年末のご挨拶 [独り言]

今年一年、当ぼんぼちぼちぼちブログ「冷たい廊下」を閲覧してくださったみなさん、眞にありがとうございやした。
みなさんの閲覧、加えてコメントを励みに、今年もブログをつつがなく継続する事が出来やした。

あっしにとって、今年は、今まで生きてきた中で 最も幸多き年となりやした。
あっしは二十七才で自由の身となって、あれもしたい、これもほしい、と、一つづつ一つづつ夢を現実化してまいりやした。

結果、今年の、もはや叶わないであろうと諦めかけていた「プロ中のプロの先生に、プロのレッスン生と一緒に演技をお習いする」という夢まで叶い、もう生きている中で思い残す事は、何一つとしてなくなりやした。
ぼんぼち、今、この瞬間、仏になっても本望でございやす。
だけど、もう少しだけ生きていて、夢の続きを続行させようと思うので、来年も、「冷たい廊下」を、なにぶん宜しくお願いいたしやす。

では、みなさんにも、佳き年が訪れやすよう、、、

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ソフトの意味 [独り言]

ある時、バーで一人飲みしていたら、隣にかけていた40才くらいのリーマンと思われる男性が、唐突にこう発した。
「僕、ソフト好きなんです」
私は、てっきりソフトクリームのことなのだと思って、「へえ、そんなんですか」と、普通の口調で返した。
すると、その男性、「だから、僕、変態なんです」
「???」
ソフトクリームが好きだから変態??? 私の頭は疑問符でいっぱいになってしまった。
「僕、女性をタオルで軽く目隠しして、ネクタイで軽く両手首をしばってプレイするのが、好きなんです。ね、変態でしょ」
「?????」
ソフトって、ソフトSMのこと? しかも、その程度のプレイで変態?
私は、その男性と、物理的には、ほんの1メートル離れた距離にいるのに、頭の回路は何億光年も向こういる様に感じないわけにはいかなかった。
同じ東京に住んでいながら、同じ大人同士でも、話しが1ミクロンも通じ合わない人っているんだな、、、と、正面を向いて、一人、飲み続けた。

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パンパスグラスのクリスマスツリー [写真]

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ブログの写真記事公開の日が、ちょうどクリスマスイブにあたるので、「ここはやはり、クリスマスっぽい写真を!」と、クリスマスっぽいモチーフを求めて、吉祥寺の繁華街まで出向きやした。
毎年ツリーを出す場所を一回りして、あっしの主観からして、ダントツ一番に美しくて品が良かったのが、このツリーだったので、このツリーの中でも、最もキマる部分を切り取りやした。
加工は何もしてやせん。
モミの木に見立てた素材は、どうやらパンパスグラスのようでやす。
この発想からしても、ナイスでやすね!
詳細撮影場所は、コピスの一階の通路でやす。
コピスさん、優秀なデザイナーさんに依頼されたなあと、感心しやした。
クリスマスツリーの素材・意匠も、無限にありやすね。



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多肉植物を買いやした! [独り言]

少し前から、「鉢物、欲しいなあ〜、そうだ!多肉植物がいいなあ〜、グリーンネックレスっていう品種とか可愛いなあ〜」と、多肉植物を何か一鉢買うことをかためてきたぼんぼち、先日、ついに、下の写真の多肉植物を購入しやした。

先ず、ネットで「多肉植物 花屋」と検索して、最初にヒットしたのが、うちから徒歩10分ほどの所に在る、しょっちゅう通る商店街沿いにある、グリーンものとドライフラワーを専門に扱う花屋さんでやした。
「あ!そうだよ、ここに在ったんだよ!」と、さっそくトコトコと求めに出向きやした。

残念ながらグリーンネックレスはなかったのでやすが、枝だけで構成された様な形態のこれもすごく面白いぞ!と、この一鉢に決めやした。
お店のかたに、「これ、育てるの難しいですか?」と尋ねると
「いえいえ、簡単ですよ。すごく丈夫です」とのお答え。
隣に、これより三回りくらい大きな、同じ種類で、薄い黄色のイクラみたいなツブツブ(たぶん実?)が点々とついていて、より一層ユニークで面白い様子のがあったので
「こっち(あっしが買おうと決めた方)のも、こういう丸いの、つくんですか?」と質問すると
「まあ、毎年ではないですけど、つきますよ」

あっしは、足取りも軽やかに帰路につき、さっそく、キッチンと部屋の間のカーテンの所に吊るしやした。
黄色いイクラ、ついてくれるといいなあ〜!

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たくさんの水色の缶 [写真]

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近所で建設途中の共同住宅。
彩度高い大きめの水色の缶がいっぱい置いてあって、同じものがたくさんって、それだけで面白いので、撮ることにしやした。
どのアングルから撮るかーーー真横から撮って立体感は出さずに 並んでる様子を強調するか、斜め上から撮って奥行きを見せるか、どちらにしようか、ちょっとだけ逡巡しやしたが、後者でいくことに決定しやした。
で、加工は、個人的嗜好から、ピカピカにポップなのは好きではないので、昔のフィルム写真で撮ったようなヴィンテージ加工を施しやした。
特別 奇をてらった写真ではありやせんが、成立したので ここに公開しやす。

この水色の缶、ペンキかな?違うかな?
ペンキといえばーーー
以前住んでいた国立の家、後期の頃は、あっし一人で住む状況になったんでやすね。
なので、「なんでも好きなことしよう!」と、傘立てを買い替えたり、船箪笥を買ったりしたんでやすが、家の外部では、玄関と勝手口に付いている白いフェンスが錆び錆びになっていたので、自分で塗り重ねることにしやした。
あっしは、何の専門知識もないので、錆の上にも白いペンキをペタペタ塗ったんでやすが、あれって、きちっとした作業をやるとなると、錆を落としてから錆止めを塗って、それからペンキなんでやすね。

いろんなブロガーさんのところに訪問していると、ペンキを塗り替えるに留まらず、もはやリフォームと言えるくらいに本格的な作業をされているかたもいらして、専門的知識と技術がおありなんて、すごいなあ!と、ただただ感心して拝読してやす。



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絵を描くのに向かない人はいるか [画家時代]

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私は画家時代、それから画家を辞めてからかなり長い年月、習いたいという人に 絵をお教えしてきたのですが、その中で、よく こういう質問を受けました。
「絵を描くのに向かない人っていますか?」
答えは、「います」です。

絵を描くのに向かない人には、私がお教えしてきた体験上、ニタイプいらっしゃいます。

先ず、一タイプ目はーーー
「理解」ではなく「記憶」の部分の脳を使って学ぼうとするかたです。
そういうかたはーーー
「先生!これは何号ですか?」
「F6ですね」
「Fの6号なんですね。F6 F6 F6、、、ハイッ!先生!覚えました!」
「先生!これは、何という色名ですか?」
「カーマインですね」
「カーマイン カーマイン カーマイン、、、ハイッ!先生!覚えました!」
「ここでは、バックは、グリーンに赤を少し混ぜた色を、うっすらと塗りましょう」
「ハイッ!先生!赤いバラを描く時は、グリーンに少し赤ですね!覚えました!」
「いえ、今回は、白い一輪挿しに赤いバラだけを描いているから、このバックの色が適切なのであって、脇役に、レモンを置いた場合、ぶどうを置いた場合、又、一輪挿しの色が違う色になった場合、テーブルクロスを敷いた場合などなどで、そのつど全て、何色のバックが適切かが違ってきます。 
それに、何号かや色名も、画材屋さんになる訳ではないので、覚える必要はないですよ。 
このくらいの大きさに描くのが相応しいからこの大きさを選んで、たまたまそれがF6だったというだけであり、赤いバラを描くのに適切であったのが、たまたまカーマインという色名であっただけで、覚えなくとも、『これと同じ大きさの水彩紙を下さい』『このチューブと同じの下さい』と画材屋さんに行けば それで済む話しですから。 
絵を描く時は『記憶』ではなく『理解』の部分の脳を使って、『こういう絵が優れているのだ!』と、描くたびに、理解を重ねて学習をしてゆかれて下さい」
と言うと、そのようなタイプのかたは決まって
「絵を描くって、難しいんですねぇ、、、」
と、途方に暮れたお顔をなさいます。
そして、前述の様な質問はなさらなくなっても、「理解」で学習するという事が、そのようなタイプのかたには無理らしくて、全く上達しない場合が殆どです。

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ニタイプ目はーーー
美的感覚がはなはだしく間違っているかたです。
「美しさの基準って、万人それぞれ全部違うものでしょ?」というお声も出てきそうですが、又、美術は芸術の一分野ですから、正解は必ずしも一つではなく、ある程度の幅はありますが、明らかにこれは間違っている、というのはあります。

ある生徒さんに、極めて彩度の高い色だけしか使わないかたがいらっしゃいました。
そして、「赤いバラを、赤ーくキレイに見せたいんだけど、こんなに鮮やかな赤を使っているのに、全然 キレイな赤が目立たない」と仰るので、私は
「赤いバラの鮮やかさを引き立てるには、バックを補色を混ぜるとかして彩度の低い色を使ってごらんなさい。彩度の低い色と隣合っていることで、彩度の高い色は、より彩度高く見えるんです。 
それから、バラの葉っぱに限らず、葉っぱというのは、そのような彩度の高いビリジアンではありませんよ。
ビリジアンに少し赤を混ぜて鈍らせてごらんなさい」
と言うと、そのかたは、「私は、そんな汚い色は使いたくないっ!」
と、ガンとして使わず、それでいて、「バラの赤がキレイに見えない、バラの赤がキレイに見えない」と繰り返すのでした。
どうやらそのかたは、極めて彩度の高い原色以外は全て、「汚い色」と感じておられるようでした。
ですから、桜色も、薄紫のスミレも、淡い黄色のハイビスカスも、そのかたは、「何でこんな汚い色の花があるんだろうねぇ。汚くって、見ていられない!」と仰るのでした。

美的感覚というものを、みなさんに解りやすく説明するとーーー
女優さんに例えるのが解りやすいでしょう。
若かりし頃の加賀まりこさんと、若かりし頃の松坂慶子さんは、どちらが美人?と多くの人に聞いた場合、意見は二分されるでしょう。 又、「二人とも甲乙つけがたい美人だよ」と仰るかたも、少なくないでしょう。
けれど世の中には、「加賀まりこも松坂慶子も酷い醜女だよ。女優でダントツ一番美人なのは、なんといっても片桐はいりだよ!」というような事を、主張するかたというのが、ごく一部にいらっしゃるのです。
つまり、そういうかたは、美的感覚が間違っている、と言えますね。

極めて彩度の高い原色以外は全て「汚い色」と感じていた生徒さんも、色彩に於いての美的感覚が間違っているのです。
そういうかたには、「淡い色やくすんだ色の中にも、美しい色というのはたくさんあるんですよ」と何度説得しようとしても、ご自身の美的感覚こそが正しいとガンとしてゆずらなく、彩度の高い色だけで描き続けるので、主役にしたいものが前に出ず、画面全体のバランスが取れずに、少しも上達しませんでした。

これらのかたが、たった一人で描いて、自室に飾って悦に入るのは、勿論 自由です。
けれど、師について少しでも上達したいとか、美術展で入選したいとなると、美術の専門家の第三者に肯定されなければなりませんから、このニタイプのかたは、明らかに、絵を描くのに向かない人、と言えます。

人それぞれ何かしら自分に向く分野というのは、必ずあると思うので、このニタイプのかたは、絵は描かずに、他にご自身に適した趣味をお探しになった方が、どんどん上達するし、ご自身も楽だと思います。
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赤いフェンス [写真]

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石畳の小路沿いに閉じられていた 赤いフェンス。
フェンスの赤をより鮮やかにし、フェンスの向こう側の汚れをより黒くしてメリハリをつけ、石畳の白をより白っぽく垢抜けた印象にする目的で、かなりコントラストを強めやした。
赤 黒 白 と、この相性の良い三色が、適切なバランスで成り立ってくれた、あっしなりにお気に入りの一枚でやす。

フェンスといえばーーー
あっしが以前住んでいた家のお向かいの家の入り口は、下が十センチほどの隙間のあるフェンスだったのでやすが、あっしんちにいた猫は、あまりに太っていたために、その隙間をくぐれやせんでやした。
あっしは猫を飼う時は、いつも野良を手なづけてウチのコにするんでやすが、どのコも、ウチのコになりたての頃は、やせっぽちのパサパサの毛並みで、飼い始めて何ヶ月かすると、デブデブのツヤツヤになりやした。
あっしがやせっぽちなので、ウチに遊びに来た人は皆、「猫にばかりご馳走あげてないで、ぼんぼちちゃんも、ちゃんと食べなよ〜」と、笑ってやした。



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親友というもの [独り言]

親友って、どういうものかな、、、って、ふと、考えてみた。

夕立があった日に、「今日は、夕立があったねー」って、そんな どうでもいい事を、何のためらいもなくメールできる人。
そして、「ほんとにすごい夕立だったねー。 ところで、○○って映画を観たんだけど〜」って、引き続き、今度は映画の話題で延々盛り上がれる人。

「この間、誕生日にくれたお菓子、多すぎたよー」と、平気で言える人。
で、「ははは、、、それは反省してますよ」と、笑い合える人。

具体的な目的がなくても、逢ってて和む人。
会話が途切れても、少しも気まずくならない人。

私には、親友と呼べる人がいる。
何ものにも変えがたい幸せな事だと思う。

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青く発光している様な金属 [写真]

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角っこが黄色いペンキで塗られた、何に使われるのかあっしには解らない、重なる金属。
ネガ加工したら、黄色い部分が青く発光している様に見えて、なんだか、抽象表現の立体作品を撮った雰囲気になりやした。
あっしなりにでやすが、この抽象性、なかなか気に入っておりやす。

街街はすでに、クリスマスツリーがそこここにみられる時節となりやしたね。
ふと、、、こんな発光する金属でクリスマスツリーを作っても、面白いかも?って、思いやした。
予算は結構かかりそうでやすが。
みなさんは、どんなクリスマスツリーがお好きでやすか?



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第18回第19回の演技のレッスンを受けて [リポート]

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今日は、11月3日(木)第18回「リチャード三世」、11月30日(水)第19回「夏の夜の夢」のレッスンのリポート&感想をつづらせていただきたいと思います。

先ず、11月3日(木)「リチャード三世」。
冒頭の、リチャード三世が、現在の自国の状況を鼻で笑い、己れの容姿の醜さと狡猾さを語り、これからの生き方の戦略を独白するという まるまる一頁の長台詞と、リチャード三世と 彼が主人を殺したために未亡人となった美しきアンのダイヤローグで、リチャードが巧妙にアンを口説き落とす場を勉強しました。

冒頭の長台詞は、私は二箇所、褒められました。
一つ目は、一回目に「では、ぼんぼちさん、読んでみて」と言われて、リチャードの言わんとしている内容・感情が変わる箇所箇所を、読み方を変えて読んだら、とても肯定的に評価されました。
二つ目は、二度目に「では、ぼんぼちさん、今度は、一回目の変えながら読む読み方に加えて、キッチンの排水口からゲボッと嫌ぁ〜な悪臭が湧き上がってくる事ってあるじゃない。そういうイメージで読んでみて」と言われ、そのイメージを思い描きながら読んだら、「嫌ぁ〜な臭さ、出てるねぇ!」と褒められました。
あぁ、この読み方で良かったんだ!と、とても嬉しかったです。

次に、リチャードとアンのダイヤローグの部分。
このダイヤローグは、相手役が前に言ったセンテンスを そのまま次の役の人がなぞるように言って、最後の言葉で否定したり、相手役の台詞と次の役の台詞がひとつながりになっている様に言う様に書かれた 非常に秀逸なダイヤローグで、私はこの部分を自主練期間中に読んだ時に、2月からシェイクスピアの勉強を始めて、ここにきて初めて、シェイクスピアがいかに優れた 世界演劇史に遺り続ける大人物であるのかが、納得できました。
レッスン日当日、先生が仰るに、シェイクスピアには、こういった見事な掛け合いのダイヤローグが、他の作品にも幾つもある、という事でした。

さて、このダイヤローグでは、私はアンの役を演ったのですがーーー
アンは怒り心頭している と受け取れたので、一度目、そう読んだら、先生に「アンは、怒っているだけではなく、リチャードに対して恐れの感情も抱いているので、怒り+恐れ の感情で読むように」と言われ、二度目、そのような二つの感情を同居させて読んだら、ダメは出されなかったので、この感情表現で良かったんだな、と思いました。

ダメ出しされたのはーーー
二人でひとつながりの台詞になる所が二箇所あったのですが、一度目、リチャード役の人より低いトーンで発したら「(トーンを)落とさないで、間無く円滑に流れる様に」と指示されました。
もう一度、先生のご指示通りに読んだら、ダメは出なかったので、ご指示通りに読めていた様です。

そして、先生は、「では、この二箇所を、レベルアップして、違う読み方をしてみましょう。あえて、間を空けて。ぼんぼちさん、解りますか?」と聞かれたので、私は、「あぁ、一間、空ければいいんだな」と思い「はい」と答えました。
で、単に一間空けて、読み方は一つ前と同じ読み方をしたら、「『間を空けて』という事は、それに伴って、台詞の言い方も変わって来なければいけない。一間空ける というのは、アンがリチャードの言葉によって驚いて返すという事だから、そういう言い方をしなければならない。 現場では(要するに、プロの役者さんは)、『一間空けて』の監督の一言で、そこまで解るものなんです」と仰いました。
私は、「あぁ、やっぱりプロの役者さんっていうのはすごいんだな。そこまで瞬時に理解が及ぶなんて」と思ったのと同時に、「私はプロの役者を目指している訳ではないけれど、次からは、この様な臨機応変が出来るようになろう!」と拳を固くしました。

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次に、11月30日(水)「夏の夜の夢」。
この回は、人数が少なかったために 非常に濃密なレッスンとなり、得るところも非常に多くあったのですが、特に書き記しておきたい事は、以下の四点です。

先ず、最初に長台詞を読んだ時、先生は、こういう内容の事を仰いました。
「ぼんぼちさん、今までの中で、声の出し方、一番いいね。そういうこと! ぼんぼちさんは、初回から今まで、これは違うあれも違うと 僕に言われて、ジタバタ暴れていた鯉だったけど、ここにきてやっと、まな板の上で、いい意味で死んで、いかようにも調理出来る状態に到達したね」ーーーと。
私の側も、「あー、この声の出し方は違うのかー」「これでもダメなのかー」と暗中模索していて、前々回あたりに先生の、「ぼんぼちがこの台本の状況に置かれた時に 発する声を出せばいいんだよ」というご指摘に、「あっ!そういうことなのか!!」と、ストンと腑に落ちた自覚があり、今回ようやっと、それが声にきちんと表出されたようです。
自分にとってはとても高い階段を一段のぼり切れて、大きな達成感を覚えました。

次に、ダメ出しされた箇所三つ。
一つ目は、声の高低や強弱で説明的に感情を伝えようとしない事。
現実に、人間が言葉を発する構造というのは、まず感情があって、それに伴って思わず口をついて そのようなニュアンスの言葉が出るので、演技も、それと同じ順序をなぞらなければならない。
「まず、○○な感情になる」→「自然と、それに伴った わざとらしくない深味のある台詞が出る」ように。
これからは、「まず、内なる感情!」で、頑張って出来るようになろう!と、心しました。

二つ目のダメ出しはーーー
「森」とか「ヘレナ(登場人物の名前)」とか、シェイクスピア演劇では、次にどういう場という設定で芝居が行われるのか、次に誰が舞台に初登場するのかを、その前に舞台にいる人物が、それとなく判らせる仕組みとなっているので、そういうキーワードになっている言葉を立てるように、でした。
これからは、下読みの段階で、そこまで察する事が出来るようになろう!と思いました。

三つ目はーーー
シェイクスピアは、まるでデュエットを歌っているかのような 相手との掛け合いのダイヤローグが多いわけですが、そこを、単に 自主練して来た通りにやるのではなく、あたかも身体まで相手と一体化したような、そのくらいにひとつながりになって、台詞を言うように、でした。
これは難易度高いぞ! 一朝一夕に出来そうにないな、、、と直感しましたが、でもいつかは、出来るようになりたいです!

そして最後に、「夏の夜の夢」のレッスンの回では、必ずやってきた、パック(いたずら妖精)の16行の口上の暗記を、一人づつ発表しました。
これまでの回は、先生が、「今日は、観ている人、一人一人の顔を覗き込みながら、上手から下手へ」とか「今日は、ゴミ箱を持って、二つゴミを拾ったところで口上を言い始めて」等と、ご指示が出ていたのですが、「今日は、『夏の夜の夢』は最後だから、何でもいいから自由にやってみて!」と、フリー課題を出されました。
私は、パックの口上を自主練しながら、「あ〜、秋だなあ。野外舞台で、落葉舞う中、パックが口上を言うっていうのも、画になりそうだなあ」というのが、ぼんやりと頭の中にあったので、その日、自分が着てきたコートを使う事を思いつきました。

「ちょっと寒いな」という感じで舞台を歩いて来ると、まだ余韻に浸って席に残っているお客さんが、何人もいらっしゃるのに気づく。
嬉しくなって、思わず この口上を言い出す。
口上の感情がちょっと変わる所でコートを脱ぎ、肩に掛けてポーズをキメて声を飛ばす。
口上の終わりかけには、再びコートをまとい、フードをかぶり、残っているお客さんに〆めの一言を言って、手を温めながらトコトコと舞台を去る。

ーーーというのを演りました。
すると先生は、しきりに拍手をされながら、「いいね!今までぼんぼちさんがやってきた中で、これが一番いいよ!!」と、最上級のお褒めの評をいただけました。
もちろん、最上級に嬉しかったです。

早いもので、今の先生についてからのレッスンも、19回を了えました。
私なりにではありますが、確実に上達しているのを、実感しました。
継続は力なり!ですね。
ぼんぼち、これからも、継続して、階段をのぼってゆきます!

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