映画「裸の夏」+麿赤兒トークイベント  [感想文]

大駱駝艦1.jpg

2014年2月8日、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルにて上映された、舞踏集団・大駱駝艦の合宿と その成果を披露する野外公演 主宰の麿赤兒氏へのインタビュー 過去の舞台の模様 を盛り込んだ映画「裸の夏」。 監督は、岡部憲治氏。

麿式メソッドを垣間見る事ができたのが 何よりの収穫。
また、公演と稽古風景とのモンタージュや 合宿の地・白馬の自然が折々に挿入されている所など、ドキュメンタリー作品としての出来にも 何度も頷きつつ観入った。

アフタートークイベントでは、麿氏が 舞踏の世界に歩を踏み入れたいきさつや 唐十郎氏や土方巽氏の思い出話などを 笑いを交えたくだけた様子で語られた。
また、土方氏の「肉体の叛乱」も 参考上映として映られ、こちらは、私は 以前、舞踏の何たるかを学ぶ講座の中で既に観ていたが、幾度 反芻しても 、舞踏の始祖の爆発するようなエネルギーには 圧倒されるものがあった。

私は「踊り」というジャンルの中では 舞踏が最もしっくり来、中、どの舞踏集団が特に好きかと問われれば、迷わず 大駱駝艦と答える。
日本人の「血」の根源性を強烈に体現しながらも 現代(いま)のテムポを拒絶することなく吸入しているからである。

吹雪の中 コートの襟を立てつつザクザクと足を運んだのだが、つくづく観て良かったと心の晴れ晴れとする 貴重な映像+トークであった。
舞台狭しとたぎりうねる裸の夏達を、久々に生でも目の当たりにしたいと思わずにおれなくなった。

大駱駝艦2.jpg




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コメント 10

cassis

舞踏と云えば・・・今は昔
大野一雄氏、慶人氏、田中泯氏の地方公演に
スタッフとして賛助チームに混成された際
これ以上無いというくらいにお近くで
拝見させていただいたことがあり
若かった私は開始数分
狭すぎるホールの出口を必死に探した覚えがあります。・・・

大駱駝艦のステージはギミックでスペクタクル
・・・ですが不思議と「静観」できるところが好きです。
(ワタシが大人になっただけですねきっと)

by cassis (2014-02-24 10:31) 

ぼんぼちぼちぼち

cassis さん

おぉ!それは貴重な体験でやすなぁ! 
大野一雄さん 亡くなられて久しくなりやすね。
舞踏に限らず 踊りの類いは、鑑賞するには あまり近すぎないほうがいいでやすね。
以前、大駱駝艦の舞台を観に行ったとき、がんばって早々とチケットを取ったら、最前列で
群舞なのに全体が俯瞰できなくて すごく観づらかった記憶がありやす。
もっとゆっくり買えばよかった・・・・と。

そう、大駱駝艦のステージって、ギミックでスペクタクルでやすよね。

by ぼんぼちぼちぼち (2014-02-24 11:22) 

はにほ

よんどころない事情によりブログをやめました。
今までお世話になりました。
どうもありがとうございます。
nice!はできませんが、今後も拝見いたします。
by はにほ (2014-02-24 13:21) 

sig

舞踏はちょっとついていけないのですが、俳優としての麿赤兒は好きなんです。ぴしっと画面が締りますものね。
昨日はほんとにびっくり。一瞬、信じられませんでした。
吉祥寺、ブログで3回ほど引っ張らせていただきますね。
by sig (2014-02-24 19:49) 

ackylacky

大駱駝艦を知らなかったのでYoutubeでみました。
最初、山海塾の白塗りの舞踏と似ていると思ったのですが、しばらく見ていると表現している事が違うようです。

金色に塗った肉体といのは、南アジアの仏像を連想させます。音楽もエスニックな感じですから、そのようなイメージで作られたのだと思います。
しかし、どうしても昔のストリップであった金粉ショーを思い出して、性的もしくは生命的な表現であるように感じました。
by ackylacky (2014-02-25 10:31) 

ぼんぼちぼちぼち

はにほさん

そうでやしたか。
こちらこそ お世話になりやして。
これからも 閲覧いただけるの、嬉しゅうございやす。
気になることがあったら 何でもまたコメントくださいでやす・ぺこりっ
by ぼんぼちぼちぼち (2014-02-25 10:56) 

ぼんぼちぼちぼち

sig さん

麿さん、あっしも 役者としても好きでやす。
そして、息子さんの大森南朋さんも。
お二人は、演技の方向性は真逆でありながらも---学んだ時代によるところが大きいのでやしょうね---観客を強烈に吸引する技術とエネルギーには 毎回感動してやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2014-02-25 11:08) 

ぼんぼちぼちぼち

ackylacky さん

舞踏といえば、山海塾も 必ず名の挙がる集団でやすよね。
こちらも何度か生の舞台を観に行っていたので、
あっしも、やはり 大駱駝艦とは違う世界観の表現であることを感じてやした。

金塗りは、仏像のイメージのみならず、金粉ショーも、発想の根底にあるようでやす。
トークショーでも麿さんは、唐さん夫妻が金粉ショーで周っていた話などをされてやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2014-02-25 11:22) 

伊閣蝶

私が大駱駝艦を知ったのは高校生の時でしたが、大変な衝撃を受けました。
暗黒舞踏、という言い方は必ずしも正しいとは思えませんが、土方巽という先達から導きだされた舞踏の可能性から、確かに深い深淵に引きずり込まれるような感覚を覚えたものです。
麿赤兒さんが、こうした方面でメジャーな存在となっていることに、私はやはり嬉しくなります。
by 伊閣蝶 (2014-03-06 23:53) 

ぼんぼちぼちぼち

伊閣蝶 さん

そうでやすね、舞踏=暗黒舞踏というわけではないでやすもんね。
麿さんは、商業の劇映画やテレビドラマのお仕事も多くされているので
そこでファンになってから舞踏の世界を知ったというかたも少なくないかも知れやせんね。
舞踏は今やbu-tohとして、世界的に注目を集める日本の芸能文化の一つとなりやしたね。

by ぼんぼちぼちぼち (2014-03-07 11:15) 

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