベストだと、私個人は考えています。

また、いっとき「女性と二人でカクテルを飲みに行って、女性がチェリーを食べたら『今夜はオッケーよ♡』の合図」という噂がまことしやかにあったようですが、女性の側でこういう行為で合図を示すかたは まずおられないので、その辺りで、妙な勘違いをして浮かれたり 落胆したりしないように、男と女のすれ違いを作らないよう、楽しくカクテルタイムを共有しましょう。
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高円寺のカフェ・ヤミーでシメイ・ブルーを仕入れていただきました [洋酒・カクテル]

一ヶ月ほど前、かつてオフ会も開催させていただいたこともある ぼんぼち行きつけのカフェ 高円寺のヤミーのカウンターに座ると、酒の棚にズブロッカが加わっていました。
私が「ズブロッカ入れたんだね!」と言うと「はい、飲みたいっていうお客さんがいらしたので」と ママさん。
それならば!と、私はこの申し出を発せずにはおれませんでした。
「シメイのブルー、入れてもらえる?」。

二週間後、私はヤミーのカウンターで、ゆうるりと シメイ・ブルーを傾けることとあいなりました。
マスターがシメイ・ブルーのボトルをスッ!と見せてくださるや、私は片手をグーにして「やったやったやったー!!」と飛び跳ね、「七年前(ヤミー開店当初)から、シメイのブルー、入ったらいいなーって ずっと思ってたんですよ」と打ち明けると、「あら、もっと早く言っていただけたら入れましたのにー」と ママさんに笑顔で返されました。
本来なら、シメイはシメイ用の 金色でCHIMAYと記されたチューリップ型の大ぶりのグラスでいただくものなのですが、私はそこまでの拘りはなく、チューリップ型のグラスであれば何でもいいので、ワイングラスで、と所望しました。

20200224_152603.jpgここで、シメイ・ブルーが、一体どういうお酒なのか解らない方も少なからずおられるとお察しするので、簡単に説明しますとーーー
シメイというのは、ベルギービールと言えば!で最初に名前が出て来るくらいに有名な ベルギーを代表するビールの銘柄です。
ベルギービールに多い 上面発酵の無濾過タイプで、世界最古のトラピストビール(修道院で作られるビール)です。

シメイには、ホワイト ゴールド レッド ブルーの四ラベルがあり、極めて単純にそれぞれの特徴を挙げると、ホワイトはキリリとホップの効いた苦味の強い味わいで、ゴールドは円やかでフルーティー、レッドは芳香豊かでやや重厚な感じ、ブルーはレッドをよりいっそう重厚にした 充実感のある香りと味になります。

基本的に常温でいただくタイプのビールで、というのは、常温で飲んだ方が、明らかにシメイの個性である香りと味わいがダイレクトに感じられるからです。
私はどんなタイプのビールでも常温でいただくので、シメイは無論、常温で、チューリップ型グラスに鼻を入れ込む様にして香りを楽しみつつ、トロリトロリとゆっくりと味わいます。

20200224_152707.jpg日本人は、長年、キンキンに冷やしたラガータイプのビールに慣れ親しんできた民族なので、常温のビールをチューリップ型グラスで というと「えっ?!こういう飲み方するの?」と小さく驚かれ、飲んでみて「えっ?!これがビール?」と 重ねて驚かれるかも知れません。
ですから、頭の中にある「ビール」という概念を捨て、「ビールとは別のお酒」と考えてみると、抵抗なくシメイの世界に入ることができるかも知れません。

私はシメイに出逢った約三十年前から、シメイの、中でも特にブルーラベルのファンになっていたのですが、ビールに特化していない しかもカフェで、シメイを置いてある店はまず無いので、ヤミーの融通の利かせ方 ご好意に大変感謝し、今まで以上に よりヤミーに通おうと思いました。

みなさんも、カフェで気軽にシメイ・ブルーを飲んでみようかな?と思われて、もしも高円寺までそう遠くないようでしたら、ヤミーを訪れてみられてください。
マスターもママさんもバイトさんも、快く提供してくださいます。

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ミストとフラッペ [洋酒・カクテル]

毎日 うだるような暑さですね。
こんな日には、アルコールもキンキンに冷えたものをいただきたいですね。

そこでオススメなのが、「ミスト」という飲み方です。
作り方はいたって簡単!
クラッシュドアイスをギシギシに詰めたロックグラスにお好みのスピリッツを注ぎ 軽くステアするだけです。
ステアすると グラスの表面が霧がかかったように結露することから こう命名されました。
バーで注文する時は、単に「バーボンをミストでお願いします」とか 「テキーラ、ミストで!」と スピリッツ名だけを指定しても勿論構わないのですが、拘りの銘柄がある場合は、「マイヤーズをミストにしてください」 「タンカレー、ミストでね!」などと言うと、バーテンダーさんも迷うことなく 「はいっ!かしこまりました」と 快く作ってくださいます。
最初は濃い目の水割りを飲んでいる感じで、それがじょじょに冷たい薄い水割りの味わいに変わり、身体のほてりがすっかり癒えてくれること請け合いです。

又、ベースをリキュールやワインで作る場合は、「フラッペ」と呼びます。
この時 グラスは、カクテルグラスのような足の付いているグラスを使い、細いストローを二本添えます。
目にも美しい女性向きのカクテルとなります。

みなさんも 暑さにぐったりした夕、ミストやフラッペを享しまれてみては如何でしょうか?

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バーテンダーさんとバーテンさん [洋酒・カクテル]

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みなさんは、オーセンティックなバーで、ネクタイをきちんとしめてベストもピタリと着用し 一筋の乱れもなく髪を撫でつけ、洋酒・カクテルのことなら専門書のごとく知識があり それでいて決して出過ぎない態度の従業員のかたを何と呼ばれているであろうか?
-----「バーテンダーさん」 その通りである。

「バーテンさん」と呼ぶのも あながち間違いというわけではない。
しかし、バーテンさんという呼び方には、ちょっと大衆的で小馬鹿にしたニュアンスが入ってしまうのである。
解かりやすく例えるのなら、ハイヤーの運転手さんを「運ちゃん」と呼ぶのと同じである。
バーテンと呼ぶのに相応しいのは、昔イッセー尾形さんが演じていたような 洋酒の知識もろくになくまともなカクテル一つ作れず、客のいない時間にはカウンターにテレーッと肘をついて与太話に余念のない お世辞にも品がいいとは言えないバーの店員である。

中には、「バーテンさん」という呼称がそういったニュアンスを含んでいる事を知らずに バーテンダーさんをそう呼んでおられるかたもいるかも知れない。
勿論バーテンダーさんの側では、前後の言葉づかいや表情から 蔑称として使っているのではないとピンと察してくださる。
「このお客様は正しい言い方をご存じないだけなのだな」と。
だから、笑顔で接客を続けてくださるに違いないが、内心はあまり気持ちのいいものではない筈である。

オーセンティックなバーの席に掛けたら、きちんと「バーテンダーさん」と呼び、心底気持ちのよい接客で 迎え送られたいものである。

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ホットバター・ド・ラムとホットバター・ド・ラムカウ [洋酒・カクテル]

日一日と秋の深まりゆく時節、アルコールも温かいものをいただきたくなる今日この頃でやすね。
みなさんは、どんな温かなアルコールドリンクスを飲まれていますでやしょうか?

あっし・ぼんぼちは、ホットバター・ド・ラムとホットバター・ド・ラムカウでやす。
三十才くらいの時に 生まれて初めて心底美味しいと感じたお酒がダークラムで、ダークラムの様々な飲み方をあれこれ試している中で辿り着いたホットカクテルでやす。

ホトバタードラム.JPG先ず、ホットバター・ド・ラムのレシピをご紹介しやす。
好きな銘柄のダークラムを好みの分量のお湯で割りやす。
あっしは、王道のマイヤーズの場合が多いでやす。
そこに、バターと ナツメグ シナモン クローブなどの好みのスパイスを浮かべやす。
バターは、ホットケーキに乗せるくらいの量が適当でやす。
スパイスは、ナツメグはすりおろして、それ以外はパウターをふってもホールをポンと入れても どちらでもOkでやす。
お好みで、砂糖 スライスレモンを加えやす。
これで出来あがりでやす!!
アツアツのうちに 立ちのぼる香りに包まれながら ふうふうと召し上がってくださいでやす!

ホットバタードラムカウ.JPGホットバター・ド・ラムカウは、前述のレシピの「お湯」を「ホットミルク」に変えるだけでやす。
ただし、好むと好まざるとに関わらず、スライスレモンは入れやせん。
ホットバター・ド・ラムよりもデザートカクテル感の高い 〆めにとろとろと飲るのに相応しい こっくりとした一杯でやす。

どちらもスタンダードなカクテルなので、きちんとしたショットバーであれば、バーテンダーさんは間違いなく 心よく「はい!」と作ってくださいやす。
あるいは、ご自宅でナイトキャップとして楽しまれるのもいいかも知れやせん。 材料さえ揃えれば特別な技術は必要としないカクテルなので。

ホットバター・ド・ラムとホットバター・ド・ラムカウで、秋の夜長に お一人であるいはご友人と、心も身体も温められてはいかがでやしょうか?



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 ガムシロップ  [洋酒・カクテル]

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若い頃のほんの短い間 カクテルラウンジでアルバイトをしていたことがあるのだが、その店でのマスターの教えの一つに こんなものがあった。
「カクテルその他の用語を略して言ってはいけません。 略すのは、下品な間違った言い方です。 客が略して注文したら、略さずに正しく復唱しなさい。」

通ぶって略して発する客は少なくなかった。
モスコミュールをモスコ、スクリュードライバーをスクドラ、ジンブルドックをジンブル 等々・・・・・
その都度、「モスコミュールでございますね。」 「スクリュードライバーですね。」 「ジンブルドックで・・・」 と、正していた。

又、カクテルの材料として活用される砂糖を煮溶かしたものは、ガムシロは論外、ガムシロップでも駄目、シュガーシロップと呼びなさい、とも。
ガムシロップというのは ガムの木の樹液から作られたもので、皆がガムシロ、ガムシロップと呼んでいるこれらは、サトウキビから作られる砂糖のシロップなのだから シュガーシロップ以外の何ものでもありません。 つまり、ガムシロは二重の誤りです-----と。

年齢を重ね あちこちのバーでグラスを傾けるようになったが、実際 オーセンティックなバーで 誤り用語を使うバーテンダーには出逢ったことが ない。

しかし、喫茶店では----
有名ブランドのカップを用い 銀のミルクピッチャーで供されるような 上品かつ高級な店でも、店主が「アイスコーヒーに『ガムシロ』はお入れになりますか?」などと聞いてくる。
私はその度に、なんだか店の格がガクンと堕ちたような とても残念な気持ちにさせられてしまう。
単に 私が、カクテルの世界の常識を刷り込まれているだけで、ソフトドリンクス業界のそれはまた別であるとは 百も承知なのだが・・・・

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 初めての酒---シェリー・アモンティリャード  [洋酒・カクテル]

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生まれて初めて口にした酒----、みなさんは何でしょうか?
私・ぼんぼちは、正月の屠蘇とクリスマスの---子供心にはシャンパンだと信じて疑わなかった安モノのスパークリングワインを別にすると、シェリー・アモンティリャードです。
それがフォーティファイド(酒精強化)ワインの一つであるシェリーの 中辛口のアモンティリャードであったと認識できたのは、かなりの年月を経、ショットバーにて様々な酒を愉しむようになった三十歳くらいの時になりますが。
----当時、私は 高校一年か二年でした。

その頃、月に一度くらいの頻度で、父から 自宅の黒電話を通して 父の仕事場の近くである新宿御苑前あたりに土曜の夕 呼び出され、制服を駅のロッカーに押し込め 原宿で求めた古着でキメた私は、父と二人で夕飯をとるのが なんとなく恒例になっていました。

たいていは、父の好物とするイタリアンかスパニッシュか とにかくそっちのほうの料理で、その日は、やはり御苑前近くの、私の記憶が正しければ、「カラカラ」という名の 洞窟のような薄暗いレストランでした。
ウェイティングバーを通り抜け、ゲタの胸像のレプリカの見おろす キャンドルの揺れるテーブルに着きました。

酒精強化ワイン1.jpg父は、紳士とは程遠い 砕け過ぎた馴染みの様子でふんぞり返り 店中にゴキゲンさを響かせつ、黒白でかためたホール係としばし交し、するとホール係は 身体ごと私に向き直りました。
「食前酒は何になさいますか?」
「・・・・・・(えぇっっ?!)」
「ぼんぼちも食前酒くらい飲まんかいネー! カッカッカッ(笑い) チミ、この子に何か持ってきてくれタマエ」

グラスが運ばれるや、私の心は驚きの声をあげずにはおれませんでした。
人形用のワイングラスといった形容がぴったりなほどの それまでの人生では目にしたこともなかった 小さな小さな足付きグラスだったものですから。
グラスをキャンドルにかざし、「紅茶に一、二滴 臙脂色の絵の具を垂らしたような色だなぁ」と 眺めました。
グラスを鼻に近づけると・・・・
梅雨時の床下の匂いがアルコール武装をして襲いかかってきたようで、むせかえってしまいました。
それでも挑戦的に唇をつけると・・・
微かに甘くはあるものの 高密度のアルコール群にカウンターパンチを喰らい、私は、すぐさま グラスを自分から放し、それぎりキャンドル横の飾り物にせざるを得ませんでした。

食後は再び恒例で、せがまずともピラピラッとこずかいを渡され、御苑前で父の背を見送り、制服の高校生に戻り 帰路につくのでした。
酒精強化ワイン2.jpg父の向かう先はどこかというと、複数囲っている愛人さん宅のいずれかのところでした。
本宅である私の家に帰るのは、基本 日曜だけで、私が高校一、二年の二年間ほどは、仕事が波に乗っていたらしく 愛人さんの数も多かったようで、日曜日もほとんど帰りませんでした。
父からの月一ペースの招集は、ほぼこの二年間だったように思います。

人に話すと、「お父さんが毎日帰ってこなくて 愛人さんがいるなんて、寂しかったでしょー」とか 「お父さんと逢えた時は嬉しかったでしょー」などと言われることがありますが、そのような臆測は まるで見当違いというものです。
私にとっては、ただただ当たり前の どうということのない日常で、恒例夕飯は、正にも負にもどちらにも強烈な感情がなかっただけに、私の中で ポタージュに溶けるクルトンさながらに、年々 薄ぼんやりとした あいまいな記憶になりつつあります。
唯一、この 人形グラスに紅茶のような しかし実態はカウンターパンチの一杯の物珍しさだけは、鮮烈に、クッキリとした輪郭を保ち続けていました。

そして三十歳くらいになり、ショットバーにて ありとあらゆる酒を試すうち、「あっ! これは、あの時の!!」と 思い当たった訳です。
湿った木と果実の香りに包まれた 甘すぎず辛過ぎずの奥深い味わいに、鼻腔も舌もとろけました。
そして同時に、1970年代当時、シェリー・アモンティリャードを一舐めでも口にした高校生は そう多くはなかったのだ、とも知りました。
そういった意味では、父には---高校生に酒をすすめるなど誉められた行いではありませんが、また、すすめられるままに口をつけてみた自分も真っ当な高校生とは言えませんが---ちょっと貴重な体験をさせてもらったものだ と思っています。

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