「チェッカーズ1987GO TOUR at中野サンプラザ」全ての点に於いて完璧なライブ映画 [感想文]

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3月1日から14日まで、「チェッカーズ1987GO TOUR at中野サンプラザ」というライブ映画が、東宝系で公開されたので、色めき立ち、迷う事なく観に行きました。

というのは、私は、チェッカーズ活動期と同時代に青春期を迎えていたのですが、その時代は、私は、母親を養うために画家をやっており、ファン活動を何一つとして行う事が不可能だったからです。
どのくらい画家の仕事が忙しかったかというとーーー
画商が毎回、膨大な枚数の注文を入れてきて、ほぼ毎日18時間絵筆を持ち、徹夜、、、2日徹夜もザラで、18才から26才までの8年間、1日も休みがありませんでした。
なので、筆洗の水を替えにやトイレに1階に降り、リビングの前を通る時、何秒間か立ち止まって、「フミヤくんっていうんだ、可愛いし歌も上手いな、グループ名はチェッカーズっていうんだ。ファン活動出来ているコ達、羨ましいな、、、」と、再びアトリエに戻り、画業に向かう毎日でした。
レコードを買いに出掛ける時間もある筈はなく、もしも買えたとしても、ステレオのある部屋で3分間過ごすヒマもありませんでした。

ですから、私はチェッカーズの後追いのファンであり、ネット時代になってから、You Tubeで動画を観たり、アルバムを買ったりしていました。

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「チェッカーズ1987GO TOUR at中野サンプラザ」は、出来が良かったコンサートにも関わらず、これまでに公表されている映像は3曲分しかないという事で、今年、結成40周年になるチェッカーズを記念して、1コンサート分を丸々一本のライブ映画という形にして公開しよう、という企画だったのだそうです。

始まるやーーー
とにかく、フミヤさんの歌唱力とブルースハープの上手さとダンスのキレの良さに感嘆しました。
アイドル・可愛いフミヤくんから本格的なミュージシャン・フミヤさんへと、ぐーんと力量が伸びたと感じずにはおれませんでした。
もぅ、「完璧!!」と、唸らずにおれませんでした。

演られた曲は、5枚目のアルバム「GO」の発表コンサートという事で、私は1枚目から4枚目までのアルバムは買っていたのですが、「GO」の曲は一曲も知らなかったので、とても新鮮に受け止めました。
中、バリバリロックンロールの楽曲と60Sバラードを模倣した楽曲があり、私はオールディーズ好きなので、その点は特に嬉しかったです。
ーーーなんせ、生まれて初めて音楽的に「いいな!」と思えた海外のミュージシャンはチャックベリーで、今はサムクックのアルバムを集めているくらいですから。

世間的にもよく知られたシングルカットされたヒット曲では、「ギザギザハートの子守唄」「ジュリアに傷心」「俺たちのロカビリーナイト」「Song for USA」「NA NA」「I Love you Sayonara」「WANDERER」などが演られました。

以前、You Tubeで観た、おそらく、これより1年くらい前のコンサートでは、タイガースの「シーサイドバウンド」とスパイダースの「バンバンバン」を楽しいアレンジで演られていたので、このコンサートではどんなカバーを演られるのだろう?!と思っていたら、このコンサートではカバーなし、全曲オリジナルでした。
それでも、期待を遥かに上回る大満足の 素晴らしい完璧な出来のコンサートだ!と感じました。
加えて、曲と曲の切れ目やメンバーがはける時に、「俺たち、ロッカーだぜ!イエ〜イ!」というノリではなく、深々とおじぎをされていた所も、大変好感が持てました。

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又、私は、母親が死んだために画家を辞められて自由な時間が出来てからは、映像理論を学んでいたので、コンサートが映像になった場合、キャメラワークについて非常に気になり、その点が実力不足だと、どれほどミュージシャン側が完璧でも、二度と観る気がしなくなるのですが、このライブ映画は、撮影監督がクオリティーの高い仕事をやってくださっていて、寄り引きカット割り等、完璧でした。
妙に凝って、ウッドストックを真似た割り画面や、スローモーションやストップモーションを使っていなかった所も良かったです。

このように、チェッカーズご本人達の力量と撮影隊の力量、どちらも完璧だったおかげで、私は二重に感嘆し、二度も劇場に足を運んでしまいました。

このタイミングでのチェッカーズコンサートのライブ映画、リアルタイムでファン活動をされていた方々はどうお感じになられたか解りませんが、私にとっては、「叶わぬ夢」とあきらめていたファン活動を疑似体験出来て、幸せ感で満ち満ち、「あー!今まで生きてて良かった!!」と、思わぬ大きなプレゼントが転がり込んだ思いでした。

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