喫茶店常連客として敗北を感じたとき [喫茶店・レストラン・カフェ]

あっし・ぼんぼち、中学1年の時から喫茶店マニアをやっておりやして、中高の6年間は、家庭教師の来る日以外は必ず、1日に一度ないしはニ度、あちこちの喫茶店の扉を押してまいりやした。

あっしが中高生だった時代は喫茶店全盛期で、街じゅうに喫茶店が溢れていた というのもあり、それはもう様々な喫茶店に行く事が、マニアとしての目標であり、これ以上はないという享しみでやした。
けれど数年前から、街から喫茶店が激減してしまったことや 自分好みの喫茶店の雰囲気が極めて明確になった事から、ほんの10店ばかりの特別お気に入りの店ばかりに通うようになり、そこで店主から「アナタは常連客です」と認められ、常連度を高めてゆくことに、喫茶店マニアとしての至福と誇りを覚えるようになっておりやした。
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過去記事「喫茶店で自分は常連だと実感するとき」にも綴ったように、あっしが喫茶店で、店主から暗黙のうちに「アナタは常連です」と認定されたと認識するのは、あっし一人を店に残し 店主が買物や両替へ行って お留守番を頼まれる事でやした。
それが 喫茶店常連客としての最高峰、山でいうと富士山の頂上だ と、それ以上の常連度の高さというのはあるワケがない と、信じてやみやせんでやした。
過去にお留守番を頼まれた店は4店あり、あっしは4店の店から、富士山の頂上に立てる旗を頂いたのだと 悦にいってやした。

ーーーところが!でやす!
これまでに2度ほどお留守番を頼まれたお気に入りの店の一店で、あっしがいつもどおりにコーヒーをすすっていると、開けられたままのレジ前に立った しょっちゅう顔を見る40代のリーマンと思われる男が、こんな言葉を発したのでやす。
「1000円入れとくから、250円の釣り 貰っとくね。まいどっ!」
男は慣れた手付きで札を入れ硬貨を摘み取りスタスタと店を出、マスターはカウンターの奥のそのまた向こうのガス台で、背中を向けてフライパンを振りながら、チラと振り向きもせずにこう返しやした。
「へぃ〜〜〜 まいどぉ〜〜〜」。
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あっしは手にしたカップがカチャカチャと震え あまりのめまいにソファに倒れ込みそうになりやした。
ーーーこっこっこんな高さの常連度があったとは!!!
マスターは、あっしが金を払う時は、いつもレジ前に出て来てくださって、「ハイ、○○円のお預りですから○○円のお返しです。毎度ありがとうございます。」と、丁寧に確認をし 丁寧に会釈をし あっしを見送ってくださるのでやす。
あっしが富士山の頂上だと思いこんでいた山は、実は高尾山(東京の小学生が必ず遠足で登る山)に過ぎなかったのだと 火を見るより明らかに眼前に見せつけられたのでやす。

しかーし!
キャリア45年もの喫茶店マニア・ぼんぼち、このままソファに倒れ込んで泡を吹いて気を失うワケにはいきやせん。
あっしは姿勢を立て直しやした。
真の喫茶店常連としての標高が、一瞬にして 霧が晴れたが如く判明した今、今日からは真の喫茶店常連の富士山の頂上を目指し、いつの日か 富士山頂上に旗を立てるのでやす!
がむばるぞ!おー!!

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