「手洗い」についての些細な雑文 [独り言]

今回の一連の騒動の中で強く呼び掛けられている事の一つが「手洗いをしましょう」である。
「外から帰ったら」「極力こまめに」「丁寧に」手を洗いましょうーーーと。
それを聞いて私は思った。
ーーーはて?世の中の多くの方々は、これまでその様に手洗いをしていなかったのだろうか???

私は子供の頃から、一日中家に居る時は二十回以上、外に出掛ける日は、手を洗う事の出来る時と場を見つけては可能な限りーーーそう、八回くらいは、学校 飲食店 デパート テナントビル 図書館 駅 等々、行った先々で手を洗っていた。
家ではお湯で、外では水しか出ない所が殆どなので、水で時間をかけて。

何故、私がこの頻度で手を洗い続けてきたかというと、決して 潔癖症だからではない。
私はむしろ 潔癖とは遠い位置に属するタイプで、部屋の中はホコリだらけ、庭は雑草ぼうぼう である。
ではどうして、これだけ頻繁に手を洗い続けているかというとーーー
「非常に手汗をかく」からである。
手汗のためにすぐ掌がベタベタになって 気持ちが悪いからである。
手汗には水分だけでなく脂分も含まれているらしく、お湯だと 少し揉む様にすればベタベタは取れるが、水の場合、かなり長時間擦り続けていないと ベタベタは取れない。

なので これまでの五十七年間の人生で、ハンドクリームというものを使った試しが一度もない。
高校生の時は美術学校だったので、毎日 油彩画を勉強していたのだが、手についた油絵の具は取れにくく、台所用洗剤で手を洗っていたが、それでもすぐに手汗でベタベタになり、三十代と四十代の頃は主婦をやっていた事もあり、凝った料理を作るために 一日中キッチンでお湯や水に手を濡らす日もしばしばあったが、やはり手を拭うや まもなくベタベタになった。

だから バックからハンドクリームを取り出して揉み込む様に塗っている女性を見ると、私にとっては余りに現実感のない行為なので、「あれは、手に良い香りをつけるのと、ファッション的アクションとしてやっているのだろう」と 思い込んでいた程である。

わりと最近になって、私は、自分が普通なのではなく「私個人が非常に手汗をかく体質」であると認識できていたが、今回の呼び掛けによって 如何に私ほどに手汗をかく体質の人間が少数派なのかを思い知らされた。

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