目が悪そうに見える目 [独り言]

10代20代の頃は 非常に多くの人達に、顔を覗きこまれては「目、悪いでしょ!」と言われた。しかも確信に満ち満ちた態度で。
しかし私は視力がバツグンに良かったので、「いいえ、両目とも1.5です」と事実を答えた。
するとそう言ってきた人のほぼ全員は、「えっ!?だって、どこ見てるか解らない目をしているよ」とか 「へ~っ?!そんなにどろ~んとした目をしてるのに」とか 「だってさ、目と目の焦点があってないじゃん」とか、中には「うっそぉ~!その目、見えてんのぉ~??」などと、何故 自分がこれほど確信的に私の目が悪いに違いないと思ったかを まったく以って信じられないといった口調でぶつけるのだった。
その度に私は、相手の自信を喪失させてしまった事への申し訳なさに似たような ちょっと複雑な気持ちになるのだった。

年を取って-----
私の目は、かなりすすんだ老眼になってしまった。
おまけに乱視も入り、パソコンやスマホ 飲食店のメニューなどを見るときは、眼鏡をかけなくては見えなくなってしまった。
ふと気がつくと-----
私に「目、悪いでしょ!」という人は、誰一人としていなくなっていた。
むしろ逆に、「目、いいでしょ」「よく見えるでしょ」と言われることがあるくらいである。
長い年月の間に「見えていそうな目」になっていたようである。

「目が悪そうに見える目」あるいは「良さそうに見える目」、それは各々の内に在る単なるイメージに過ぎない。
いかに多くの人が確たる論拠のないイメージに固執しているのか。
私の目がそれをよく証明している。
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