木のベンチの下から覗くワインの木箱 [写真]

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あっしんちの近所に在る 大人気のカジュアル・ワインバーの、表に置かれている、木のベンチとワインの木箱。
木箱が、ほんのちょっといい加減に置かれている所に面白味を感じ、迷わず撮り収めやした。
加工は、木目が目立ち、リアリズムである事から外れない程度に、少〜しだけ、コントラストを強めやした。
特別変わった写真ではありやせんが、成立したので、ここに公開しやす。

こういう風に、ワインバーでワインの木箱を物入れとして利用する、いいでやすよね〜
妙にお金をかけてあざとく洒落た雑貨を置くより、ずっと雰囲気があるし好感も持てやす。
あっしはこのお店には入った事はないのでやすが、神保町のカジュアル・ワインバーに入った時に、やはり、ワインの木箱が荷物入れとして、二次使用されていて、同行した友人と「このセンス、いいよね〜」と頷きあった事がありやす。



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白いブランコの思ひ出 [父]

先日、行きつけの、高円寺の音楽カフェで、ビリーバンバンの話しの流れから、私が、「ビリーバンバンの『白いブランコ』っていう歌が流行った時、父親に白いブランコを買ってもらったよ」と、なにげに言ったら、マスターもママさんも、「ええっ!ブランコ買ってもらったんですか?!」と、驚いていた。
私はそれで初めて、ブランコを買ってもらえる子供は、そんじょそこらにはいなかったんだ、という事に、初めて気づかされた。

別に、誕生日やクリスマスやひな祭りといった特別な日ではなく、単に、「白いブランコ」という歌が流行ったから、ぼんぼちに白いブランコを買ってやろう、といった程度の軽いノリだったのを憶えている。
二人づつ並んで向かい合って座る四人乗りの型だった。
父は、まっ白いブランコを所望したらしいが、白はどこにも売られていなかったとの事で、まずカラフルなブランコが家の庭に来て、その後でペンキ屋さんを呼んで、白く塗ってもらっていた。
福岡に住んでいた頃で、もう小学校にはあがっていたから、小一か小ニの時である。

一人でや、よちよち歩きの弟とや、学友が遊びに来た時に、「♪君は憶えて〜いる〜かしら〜? あの〜白い〜ブランコ〜」と、歌いながら揺られていた。

私は母親には、何一つとして、母親らしい事をしてもらえなかったが、父親には、他の多くの子供達がしてもらえなかった事を、たくさんしてもらえた。
この、白いブランコを買ってもらえた、という事も、そういった事の一つだったのだと、音楽カフェ夫妻の驚きによって、認識する事ができた。

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子供用の野球のボール [写真]

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古くから営っていると思われる文房具屋の店先に、袋に入れて吊るされていた 子供用の野球のボール。
透明な袋を通して撮った事で、ボールがぼんやりと写り、ノスタルジックな調子になってくれ、袋の端の青が、程よいアクセントカラーになってくれた所も、あっしなりに気に入ってやす。
加工は、ほんの少〜しだけ、ボールの白をオフホワイトに近くしやした。

このブログをお読みの方の中には、子供の頃、こういうボールで野球をしたよ!という方、多いでやしょうね。
あっしは、スポーツは苦手だったので、庭で、トカゲやカエルを捕まえたり、部屋の中では、ソフビの怪獣やブリキのバスで遊んだりしてやした。

野球以外の遊びをしていた方々は、どんな遊びをされてやしたか?



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ぼんぼちが好きな映画監督・ベスト5 [映画・演劇雑記]

映画好きの向きなら、自身の中で一度は、「好きな映画ベスト○」や「好きな監督ベスト○」を挙げてみたことがおありだろう。
以前、私も当ブログで、「好きな映画」については列挙したので、今日は、「好きな監督ベスト5」を、並べてみたいと思う。
「好きな」だから、客観的には優秀だと評価するけれど、ぼんぼちの好みに合わない監督は入れてなく、又逆に、無骨な面もあるけれど、メンタリティとして大きく共感できる監督は入っている。
では、いってみよう!


第1位 松本俊夫監督
ぼんぼちにとって、松本俊夫監督は、映画の神である。
これほど、「映像」というものに、多視点から多実験を試みた監督は、日本には他にいない。
海外でも、特にフランスで高く評価されている、実験映画監督である。
代表作は、赤外線フィルムで撮影された 怒涛の迫力のスチルアニメーション「アートマン」、
1960年代後期の文化・風俗・ニュースを、2スクリーンに3プロジェクターで映写した「つぶれかかった右眼のために」、
劇映画だと、夢野久作の同名小説を、あえてつじつまの合わないシークエンスにつなげ、観客を訳の解らない世界に陥れる「ドグラ・マグラ」、
ゲイボーイの世界を、オイディプス王を下敷きに構成し、劇中に何箇所も、二丁目を歩くゲイや本物のゲイの出演者へのインタビューなど、ドキュメンタリーを入れ込んだ「薔薇の葬列」などである。


第2位 ヤン・シュヴァンクマイエル監督
アートアニメーション映画では、世界一著名な、チェコのアニメーション作家。
スチル、オブジェクト、クレイ、ピクシレーション、カットアウトと、あらゆる技法のアニメーションで、複雑な事情下にあったチェコへの反体制や、食べる事への異常な執着を表現している。
やはり手作りのアニメーションなので、長編より短編作品の方が圧倒的に充実度・密度が濃く、秀逸である。
私があえて、その秀逸な短編作品群から1作選ぶとしたら、無機物で構成された顔と有機物で構成された顔が戦いを重ね、ラストは、粉々に一体化してゆく「対話の可能性」である。


第3位 勅使河原宏監督
原作脚本・安部公房、音楽・武満徹との三者で創り上げた三部作、「砂の女」「他人の顔」「おとし穴」は、安部氏でこその理論的なシナリオといい、斬新な画といい編集といい、前衛的な効果音といい、名優の名演技といい、非の打ち所のない完璧無欠な映画である。
劇映画というジャンルも、このくらい画に拘ってくれると、美術畑出身の私としては、ストレスを感じずに心地よく鑑賞する事が出来る。
この三部作の中でも、個人的には、非現実な病院内セットや、主役の顔を亡くした男が観た映画という設定の劇中劇が挿入された「他人の顔」に、特に惚れ込まずにはおれない。


第4位 塚本晋也監督
「六月の蛇」で世界のtsukamotoとなる以前の、初期塚本純正作品が好きである。
デビュー作「鉄男」の、鉄化してゆくアニメーションは、目眩を覚えるほどに圧巻である。
又、「東京フィスト」は、私にとっての青春映画で、東京に育った者にしか解らない ビル群こそが己れを包み込んでくれる母体だという観念性には、骨の髄から共感する。
私が、全ての映画の中で、一番泣いた映画作品である。


第5位 寺山修司監督
私は、中学生の時に知った寺山修司氏の存在がなければ、映画にも演劇にも短歌にも俳句にもエッセイにも、ここまで興味を持ち、入り込む事はなかったと言い切れる。
辛い事しかなかった思春期の、心の救済者である。
寺山氏がこの世に存在しなければ、今の私は存在しなかったとすら言える。
それほど己れに影響を及ぼした人物でありながらも、何故5位なのかは、寺山氏の全ての表現ジャンルを観、読み込んでゆくと、氏はやはり「書き言葉」の世界の人だと気がついたからである。中でも、短歌は氏の真骨頂だと思う。
映画作品では、劇映画では「田園に死す」短編実験映画では「ニ頭女」が、良くまとまっていると評する。


とまあ、以上が、ぼんぼちの好きな映画監督ベスト5である。
みなさんは、どんな監督がお好きでおられるだろうか?

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赤い扉の派手なバー [写真]

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あっしんちの近所に在る、赤い扉の派手なバー。
これがベスト!と判断した部分を切り取り、加工は、画面全体に統一感が出る様に、うっすらと暖色系のトーンを掛けやした。
まあ、今回の一枚は、あっしの創造性よりも、モチーフそのものの面白味にありやすね。

このバー、いつも前を通るだけで、入ったことはないのでやすが、この派手な外観からして、想像でやすが、ロックがガンガンかかってそうでやすね。
みなさん、ロック、お好きでやすか?
あっしは、1960年代までなら好きでやす。
洋楽なら、ジャニス・ジョプリン、邦楽ならGSまで。
それ以降の時代のロックは、ブルースから完全に独り歩きを始めて、複雑になってゆくので、興味が持てやせん。
勿論、良い悪いではなく、単なる好みの問題でやすが。



タグ:バーの外観
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ラガーマンさんとアルチューズさんのお誕生月会@高円寺・Yummy [独り言]

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去る四月一日、我らがssブロガー・ラガーマンさんが発起人となり、四月生まれのラガーマンさんと同じくssブロガーのアルチューズさんと四月生まれ同士を祝う会に、ぼんぼちも呼んでいただけたので、参加をさせていただきやした。
場所は、ぼんぼちが十年来行きつけにしている、高円寺の音楽カフェ・Yummyさん。

そうそうに三人はYummyに到着し、あっしは、ささやかながら、お二人に誕生月祝いとして、ちょっと変わった味付けのおかきを差し上げやした。
お二人からも、チリソース味鯖缶やトムヤムクンおかきなど、酒の肴に絶好のお土産をいただきやした。

こうして、わいわいと賑やかに、宴は始まりやした。

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飲み物を注文すると、Yummyさんから、前菜のサービスが!
マスターの郷里の三重県松阪の牛で作られたという、しぐれ煮でやした。(写真はありやせん)
これが、こっくりと甘じょっぱくて美味しかったこと!
さすが、店名に偽り無しの人気店だと、唸りやした。

そして、アラカルトで、チーズと生サラミの盛り合わせ、Yummyサラダ、アボカドとキュウリの梅肉和え(写真はありやせん)を注文し、シェアして、ナイスなツマミとしていただきやした。

誕生日からブログネタからジャズや競馬まで、次々とアルコールで滑らかになった舌に、話題は尽きず、あっという間に予定の時間が来て、ラガーマンさんが、「では、次の店に、、、」と言いかけた時、ママさんが、「そろそろお誕生祝いのデザートをお出ししようかと、、、」と仰り、去年のぼんぼち還暦祝いの時にも出してくださって大好評だった、ブルーチーズの甘くないケーキとチーズケーキの盛り合わせを、マスターの巧みなデコレーションで提供してくださいやした。
「あっ!そうだ!肝心なものを忘れてた!」とラガーマンさん。
ブルーチーズの甘くないケーキ、いやはや何度食べても美味で、再度、Yummyさんの店名を裏打ちしているな!と感激しきりでやした。

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「次の店」というのは、Yummyさんから南に五分ほど歩いた所にある、これまでも何度かこのメンツその他で扉を押した事のある、仙人のようなマスターがお一人で営られている、ダングットというカラオケスナックなのでやす。
マスターは高齢でちょっとご病気をなさっていて、しばらく店を閉めていたけれど、復活されたというので、ダングットマスター復活祭という意も兼ねて。

入店時は、我々だけでやしたが、少しすると二組お客さんが来られ、みんなで和気あいあいと一つになって、主に、懐かしの昭和歌謡やフォークを歌い、盛り上がりやした。

久しぶりに複数人ではじけた、発散できたひとときとなり、さきほど歌った歌を口ずさみながら、あっしは下り電車に乗りやした。

ラガーマンさんは、六月のぼんぼち誕生月会を、今年も予定してくださっているそうで、今から指折り数えて待ってやす。
ラガーマンさん、宜しく! アルチューズさん、久しぶりにお逢いできて楽しかったでやす!
そして、今回も最上級に美味しいものを出してくださったYummyさん、無事、復活なさったダングット・マスター、ありがとう!!

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銀色のハイヒールのマネキン達 [写真]

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服屋さんのウインドウに飾られた 銀色のハイヒールを履いたマネキン達。
銀色のハイヒールを主役にしようと、あえて脚から下だけを切り取りやした。
マネキン達の立っている位置と床と背景の斜めのラインがキマったので、あっしなりに納得の一枚でやす。

このマネキン達のように脚を思いっきり出したミニスカートの若い女性が、街のそこここに見られる季節となりやしたね。
女性のみなさん、お若かった頃、ミニスカートって、はかれやしたか?
あっしは一度もはいたことがないでやす。
理由は、自分の脚の太さや形が嫌だったのもあるけど、単純にミニスカートは好きじゃないから。
中高生の頃はたいてい、ふくらはぎの中程くらいまでのフレアースカートをはいてやした。
あと、フルレングスのスカートもその頃から大好きだったんでやすが、当時はフルレングスは売られていなかったので、自分で作ったりしてやした。
今は、フルレングスのスカートが、あちこちで買える時代になって、その点では、いい時代がきてくれたな!と嬉しく感じてやす。



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第26回第27回の演技のレッスンを受けて [リポート]

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今回は、3月8日(水)第26回「ジュリアス・シーザー」、3月26日(日)第27回「から騒ぎ」の、レッスンのリポート&感想を、つづらせていただきます。

先ず、3月8日(水)第26回「ジュリアス・シーザー」。
前半は、アントニーの、一頁半に渡る 群衆を前にした演説(長台詞)を、お勉強しました。
私がダメ出しを受けたのはーーー
「諸君、云々、、、」と、群衆に何度も呼び掛ける台詞があるのですが、その「諸君」を、「自分と同じ者達」という親しみを込めて!という事と、
「貧しい者が飢えに泣くときシーザーも涙を流した」の「涙を流した」は、アントニーが眼前で見ていた事だったのだから、シーザーがどの様に泣いたのか、ーーーポロポロと、とめどなく涙を流したのか、オイオイ声をあげて泣いたのか、悔し涙に歯がみしながら泣いたのか、ーーーアントニーはその泣き様を思い出しながらしゃべっているので、どんな泣き方だったのか、ぼんぼちさんの中で何か一つに決めて、観客に、どの様に「涙を流した」のかが伝わる言い方をしなければならない、
そして、演説の初めの方は、群衆の顔や反応を確認しつつ、冷静にしゃべり、ラストにゆくに従って、群衆のアントニーを賛同する声にあおられて、テンションがあがりにあがって、自分でも もぅ何が何だか解らなくなるくらいまで興奮してしゃべる様に、ーーーちょうど、ロックコンサートで、ミュージシャンとファンのコール&レスポンスで、ミュージシャン自身もテンション最高潮になるが如くにーーーでした。

演説のお勉強了りに、「ぼんぼちさんは、レッスンに通いたての頃よりずいぶん上手くなったね!」と、めったにお褒めにならない先生からお褒めの言葉をちょうだい出来、大変に嬉しかったです。

後半は、ブルータスと彼の愛妻ポーシャのダイヤローグをやりました。
ブルータスとポーシャは、深く愛し合いつつ長年連れ添っている 仲むつまじい夫婦で、そういう夫婦は、何十年も寝起き、生活を共にしているので、「愛し合い続けながら長年連れ添ってる感」が出なければ、ポーシャの声の出し方、しゃべり方は決まってこない。
その「愛し合い続けながら長年連れ添ってる感」を出す様に!とのご指示が出ました。
でも私は、なかなかそれが出来ずに、「あぁ!この課題は、非常〜に難しいな、、、いつかは私にも出来る様になるのだろうか?!」と、エベレストを見上げる様な気持ちになりました。
けれど、先生にご指示を受けた以上は、すぐには出来なくても、いつかは出来る様になりたい!なろう!と、拳を固くしました。

レッスンはたいてい、前半の長台詞に二時間、後半のダイヤローグに二時間費やすのですが、いつも私は、後半の最後の方になってくると、体力が底をついて、元々明瞭ではない発音が、ますます明瞭ではなくなってきて、今回も自分でそう感じながら台詞を読んでいたら、すかさず先生に、「ぼんぼちさん、この時間になって疲れてきたから、言葉が乱れてきてる!」と、注意されました。
私は、「はいっ!頑張りますっ!」と、精一杯、明瞭に発音しようと努力しながら読み了えました。

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次に、3月26日(日)第27回「から騒ぎ」。
この日は、ウォームアップとして、その日に配られた 某映画のシナリオのワンシーンをお勉強しました。
映画の演技ですから、徹底したリアリズム演技を求められました。
私は、演劇より映画のほうが圧倒的に好きなので、出来た出来なかったは別として、理屈抜きに 最高に楽しかったです。

中盤からはシェイクスピアに戻り、ベネディックという貴族の青年の 一頁に渡る独白の長台詞を、素読み(感情を入れない読み方)で、私が最も苦手としている 言葉を明瞭に正確な発音で読む事を、ご指導いただきました。
私自身もこの事が一番出来ていないという自覚があり、どういう言葉が明瞭か が、頭では解っているだけに、口腔内がついてゆけずに、非常にもどかしかったです。

後半は、ベネディックとベアトリス、つまり、若い貴族の男女の恋の駆け引きの場をやりました。
最初に、シェイクスピアが設定した 国や場所通りの読み方をし、次に、もし、この二人が高校生で、ファミレスという場だったら、という設定で読みました。
私はベネディックをやったのですが、先生に、「ぼんぼちさん、ファミレスの高校生男子という雰囲気、出てるね」と褒められ、とても嬉しかったです。
その後で今度は、二人は、仕事のデキる男とキャリアウーマンで、帝国ホテルのバーでマティーニを二杯飲んで 少しだけ酔っている、という設定を与えられました。
私はベアトリスをやったのですが、「キャリアウーマン」のイメージがなかなか掴めずに、難儀をしました。
先生は、「設定を変えられたら、それまで稽古していた台詞の言い方は全て捨てて、パッと瞬時に、新たな設定下での台詞の言い方が出来る様になるのが、目標です。 このお勉強方法は、とてもレベルが高いです」というような内容の事を仰いました。

この日のレッスンは、褒められたのは一箇所だけでしたが、シナリオも読めたし、難しかったけれど、違う設定で、というのも面白く、自分の内から正の感情が、ぱあっと溢れた様な、幸せなレッスン後感でした。

又、私が今の先生について行き続けたい!と深く思える理由の一つに、「映画というジャンルを否定なさらない先生である」事があります。
文中にも書いた様に、27回のレッスンでは映画のシナリオもテキストに組み入れたり、「シェイクスピア作品は幾作品も映画化されているから、映画の方も観ると参考になるよ」とか、「映画だったら、この場面はこう撮る所だよね」とか、「現代人は皆、映画というものをたくさん観てきて、その上で舞台も観るのだから、今作るシェイクスピア舞台は、映画を知っている観客が納得する舞台でなければならない。つまり、昔と同じ事をやっていても観客は少しも面白いと感じない」などと。
否定されないどころか、映画も肯定なさっていらっしゃる。
これは、映画好きの私にとって、個人的に嬉しい事であり、理屈的にも、その通りだと思うからです。

私が過去に出逢ってきた演劇人の人達は、プロアマ先生生徒問わず、「映画なんて下劣なジャンルに興味があるのは、悪い事。舞台だけが演技をやる値打ちのある場なのよ!」とか、「映画が好き?! おーい!邪宗者がいるぞーっ!この間違った根性を叩き直せーっ!」とか、「映画なんてものは、たまーにバカになってハッハッハッハッハッって笑いたい時だけに観ればいいものなんです。小さな劇場で映画みたいな方向性の演技をする役者は、映画に毒されているんですっ!」という考えの持ち主ばかりでした。
私は、それらの発言に、いつも疑問を持ち続け、先生という立場の人がそういう考えだと判った時、私はその研究所を辞めてきました。

ですから、何重もの理由で、今の先生は、心から尊敬出来、ついて行き続けたい!と思えるのです。

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移植ごてとジョウロ [写真]

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住宅街の玄関脇で見かけた 移植ごてとジョウロ。
構図的にバッチリな置かれ方をしていたので、迷わず撮らせていただきやした。
加工は、白と赤がパキッと目立つように、コントラストを強くしやした。
現実に撮ったのは晩秋なんでやすが、ガーデニングをなさる人が活動されるこの季節の公開が相応しいと、冬眠させていた一枚でやす。

みなさん、ガーデニングなさいやすか?
あっしはいっとき、ハーブを育てていた事がありやす。
ペパーミントとアップルミントとフェンネル。
アップルミントは弱かったようで、すぐに無くなってしまったのでやすが、ペパーミントはじゃんじゃん増えて、毎日ペパーミントティーを飲んでも余りに余って、ペパーミントブーケにしてお風呂に入れて、ミント風呂も愉しんでやした。
でも何故だか、ペパーミントもフェンネルも、数年でパタリと絶えてしまいやした。
別に環境が変わった訳ではないのに。
なんでだろ〜?



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優しく気遣いの行き届いたリーマンのお兄さん [独り言]

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私は、演技のレッスンのある日は、早めに家を出て、スタジオ近くの喫茶店で、時間調節をします。
スタジオの在る街には、個人経営の喫茶店がないため、セルフサービスの某チェーン喫茶を利用するのですが、いつも私が座るのは、すいている二階奥の、扉で仕切られた喫煙席と決めています。

私は平衡感覚が悪いようで、子供の頃から トレイに乗せた物を運ぶという動作がとても苦手で、いつも、ソロリ、、、、、ソロリ、、、、、階段となると、先ず片足をソロリ、、、、、と乗せて、もう片足もソロリ、、、、、と揃えて、といった具合で、非常に非常に、席に辿り着くまで、時間がかかってしまうのです。

先日入店した時の事ですーーー
私の右隣、つまり私の一つあとの注文を待つ人が、三十代くらいの、リーマンと思しきお兄さんでした。
私の注文したミルクコーヒーがトレイに乗せられるや、ソロリ、、、、、ソロリ、、、、、階段を、片足ソロリ、、、、、もう片足もソロリ、、、、、と揃えてを、それはもぅスローモーション映像の如きのろさでやっていました。

と、私のすぐ後ろを、私の歩調にあわせてついてくる足音があります。
私のあとに注文をした三十代のリーマンのお兄さんも、二階席に向かう様なのでした。
私は、「悪っるいなあ。こんなにのろくて。平日の昼間にリーマンさんがこういう店に来るという事は、お仕事の作業の可能性も高いよな。ほんとに申し訳無いなあ」と思いつつも、振り返って「のろくて申し訳ありません」などと言おうものなら、トレイが傾いで、ミルクコーヒーをぶちまけてしまうのは必至なので、心で詫びつつ、ソロリ、、、、、ソロリ、、、、、を続けてゆきました。

やっと二階席に着き、奥の喫煙ルームを目指して、ソロリ、、、、、と足を運んでいると、やはりお兄さんの足音も後に続いてきます。
ーーーこのリーマンのお兄さんも、喫煙ルームに向かわれるのだな。ますます申し訳無いなあ。
そうさらに心で詫びながら、喫煙ルームの「押す」のボタンが、私の目の前に現れた時、
「押しますよ!」
みぢんの曇りもない、さわやかな明るい口調と共に、お兄さんは、私の横に立ち、開扉ボタンを押し、そして私を先に、喫煙ルームに入れて下さいました。
私は、「あっ!ありがとうございます!申し訳無いです。本当にありがとうございます!!」と、会釈はできないだけに、言葉の内容と口調で最大限に感謝の意を伝え、いつも座る席に掛けました。
お兄さんは、他二人のリーマンのお兄さんと待ち合わせをしていたらしく、すぐにお仕事の話しを始められました。

三十代のリーマンのお兄さん、ほんとに良く出来た人間だなあ!
こういう方はきっと、奥様もしくは彼女さんにも常に思いやりの言動が出来、同期とは仲良くやり、上司からは認められ、部下には信頼されているに違いないだろうな!というイメージが、瞬時に、私の脳裏にパアッと浮かびました。

どこの会社の何という方は存じませんが、本当にありがとうございました!
貴男の優しさと気遣い、一生、忘れることはありません!

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