第10回第11回の演技のレッスンを受けて [リポート]

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先日の7月11日(月)25日(月)に、第10回第11回の演技のレッスンを受けたので、今日は、その時のリポート&感想をつづらせていただきます。

第10回は「マクベス」の、マクベスが、現・王を暗殺し、自分が次の王になる計画を迷っているところを、気丈でしたたかなマクベス夫人に、背中を押され 入れ知恵を吹き込まれ、現・王を殺す決意に至る件りを勉強しました。

私は、マクベス夫人の台詞で、先生に、「なんでそこで下げるの?なんで下げるのか解らない。 ここは、〜という意味だから、下げちゃダメ」とダメ出しを受け、その瞬間、クジラくらいに大きな目から大きなウロコがボロッ!と落ちました。
そして、レッスン終了後の質疑応答の時間に、「そのご指摘に、目からウロコが落ちました。 私は今まで、しばしば すっとんきょうに高い声を出したり 低い声を出すのが良い事だと思っていました」と打ち明けると、先生は、「現実の会話で、突然 そんな極端な高低はつけないでしょ。演技は現実の『模倣』なんだから。 そんな高低でしゃべる人がいるとしたら、それは狂人だけです。」と仰いました。
私は、いたく納得し、これからは、すっとんきょうな高低は出さずに、あくまで 意味に基づいた 現実の人間がしゃべる範囲の高低の台詞を言おうと、キモに命じました。

何故、私がそれまで、すっとんきょうな極端な高低が良いと思い込んでいたかというとーーー
20年前にいた研究所の日曜クラス(私が在籍していたアマチュアのクラス)の先生に、「演劇っていうのは、『嘘事』なんだよ。嘘事芸術の世界。 だから、現実にしゃべっている高低で台詞を言っても、嘘事芸術・演劇にはならないんだよ。 だから、一つの芝居の中で、何度も、自分が出しうる最も高い声と最も低い声を使いなさい。 上がり〜下がり〜上がり〜下がり〜を繰り返すんだよ。 演劇は嘘事なんだから、意味より語感が大事なんだよ。」と教わったからです。
その教えを長年、私は、「へー、演劇っていうのは、そういうものなんだー」と、漠然と信じていたのです。

しかし、今回の先生の質疑応答での説明・理由により、今回の先生が仰る事が正しく、20年前の日曜クラスの先生が間違っていたと、火を見るより明らかに解りました。
これは私にとって、非常に大きな気付きであり、収穫でした。

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第11回は「夏の夜の夢」の二幕全部がテキストで、ラストのパック(妖精)の16行の口上を暗記して来るのも宿題でした。

この回に第二幕全部がテキストとなるという事は、だいぶ前から告知されていたので、第一幕全部のレッスン日の翌日、つまり一ヶ月前から、戯曲を買って自主練していました。
第一幕全部の時は、あまりにも読めなくて 自分自身とても悔しかったので、第二幕は、たっぷりと自主練期間を取って、「これが今の私に出せ得る最大の力です!」というところまで出来るようにしていたので、晴れやかな気持ちで レッスンに向かえました。
勿論、ゴマンとダメ出しされるのは百も承知でしたが、未消化のない状態で、どれほどダメ出しを受けても、それは本望というものです。

主にダメ出しをされた所はーーー
妖精の王様が、仲の悪い妖精の女王(妻)に悪態をつく台詞を、悪代官の様な声で発したら、「そういう安直で安っぽい声では、田舎芝居になる。 シェイクスピアは美しい戯曲だから、アリアを歌う様なつもりの声の出し方で」と、指摘されました。
指摘されて初めて、「あ!ほんとだ!安直で安っぽい!」と、気付かされました。

あとやはり、毎回注意されている滑舌の悪さを 今回も指摘されたのですが、今回は、その原因が、先生のお言葉によって、ハッキリ解りました。
「感情に台詞が追いついていない」
自分でも、うすうす感づいてはいたのですが、「やっぱり、それか!」と思いました。
そして先生は、「感情と台詞を明確にしゃべる事では、台詞を明確にしゃべる事の方が大事なので、そちらを優先させるように」とのご指示を受けました。
私はつい感情優先になってしまうので、これもキモに命じました。

それから、レッスンの最後に、パックの口上の暗記を発表しました。
これは、第一幕のレッスンの日にもやったので、今回は、間違えたり間が空いたりせずに言えました。
が、先生が、「今のは、単なる『報告』という感じだったので、もう一度、今度は 観客に語りかけるように」との条件をつけられて、もう一回やりましたが、「さっきよりは、少しだけ語りかけるようになってたけど、もっともっと語りかけるように。 それは家で練習してきて」と仰ったので、頑張って、来月の三幕の日まで 出来るようにしておこう!と、拳を硬くしました。

今回の先生のレッスンを受ける度に、痛感している事があります。
それは、20年前にいた研究所と今回の先生のレッスンは、幼稚園と大学院ほどにレベルが違うという事です。
しかも、私が通っていた幼稚園は、間違ったヘンテコな教育をする幼稚園でした。
中学一年の時から、今回の先生のようなレッスンを受けたい受けたいと望み続けていました。
まわりにまわったまわり道をしてしまいましたが、ようやっと この歳になって、辿り着けました。
本当に、ここに辿り着けて良かったです。

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