謳い文句からズレた映画 [感想文]

先日、「60年代に、ビートルズに憧れた少年達がバンドを始める青春映画」と謳われている映画を観に行った。
ポスターも、モッズスーツでかためた四人の少年がジャンプする いかにも60S!な匂いに溢れている。
60年代音楽の大好きな私は、期待に胸を高鳴らせ 劇場のシートに掛けた。
しかし----
少年達がビートルズのレコードを聴いたり楽曲をコピーするシーンはほんの少ししかなく、おおかたは 四人の中の一人の少年の恋愛物語だった。
ずれた映画1.jpg私はひどく落胆してしまった。

これでは、あんぱんと表示されているパンを買ったら あんこはほんのちょっとしか入ってなくて クリームがたっぷり出てきた、というようなものである。
あんぱんを求める客は、一口齧ったらあんこ 二口めにもあんこ 食べても食べてもあんこがぎっしりー!を望んでいるのである。
いくら不味くはなくともクリームなんぞが出てきたら、「私が買ったのはあんぱんであってクリームパンじゃない。 表示に偽りありぢゃないか!?」と 不満でいっぱいになってしまう。

ずれた映画2.jpgこの様な 謳い文句からズレた映画は、私が今回観てしまった作品のみならず、商業映画に於いて時々見受けられる。
猫が途中からほとんど出て来なくなる猫映画、美しい裸体の女性がわずかにしか登場しないお色気映画、主役が冒頭とラストくらいにしか活躍しない○○さん主演!と大々的に宣伝された映画、等々々・・・・。
謳い文句に添った内容の映画を作るべし!というのは、映像学校の一年の一学期で教わる 映画作りの基礎中の基礎である。
それなのに何故、このような映画を作ってしまうのか・・・・???
これは決して、商業映画に携わっているブレーン一同が映画作りの基礎を解かっていない、という事ではないと思う。
商業映画ならではの、諸々の いたしかたのない「大人の事情」によるものに違いないのである。
舞台裏では、耐えがたきを耐え忍びがたきを忍ばざるを得なかった 辛く苦しい負の選択があったと 十二分に察する。
十二分に察しはしても、こちらは貴重な時間を使い金を払っている客である。
作り手とは対峙する関係であり、同方向を向き着いて行く関係ではない。
だから、この様な映画に遭遇してしまうと、つい 「商業映画って こういうところが嫌だよね」と 毒づいてしまう。


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hirometai

ぼんぼちぼちぼち様
おはようございます。
よくありますね。
誇大広告ではなくても、中身の貧弱さと勝手に期待を膨らませている自分の気持ちとのギャップよくあります。
あんぱんは、一杯あんこが入ったものが良いです。\(^o^)/

by hirometai (2016-12-06 06:30) 

Take-Zee

おはようございます!
ビートルズ、中学のころでした・・・
私も憧れて中学ながらバイトしてギターを
買いました。

by Take-Zee (2016-12-06 06:49) 

プー太の父

私も1月に今まで観たことがなかった
スターウォーズが面白いかと思って観に行ったら
まったく面白くもなく損をした気分でした。
内容が理解出来ない自分が悪いのかな~(^_^)
by プー太の父 (2016-12-06 08:22) 

馬爺

映画は宣伝に迷わされるより自分お好みで見るのが一番ですが最近は映画を見に行きませんね。
by 馬爺 (2016-12-06 09:54) 

ミムラネェ

こんにちは
映画のキャッチコピーも、本質から外れているのがありますよね^^;
客を呼ぶ為に興味を呼ぶ部分を誇張するのは止めて欲しいかも~
餡パンの中身がスカスカだったら、こんちくしょ~。゚(。ノωヽ。)゚。ってなります
by ミムラネェ (2016-12-06 11:15) 

リンさん

わかります。
私も「世界中が泣いた」とか「ぜったい泣ける」とか「ラスト5分を見逃すな」とか、そういう宣伝は逆効果だと思います。
見たくなくなります。
by リンさん (2016-12-06 11:53) 

柴犬


何故でしょう・・・
ラストのデコトラが壊れていくシーンしか毎回残らなかった映画を思い出しました(笑

by 柴犬 (2016-12-06 12:50) 

なかちゃん

謳い文句とあまりにもかけ離れているってのは、観てても気分がよろしくないですね。
しかも、楽しみにして観たものだったら尚更です。
騙されたような気持になってしまいそうです (^^;

by なかちゃん (2016-12-06 13:20) 

ponnta1351

ホント仰るとおりね。
タダでも観たくない物にお金払ったら腹立ちます。
by ponnta1351 (2016-12-06 15:50) 

あとりえSAKANA

思っていたのと違う・・・
さぞがっかりされた事でしょう。
お疲れさまでした―☆

しかし最近は「思ってた以上だわー」
なんてこと、少なくないですか??
「あー、そうなんだー」(がっかり)な方が
多い気がします(-_-;)
by あとりえSAKANA (2016-12-06 16:05) 

KOME

なるほど、そうですか。

ちょっと事例が違うのですが、ハウツー本を買ったら、具体的な解決方法が載っていなくてイライラすることは良くあります、ハハ。
by KOME (2016-12-06 17:07) 

Mitch

なんなんでしょうね~
プロフェッショナルとは思えない仕事をする人、作品、プライドを持たない輩が増えているのでしょうかね。
by Mitch (2016-12-06 18:19) 

mimimomo

こんばんは^^
いろんなところに「看板に偽りあり」ってありますね。腹立たしいですよ。
by mimimomo (2016-12-06 19:28) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

へい、返す返すも、落胆 失望 怒り・・・・こんな感情しか沸き上がらない映画でやした。
途中からもぅほとんどビートルズと関係なくすすんで終わっちゃったのに
エンドロールのラストにでっかでかと「The Beatles」って出たんでやすよ。
苦肉の案で、あくまでビートルズに拘って作りましたよーって言い訳してるも同然でやした。
恋愛映画としては成立してなくもない仕上がりでやしたが、あの宣伝で観客が観たかったものは「恋愛模様」ではなく「ビートルズにまつわる云々」でやすからね。
ほんと、時間とお金がもったいなかったでやす・ぷんぷん

具体的な解決法が載ってないハウツー本、これも「本代返して!」って言いたくなっちゃいやすね(◎o◎)b

by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-06 20:48) 

ackylacky

映画以外にもよくありそうですね。
小賢しく儲けを出そうとして、けっきょく損するような口出しをする人。

ところで、ビートルズの音楽って、時期によってすごく変化していて、ファンの間でも、どのレコードが好きか意見が分かれますよね。
by ackylacky (2016-12-06 20:55) 

裕々

よくわかります。
予告編などみたら、見たくなりますね。
10数年前、大々的に宣伝された作品があまりにチャチっぽくてびっくりしたことを思い出しました。
by 裕々 (2016-12-06 20:58) 

Speakeasy

それってノルウェーの青春映画『イエスタデイ (原題:Beatles)』ですね?

http://yesterday-movie.com/

これ観たかったんですが、近所で上映してないので諦めました(涙)

あんぱんが食べたかったのにクリームが出てきたら、そら~怒りますね!

by Speakeasy (2016-12-06 21:38) 

きよたん

よくわかります
期待が大きいのかがっかりしてしまうことや
明らかに違うじゃないと思えるのありますね
食べ物でもそうですがお金払っているのですから
時間も返してもらいたい

by きよたん (2016-12-06 21:42) 

風来鶏

芦原すなお氏原作の大林宣彦監督作品「青春デンデケデケデケ」は、ベンチャーズの"パイプライン"に電撃を受けて、メンバーを募りギターを買うためアルバイトする青春映画で面白いですよ(^_^)v
勿論、当時の高校生の"性問題"も取り上げているし…(^^;;
by 風来鶏 (2016-12-06 22:03) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

そう、ビートルズって時代でかなり変化してるから いつの時代が好きかって激しく分かれやすね。
あっしは、ビートルズファンというよりは、60年代前半の音楽ファンなので
ビートルズも初期が好きでやす。
この映画は、設定が1967年で、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドを聴くシーンなどが出てきやす。
起承転結の起に相当するこのあたりのシーンまでは裏切らなかったんでやすけどね・・・・

Speakeasy さん ピンポ~ンでやす。ノルウェー製作の「イエスタディ」。
まさに、あんぱん表示のクリームパンでやした・ぷんぷん

「青春デンデケデケデケ」むかーーーーし、一度観たことはあって、その時はあっし的にはピンと来なかったんでやすが
今観るとどう感じるかな・・・・?
機会があったらもう一回観てみようと思いやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-06 22:30) 

藤並 海

広告ではある俳優さんがすごくプッシュされていたのに
実際に見てみたら、その俳優さんは中盤以降まで出てこない
日本で人気と知名度のあるその俳優さんの出演作品とCMして
お客さんを呼ぼうというパターンに見事にハマってしまう
興行収入がないと成立しないというのは理解できるけど
もうちょっと広告のやりようがあるんじゃないかと思いますよね
by 藤並 海 (2016-12-06 23:23) 

saru

「あんぱんがクリームパン」情報ありがとうです!
初期ビートルズファンより
by saru (2016-12-06 23:31) 

ワンモア

私も同感です。売ること優先なんですかね、アレ。
by ワンモア (2016-12-07 00:15) 

sana

中身とずれたあおり文句、ありますね!
気を引こうとする宣伝文句を無理にくっつけたのかなと思ったり。
「60年代に、ビートルズに憧れた少年達がバンドを始める青春映画」っていうテーマで作られた映画なんでしょうか。
この謳い文句で見に来ると期待される客層、かなり多いってこと?
バンド少年の恋愛映画と宣伝したほうが、合う観客が来そうな気もしますが^^;
by sana (2016-12-07 00:52) 

HIDEe

あー、こういうのって昔からよくありますね。
作る人間と、それを配給して売り込む人間は別だからかなのか。
予告編なんかも日本は独特で、映画本編より予告が一番面白かった、なんてありますし。
ホラー映画とかB級映画では、ホントによくあります。
by HIDEe (2016-12-07 02:49) 

さる1号

あんぱんが食べたかったのに中身のほとんどがクリーム・・・その落胆、この例えで自分は凄く良く解ります^^;
そういえば前回(結構前)見た映画は予告編のイメージと中身が全く違っていましたが、イメージとは違った中身の方が好みだったので楽しめました^^;
by さる1号 (2016-12-07 06:35) 

よーちゃん

うーむ、無料のテレビならともかく、
お金払っての劇場ならがっかりですなー。
ビートルズ、結構聞いてきましたが、
私はアビーロードが一番好き。
ゴールデンスランバーズからのメドレーを
ポールの日本公演のラストで聴いて
泣いてしまいました。
by よーちゃん (2016-12-07 09:06) 

イヴママ

あぁ~、よくあるパターンのやつだ。
がっかりしますよね~・・・
by イヴママ (2016-12-07 10:08) 

さゆりんご

おはようございます。
コメントありがとうございます。
最近 映画館に行く事が無くなりましたけど
キャッチコピーにガッカリ!なんて事よくありますね。
あんパン 食べたくなりました♪私は粒あんが好きです♪
老眼鏡かけたら 頭痛やめまいで半日寝込みました。 泣
by さゆりんご (2016-12-07 10:54) 

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
今年は2回しか映画館に足を運んでいませんが、
2回共ハズレでした。やっぱり看板に偽りありでしたね(-_-)
by johncomeback (2016-12-07 15:48) 

末尾ルコ(アルベール)

話は少し逸れますが、最近は予告編がおもしろくないものが多い気がします。  RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2016-12-07 18:11) 

yakko

こんばんは。
最近は映画館へ行ってませんね〜(;_;)
by yakko (2016-12-07 18:58) 

フサヲ

○○(食品)100個分のビタミンC!、とかもそうですよね・・・
100個!と聞くと、・・・スゴイッ!!、と、つい思ってしまいがちですが、
実際の○○1個分のビタミンCがショボイ時って、ほんま、あります。。。
ホンマにホンマ、ウマイこと騙してきます・・・ (- -A)゛

by フサヲ (2016-12-07 20:27) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

みなさんも同じような経験あるのでやすね。
けっこう謳い文句と違う作品って多いでやすもんね。

言わずもがな映画は監督のもの・・・なのに、商業の世界では、言わずもがなではないんでやすよね。
監督がすごく不自由な思いをしなければならない。悲しいし気の毒でやすね。
もちろん中には、監督の力不足で という理由のもあるようでやすけど。
商業映画の世界は分業分業でやすもんね。
予告編だけは良かった、あるいは予告編を作った人が本編のテーマを理解してなくてトンチンカン作ってる なんてのもよくありやすね。
とにかく商業映画の世界は、興業成績あげてなんぼの世界だというのは理解しやすが
もうちょっと他にやりようはないのか?って思いやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-07 21:31) 

kyon

あ、ありますね、そういうの。
わざわざ劇場まで足を運んで、となるとがっかりしますね。
by kyon (2016-12-08 09:53) 

せつこ

ありますね、期待外れって!
誇大広告は期待した人を裏切ることになりますね。
by せつこ (2016-12-08 13:56) 

アールグレイ

前触れや広告で、期待して見にったら、ガッカリという映画に合うことありますね。
その反対にあまり期待せずに見たのに、すごく感動したり自分の好みだったりしたら、とても得したいい気分になれますね。
満足感の得られる映画であってほしいですね^^
by アールグレイ (2016-12-08 21:30) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

ありやすよね~ 家でDVDならまだしも わざわざ劇場に観に行ってとなると、がっかり度もはんぱないんでやすよね。
そう、逆に、期待しなかった作品が意外にも出来が良かったりすると 得した気持ちになりやすね。
軽い娯楽作品のように宣伝されていたものが 観てみたら活動屋の信念のこもった骨のある達作だったこと ありやす(◎o◎)b

by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-09 11:06) 

そらへい

ま、映画に限らず小説とかにも、こういうがっかりありますよね。
小説などは、作り手より売り手に問題ありなんでしょうね。


by そらへい (2016-12-10 22:06) 

ぼんぼちぼちぼち

そらへいさん

あぁ、小説でもあるようでやすね。
あっしは小説は、新作ってまず読まないのでがっかり経験はないでやすが
派手に宣伝してるのありやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-11 11:02) 

rannyan

謳い文句に添った内容の映画を作るべし! これが基礎というのに逆にビックリ..
謳い文句はお金絡みの人たちが勝手に作るのかと思ってました
でも、それでは本当の良い映画は出来ないですよね~
最近は謳い文句と中見の乖離は映画だけではない気がします
毎年某文学賞候補になる作家の新作なんて..すごいガッカリしたことあります
昔は大好きだったし、ガッカリもなかったのに('_')
by rannyan (2016-12-11 14:39) 

ぼんぼちぼちぼち

rannyan さん

あ、「謳い文句」という言葉を使ったことで もしかしたらニュアンス的に少し誤解があったかも知れやせん。
あっしがここで使っている「謳い文句」とは、予告編や宣伝ということではなく、「趣旨」という意味でやす。
予告編や宣伝は、作り手とは別の人が作りやすね。
文学界も、最近は本ばなれを食い止めるためか、大衆に媚びを売るような方向にすすんでいるようでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-11 18:04) 

nikopon

こういった問題は九分九厘、宣伝部がどうにか観客を呼び込もうと頭をひねった結果です。
by nikopon (2016-12-17 16:33) 

ぼんぼちぼちぼち

nikopon さん

で、一度は客を騙せて呼び込めても、その後に不評が広がって かえって悪い結果になると思いやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-12-17 20:41) 

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