白いブランコの思ひ出 [父]

先日、行きつけの、高円寺の音楽カフェで、ビリーバンバンの話しの流れから、私が、「ビリーバンバンの『白いブランコ』っていう歌が流行った時、父親に白いブランコを買ってもらったよ」と、なにげに言ったら、マスターもママさんも、「ええっ!ブランコ買ってもらったんですか?!」と、驚いていた。
私はそれで初めて、ブランコを買ってもらえる子供は、そんじょそこらにはいなかったんだ、という事に、初めて気づかされた。

別に、誕生日やクリスマスやひな祭りといった特別な日ではなく、単に、「白いブランコ」という歌が流行ったから、ぼんぼちに白いブランコを買ってやろう、といった程度の軽いノリだったのを憶えている。
二人づつ並んで向かい合って座る四人乗りの型だった。
父は、まっ白いブランコを所望したらしいが、白はどこにも売られていなかったとの事で、まずカラフルなブランコが家の庭に来て、その後でペンキ屋さんを呼んで、白く塗ってもらっていた。
福岡に住んでいた頃で、もう小学校にはあがっていたから、小一か小ニの時である。

一人でや、よちよち歩きの弟とや、学友が遊びに来た時に、「♪君は憶えて〜いる〜かしら〜? あの〜白い〜ブランコ〜」と、歌いながら揺られていた。

私は母親には、何一つとして、母親らしい事をしてもらえなかったが、父親には、他の多くの子供達がしてもらえなかった事を、たくさんしてもらえた。
この、白いブランコを買ってもらえた、という事も、そういった事の一つだったのだと、音楽カフェ夫妻の驚きによって、認識する事ができた。

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