ミロのビーナスの石膏像のある画材屋 [写真]

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神田神保町で遭遇した ミロのビーナスの石膏像がウインドウ越しに見える画材屋。
ビーナスの顔の部分が白く飛び 都会の風景が映り込み 胴体部分がリアルに観える所に面白味を感じやした。
加工は迷わず藍色のグリザイユにして、都会の渇いた空気とビーナス胴体の肉感の対比が強調されるように仕上げやした。

ミロのビーナスの石膏像、首から上の部分だけの像は、美術を学ぶ者が基礎中の基礎、美術のいろはの「い」の段階で必ずといっていいほどデッサンするモチーフでやす。
あっしは、中高と美術学校へゆき、高校1年2年は美術科予備校の講習会にも通っていたので、何度も描いた事がありやす。

あっしは自分の本意ではなかったけれど 家庭の事情で高校を卒業したらすぐに画家になって稼がなければならなかったので、高3からは学校は休みがちにし 予備校講習会を受講するのも辞めて、上野の都美術展に出品して画歴作りに向かいやした。

で、美術学校と美術科予備校のどちらが勉強になったかというと、圧倒的に後者でやした。
あっしの行ってた美術学校の美術教師は、生徒に教えるのはいいかげんでテキトーで、それよりも美術教師同士の派閥争いに熱心でやした。
その様子は傍目で見ていて 高校生心にも滑稽で軽蔑に値するものでやした。
対して予備校の講師達は、1人1人に深く掘り下げて教えてくれ 非常に得るところが大きかったでやす。

あっしがプロの画家になれたのは、美術学校に6年間行っていたためではなく 美術科予備校講習会に2年間通ったお陰でやす。
石膏像を見ると、今でも予備校での講師陣の純粋な熱意を思い出しやす。


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