疾走  [詩・詞]

                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    塵芥うずまくガード抜け
                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    生塵ちらばる坂くだり

                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    どのみち選べど焼却炉
                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    ごったに燃えて焦げ溶けて

                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    かわいた風がぷぅと吹き
                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    「さいなら」四文字(しもじ)も残りゃせん

                    だけど
                    だから
                    走らなきゃ

疾走.jpg


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 カンナと石炭貨車  [詩・詞]

    八月になると わたしの頭蓋には 朱赤のカンナが燃え 石炭貨車がやってくる
    わたしは五才にちぢんでゆく
    五才のわたしは 踏切りに立っている

    巨大な怒りのたいまつのようなカンナの朱赤と 山と盛られた悪のような石炭の漆黒の対比に
    わたしは圧され 呼吸も動きもうばわれる
    五才のわたしは立ちつくす

    尽きなくカンナは燃えつづけ 切れなく貨車は石炭を運ぶ
    五才のわたしは からだ全体が 小さな撮影機となる
    そして 対比という主題の個人映画を 憑かれたように撮りつづける

    遮断機の上がる九月まで

貨車.jpg


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 べったり  [詩・詞]

             夕刻になると いつも 掌がべったりしている
             何にも触れたつもりはないのに
             何かに触れた日は もっと べったりしている

             夜中に べったりを カルキいっぱいの水道水で洗い流す
             だが 次の夕には また べったりするのだ

             掌があるかぎり べったりから逃亡することはできないと解っていても
             自分にとって それが不快であることに 変わりはない


べたっり.jpg



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 水仙の享しみかた  [詩・詞]

      この時節には 水仙を享しむのがいい

      中でも 純白の 小ぶりな花弁のがいい
      丈は しなやかに やや長めで けれど 決して長過ぎないのがいい
      緑青色に近い葉は ゆるやかに 天に向かって うねり伸びているのがいい

      水仙は ガラスの器で享しむのがいい
      水面に 花弁や葉が映っているのを 確かめるのがいい
      部屋を閉め切り 濃く甘い匂いを 呼吸(いき)苦しくなるほどに 味わうのがいい
      次の日も またその次の日も とろりとした甘さを放ち続ける限り 
      何度も 何度も 味わうのがいい

      しおれかけた水仙は すぐに捨てないのがいい
      なえて ガラス器の中に沈み込むのを 見届けるのがいい

      やせこけてあわれな水中花となった最期を 享しむのがいい

すいせん2.jpg

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 にしおぎくぼのピンクのぞうさん  [詩・詞]

                                          作詞・ぼんぼちぼちぼち
                                          作曲・未定
                                          編曲・未定

    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)
    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)

    ぼくらのすんでる にしおぎは
    とっても いいまち へいわまち
    ピンクの ぞうさん みおろすは
    あいさつ こみち よいこ みち

    (セリフ)「ねえねえ ピンクのぞうさんの ひみつ しってる?」
    (セリフ)「なあに? どんな ひみつだよ?」
    (セリフ)「あたし しってるよ!」

    みんなが ねしずまったころ~
    ピンクのぞうは うごきだし~
    にしおぎの そら かけるのさ~
    みんなの へいわを まもるため~
    まいよ まいばん かけるのさ~

    (セリフ)「どろぼう みつけたら ふみつぶしちゃうぞう~」

    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)
    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)

    ぼくらの すんでる にしおぎに
    きらきら あかるい あさがくる
    ピンクの ぞうさん やあ おはよう
    まあるい おめめに いってきます

ぞう2.jpg

    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)
    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)

    ぼくらの すんでる まちのひと
    みんな やさしく ゆるしあう
    ピンクの ぞうさん みあげれば
    みんな にっこり ゆるしあう

    (セリフ)「あなた ピンクって いいわね!」
    (セリフ)「おまえ りっぱな おはなに しびれちゃうだろう!」
    (セリフ)「ヒック! わしゃ ちょいと のみすぎたかのう~」

    ねんに いちどの あきまつり~
    ピンクのぞうは にしおぎの~
    しょうてんがいを あるくのさ~
    ぼくらと いっしょに いえいえの~
    あったか まどを のぞくのさ~

    (セリフ)「ごほうびに しあわせシャワー まいちゃうぞう~」

    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)
    ピン ピン ピン ピン ピンクのぞう!(ぞう!)

    ぼくらの すんでる にしおぎに
    ほっこり あかるい ひが ともる
    ピンクのぞうさん おやすみよ
    おおきな おしりに また あした

ぞう3.jpg

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 三鷹 禅林寺 墓前にて  [詩・詞]

                                        作詞・ぼんぼちぼちぼち
                                        作曲・未定
                                        編曲・未定

       
           僕は あなたになりたくて
           はるばる この街に やってきました
           僕は あなたになりたくて
           長生きするのを 止そうと思いました

           だ・け・ど
           白い粒粒 白い粒粒
           ポリポリかじって まるくなる
           僕はラムネを 僕はラムネを
           たらふく食べて 朝日みる mu----

           僕は あなたになりたくて
           斜めに陽の差す 部屋にしました
           僕は あなたになりたくて
           人間稼業を 止そうと思いました

           だ・け・ど
           呼吸を止めて 呼吸を止めて
           水の奥底 まるくなる
           市民プールで 市民プールで
           一分経ったら 立ちあがる mu----

           僕は あなたになれません
           僕には 苦悩がないのです
           僕は あなたになれません
           苦しいくらいに ないのです
 
           僕に 苦悩があるとすれば
           苦悩がないというのが 苦悩
           僕に 苦悩があるとすれば
           唯 それだけが 苦悩です ah----



みたか.jpg


         

      


タグ:三鷹 禅林寺
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 IJОU☆YОUJОU吉祥寺  [詩・詞]

                                      作詞・ぼんぼちぼちぼち
                                      作曲・未定
                                      編曲・未定


            IJОU YОUJОU 吉祥寺
            純情 感情 俺参上
            IJОU YОUJОU 吉祥寺
            お前の友情 ああ無情

            わかってるよ 俺達 ただのクラスメート
            だけど 白いブラウスの背中 まぶしくて
            連れ出したのさ この街に
            思わせぶり 赤いストロー くわえたままで
            ドキリ 俺を見上げるなんて ヤバイぜ
            駆け出したいぜ この街を

            IJОU YОUJОU 吉祥寺
            熱情 炎上 案の上
            IJОU YОUJОU 吉祥寺
            禁断症状 恋症状
 
            わかってるよ 公園(パーク)デートの別れの伝説(はなし)
            だけど お前を誰にも もう渡せなくて
            連れ出したのさ この舟に
            危ないぜ 俺の心にすがっていろよ
            キラリ 夕焼けだけが 二人の味方
            こぎ出したいぜ あの川に

            (セリフ)「伝説なんて 俺のこの愛で ぶっこわしてみせるぜ!」

            IJОU YОUJОU 吉祥寺
            水上 海上 星天井
            IJОU YОUJОU 吉祥寺
            最上 極上 愛献上!


じょう.jpg


   
     
タグ:吉祥寺
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 どうして阿佐ヶ谷  [詩・詞]

                                      作詞・ぼんぼちぼちぼち
                                      作曲・未定
                                      編曲・未定


           今日もうつむく 並木路
           袋を抱いて つまづいて
           ころがるキャベツを 追う先に
           貴男の指が あったのよ

     
           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           こんなアタシに 吹き込んだ
           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           五月のケヤキのような笑み

   
           七夕飾りの アーケード
           干物屋さんの前 揺れる
           七色紙の 天の川
           あおぎ ささやきくれた男(ひと)

           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           こんなアタシと 川越えず
           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           ひとつお部屋に 住みたいと

           入れる紅茶は ぬるくって
           アイロンがけも 下手だけど
           貴男を想う あったかさ
           誰にも誰にも 負けないわ

           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           こんなアタシの 指見つめ
           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           パールの指輪を 贈るって

           シャッター閉ざす アーケード
           パールの色の天井が
           涙でかすんで ゆがむから
           コートの襟立て 並木路

           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           ケヤキ落葉が 舞い逃げて
           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           貴男の心も 逃げたのよ

           どうして どうして
           どうして 阿佐ヶ谷
           貴男の心も 逃げたのよ


どうして.jpg


                          
タグ:阿佐ヶ谷
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 ぼんぼち版・高円寺音頭  [詩・詞]

                                   作詞・ぼんぼちぼちぼち
                                   作曲・未定
                                   編曲・未定

           東京でェ~
           踊りといやァ 高円寺 ヨイショ
           助っ人来るョ 徳島の ソレ
           泡じゃないワョ 阿波踊り
           特別快速 振り向いて
           バックし 止まる 日も来るョ

           中央線~
           バンドやるなら 高円寺 ジャガジャン
           闊歩してます ベルボトム イェイ
           ギターを背なに スタジオへ
           君はミックで 僕 キース
           時間厳守で 次 ディラン

           商店街~
           夕のおかずは 何にしよ ラッシャイ
           干物にコロッケ 葱 南瓜 ヤスイッ
           チリンチリンと ゆずり合い
           すれ違います 文士サン
           虹をかけたよ 純情の

音頭.jpg

タグ:高円寺
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 びしょ濡れの鳩  [詩・詞]

はと1.jpg

鳩がいた
びしょ濡れの 白い鳩がいた
美しいと感じた

自分が それまでの人生で観た どんなようすの鳩よりも 美しいと感じた
瞬間 自分の 脳天から足の裏へ 一本の光のすじが 差しつらぬくのを感じた
それほどに びしょ濡れの白い鳩は 美しかった

白鳩は 自分が一歩 近づくだけで その濡れた羽を 不器用にばたつかせながら 逃げ去ってしまうに違いないと 思われた
それが よけいに 自分に 美しいと思わせた

自分は びしょ濡れの白い鳩を 美しいと思わずにおれない自分の罪深さを 恥じた

しかし びしょ濡れの白い鳩こそが 自分を呼吸(いき)づかせる存在であることは 変えられないのだった

はと2.jpg
 
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