第38回第39回の演技のレッスンを受けて [リポート]

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今日は、10月5日(木)第38回「マクベス」、10月23日(月)第39回「ロミオとジュリエット」の演技のレッスンのリポート&感想を、つづらせていただきます。

先ず、10月5日(木)第38回「マクベス」。
この日はとにかく、徹底的に、マクベス夫妻が主催する 国のお偉方を招いたパーティーで、マクベスが、自分が殺させた者の幻影を見てしまい 翻弄され、パーティーがお開きになる場を、お稽古しました。

マクベス役をやった時の主なダメ出しはーーー
このパーティーが始まる直前に、マクベスは、自分が殺させた者が完全に死んだという知らせを聞いているのだから、パーティー開始時に、すでに少し疲れている。
そして、幻影を見て翻弄される事でますます疲れ、しかし、パーティー参加者には平静をとりつくろわなければならないから、余計に疲れ、場のラストでは、もぅ眠るしかないくらいに疲れ果てている。
その感じを、もっと出す様に!でした。
先生は、「僕がよく言っている どんどん変わってゆかなければいけないっていうのは、こういう事なんだよね」と仰っていました。
つまり、人間は、人格は変わらないけれど感情は変わってゆくものなので、芝居は、その感情が次々と変わるのを演じなければ、芝居は前に進めない、という事です。
私は、第一回目のレッスンで言われた時にはピンと来なかったのですが、今回初めて、「あぁ、『変わってゆく』というのは、こういう事なのか!」と、しかと理解が出来ました。

細部ではーーー
「おい、見ろ、あれを、あれだ、あれでもか?」と、「あれ」が三つ出てくる行の「あれ」は、全て言い方を変える様に、という事。
七行の少し長い台詞の中にも、モノローグ的に言う所と夫人に向かって大きな声で言う所との違いをつける事。
幻影に翻弄された直後、パーティー参加者に、「何ともない。気にかけないでいただきたい」と、平静を装うのだけど、ぼんぼちさんは、いかにも うろたえているのを普通だよと装っていますよ、という芝居です。平静を装う時は、極力 うろたえてる自分の内を悟られない様な言い方をするものです、という事。
ここ、難しくて、自分でも「出来てないなあ」と思いました。
その後で、再び幻影が現れ 幻影に向かっての台詞で、「きさま」が三回出て来る所も、三回とも言い方を変える様にーーーでしたが、前々回、前回と幻影が現れた時よりもっと激しく怯えるということをにばかり集中してしまって、三つ変化をつける事まで気がまわらなくて、シマッタ!と反省しました。

それから、初めて教えていただけたテクニックもありました。
「〜幻め、消えてしまえ!」で、最も声を張って叫び、幻影が消えるのを確認してから、「よし、〜」と台詞が続くのですが、単に間をあけるだけでなく、「〜消えてしまえ!」(はぁ、はぁ)で、三つ目の(はぁ)の息づかいに乗せて、「よし、」と言うと良い、という事でした。
これは、心の動きと身体の動き(このレッスンでは、基本、物理的には動きませんが)は、連動しているので、呼吸の荒さと台詞も一致していないといけない、という事で、「なるほどー!その通りだ!」と、深く頷きました。

マクベス夫人役をやった時のダメ出しはーーー
演技をやっている人に聞こえるので、現実にそう言っている様に台詞を読む事!でした。
途中、先生は、「じゃあ、ぼんぼちさん、過去のダンナさんを怒った様に言ってみて、」とのご指示が出たので、思いっきり大声でののしる様にわめいたら、「やっぱり演じている様に聞こえる。 それに、大きい声を出すばかりが怒りの表出ではないでしょう。 大きい声を出さなくても酷く怒っている表現もあります。 解るでしょ」と言われ、「はい、解ります」と正直に答えたものの、理屈では解っても自分に実際に出来るだろうか? 否、出来るまで努力しよう!と、唇を噛みしめました。

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次に、10月23日(月)第39回「ロミオとジュリエット」。
この日は最初に、短歌を心を込めて読む、という課題をやりました。
私が一度目に、思いっきり感情を表出させて読んだら、先生から、「心では思っていても、口から出すのはもっと抑えて!」という様な意味のダメ出しが入りました。
「意図的にではなく、もっと抑えて。 でも、この歌で言わむとしている事は、ちゃんと伝わる様に!」と、二度、三度、四度と読みました。
この課題はだいぶ前のレッスンでもやったのですが、やはり、表面は抑えつつも気持ちのメリハリや主張を出すのは難しいな、、、と思いました。

その後で、「ロミオとジュリエット」のかの有名なバルコニーの場を勉強しました。
私はジュリエット役をやりました。
主に指摘されたのはーーー
1、ジュリエットはこの作品の中で、太陽の如き存在なので、もっと太陽である感じを出す事。
2、長台詞になると、詰まった様な聞き苦しい声があらわになるので、まず、心をリラックスさせて読む事。 そうすると、身体もリラックスして喉を筋肉が締めつけなくなるから、聞き苦しさの解消に向かえる。
3、素人っぽい読み方を目指す事。
練習すればするほど素人っぽさから離れてゆきがちだけれど、あえて素人っぽく読む事。
意図的、技巧的になってはいけない。

この中で、1は、注意されたらすぐ出来ましたが、2と3は、私に出来るかなあ、、、?と、すごいハードルの高さを感じました。
2は、滑舌同様、アタマではなく筋肉の問題なので、理論的な事を理解するのは私にとってそれほど難題ではないのですが、肉体をどう駆使するか、という事は、アタマで解れば出来る問題ではないので、大変に難しいです。
だけど考えてみると、カラオケでは喉を締めつけずに高音を出せるので、読む時にリラックスさえ出来れば解決出来る筈なので、自覚も大きいだけに、この高いハードル、いつかは越えたいです。
3は、一見、「???」な要求ですが、先生はしばしば、柄本明さんの演技は、演技をしている様に見えない、台本に書かれてある文字を覚えてしゃべっている様に聞こえない、本当に上手い役者さんです、と仰っているのですが、そういう 柄本明さんの様な演技を目指せ!という事だと思いました。

そして最後に、ロミオとジュリエットの二人が初夜を迎え、シーツに包まって抱き合っていて、朝が来て、ロミオは帰らなければならない場をやりました。
ここでも私は、ジュリエット役をやりました。
出だしは耳元で甘くささやく様に、ラストはロミオの胸を突き放す様に、けれど、同じ調子で強く発するのではなく、ラストのラストは、悲しくつぶやく様に、とのご指示を受けました。
一人で下読みした時は、この場がこんなに色っぽい場だとは想像だにしていなかったので、目からウロコでした。

レッスン、回を重ねる毎に、どんどん難しい要求が出されます。
「わー!こういう事、いつか私にも出来るんだろうか?」と思いつつ、たとい出来なくとも、自主練もレッスンも楽しくて仕方がないので、次回もまた、私なりのマックスの力で臨みたい!と、眼(まなこ)をギラギラさせています。

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