林檎・三

えぇ　放(ほか)してしまいましたよ　蛆虫の這い出してきた林檎を
日曜の深夜　安売りスーパーのナイロン袋にぶち込んで
不快さのたけをゴミ捨て場のコンクリートに叩きつけんばかりに　投げてきました

----もしも蛆虫が湧かなかったら　いつまでも綺麗な林檎を見ていられたのに　ですって？
いいぇ　
私は　蛆虫が湧く前から　この林檎に飽き飽きしていたのですよ
だって
蛆虫が湧いたら　堂々と放(ほか)してしまえるじゃあないですか
蛆虫が這い出すまで林檎を飾り続けていたら　私がどれほど　この林檎を大切に思っていたかという証しになるじゃあありませんか

ほんとうは
とうに前から　隣町で見つけたもっと綺麗な林檎を冷蔵庫に　用意していたのです

タグ：りんご

コメント 48

ズキンと来ました。
by 柴犬 (2013-05-22 10:35) 

林檎＝女性のメタファーと考えたら、ちと怖くなりました。

妄想入っててすみません（汗
by るね (2013-05-22 14:28) 

こんな雰囲気の映画や物語をいつかどこかで見たり読んだりしたことがあるような気がする という感覚を覚えました。
実際にはないと思うのですが・・・
by Sizuku (2013-05-22 16:07) 

私は、林檎＝男性　蛆虫＝女性と変換しました。
深イイ～♪（＾＾）ｖ
by さうざんバー (2013-05-22 18:39) 

なんか、深いなぁ～。。。
by なんだかなぁ〜。横　濱男です。 (2013-05-22 19:32) 

きっとその新しい林檎の中も、もうすでに蛆虫がいっぱいです。
最初からいっぱいなんです。
外側の林檎の色と形をした皮一枚かぶっているだけで
中身は蛆虫がみっちり。
そして小さなほころびができると、そこから溢れ出して止まらない。

なんて事を考えてしまいました。

by 浅葱 (2013-05-22 20:12) 

今度は蛆虫が湧く前に、ぺろりと食べておしまいになったら？
りんごも本望でしょう、きっと。
by palette (2013-05-22 21:12) 

柴犬さん

そう感じてくださったとは　あっしなりにこさえた甲斐があったといふものでやす・ぺこりっ

一部一部はどれもそう長いものではないのでやすが
今回の一連の詩は、公開するのに時間経過が欲しかったので　こういう形でuPさせていただきやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 21:41) 

ジャガイモと一緒にしておけば役に立つそうですよ。
by サンダーソニア (2013-05-22 21:41) 

るねさん

いえいえ、読んでくださるかたそれぞれに　当てはめていただければ幸いでやす

そのメタファー、かっちり成立しやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 21:45) 

Sizuku さん

ありがとでやすっ・ぺこりっ
人間って、なかなか本当のことは言わないでやすよね。
自分を純化して正当化して・・・
白状するのは　最後の最後・・・
そんなずるさを　あっしなりに表現してみやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 21:57) 

さうざんバー さん

あぁ　なるほど！
男性の浮気・・・悪い虫がつく　ってやつでやすね(◎o◎)b
・・・そういえば、「泥棒猫」という言葉はもう死語なのでやせうか？
ちぃとだけ気になりやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 22:02) 

もう次のリンゴはあるのですか、きっとその次も次の次もあるのかな。
これは、永久機関のように回り続けるしかないですね。
私にはやはり恋の話に思えます。
by ackylacky (2013-05-22 22:05) 

なんだかなぁ〜。横　濱男です。さん

ありがとでやす、嬉しい限りでやす・ぺこりっ
人間ってそんなに単純じゃないよね～　純粋じゃないよね～　ってことを　あっしなりに詩にしてみやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 22:08) 

浅葱さん

そう、そうそう　そうなんでやす。
あっしが言葉の上には載せなかった　その向う側にある言いたいことは　まさにそれでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 22:13) 

palette さん

うん、林檎にとってはそのほうがいいでやしょうなぁ。
でも　それじゃ　つまんない(ーoー)(勝手なもので)
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 22:17) 

サンダーソニア さん

あ、それ　微かに聞いたことありやす。
確か、ジャガイモが発芽しない・・・？
違ってたらすいやせん(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 22:19) 

ackylacky さん

そう、永久に　自分が存在して　世の中に林檎がある限り・・・
なるほど、恋の話、男女の話に捉えられたかた　多いのでやすね(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-22 22:25) 

こんばんは！
ラストがいいですね。
サガ・・・といってすっきり完結しないところが。
もし　このお話が寸劇仕立てで
林檎売りの役があれば　やってみたいです。
by ちゅんちゅんちゅん (2013-05-23 00:47) 

身勝手な男が目に浮かびました。。。(笑)
by まほ (2013-05-23 02:47) 

実際に私はもう食べたくなくなった物を捨てるのに
腐るまで置いといたりします・・・。
「腐った」となると捨てやすくて・・・
どんなにきれいな人も、中身には黒い物がありますよね。
ちなみに去年はワンコの餌の空き缶からウジがわきました。
by イヴママ (2013-05-23 10:38) 

大正時代の空気を感じます。。(^^)
by ゆう (2013-05-23 10:52) 

ちゅんちゅんちゅんさん

ラストに着目してくださったとは　この一連の作品を書いた甲斐があったといふものでやす・ぺこりっ

あぁ、寸劇仕立ててで林檎売り・・・・頭の中でイメージしてみやした。
胸に抱いたカゴにいっぱい林檎を盛って、ちょっと哀愁漂う声で売り歩く・・・

林檎売りといえば、井上揚水さんの「氷の世界」を思い出しやす。
あの詩の、林檎も　あっしは「幸せ」と解釈してやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-23 13:14) 

まほさん

へい、そう感じられたかた　多いと思いやす(◎o◎)b
ずるいよね・・・
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-23 13:18) 

イヴママ さん

うん、解りやす。
腐ったとなると捨てやすいんでやすよね。

ワンコの缶からでやしたか。
そういえば、以前あっしんちにいた猫の缶から湧いたこと　ありやしたなぁ(◎o◎：
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-23 13:30) 

ゆうさん

なるほど！
あっし自身　気づかなかった側面でやす。
ありがとでやすっ(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-23 13:32) 

それそれ　リンゴは不満かもですがｗ
by サンダーソニア (2013-05-23 15:33) 

黒い！黒いです！
首のうしろが　ぞわってしました
by ミケシマ (2013-05-23 16:52) 

綺麗な林檎ほど、虫が付きやすいってのに！
新しい林檎なんて、下手齧ると歯茎が血だらけになるんだからね！　
林檎、くやしや、くやしや林檎～♪♪　　

移り気な男の言い訳に呪いをかける林檎女でした^^;
by ｒａｎｔａｎ－ｎｙａ (2013-05-23 17:09) 

サンダーソニア さん

やっぱそうでやしたか。
まぁ、最後のじゃがいも群はカレーにして　その時すりおろせば無駄なく使えやすね。
運命共同体でやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-23 18:16) 

ミケシマさん

ぞわっとさせてしまい　失礼しやした。
でも、本望だったりしやす(◎o◎)b

by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-23 18:20) 

ｒａｎｔａｎ－ｎｙａ さん

あうっっっ！！　歯茎が血だらけになったのみならず　差し歯も取れてしまひやした(◎o◎：
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-23 18:26) 

ぼんぼちぼちぼちさんの詩がステキだから、コメントも深読みがあって、読み応えありますね　＾＾
by よいこ (2013-05-23 21:40) 

よいこさん

そんなふうに言っていただけるなんて　恐縮でやす・ぺこりっ
みなさんのコメントには、「わっ！図星！！ここまで解るように書いてないのに　何故解られるのだ？！」と驚かされたり
「あっ！なるほどー！こういう側面から見ると　こういう解釈も成立するな～」と気付かされたり
学ばせていただくことがたくさんありやす。

今回の詩に限らず、時間に余裕のあるときは一人一人のかたにコメントお返しできるのでやすが
ぼんぼち　どうもぶしょうなもので、まとめコメ返しになってしまふこともしばしばでやす。
すいやせん。
でも、いただいたコメントは全部しかと読み、明日からの記事の糧にさせていただいておりやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-24 10:40) 

あ～私もそうだったんだ。ずっとその時を待っていたんだ・・・
今の私、そのものです。
そして私は、その時が来るのを、来てくれるのを
ずっと前から待っていた自分に気づいていました。知っていました。
そして私も、放す事が出来たようです。
by カリメロ (2013-05-24 14:12) 

林檎は、「お前なら蛆がわいたっていて欲しい」って、
ひょっとしたら言ってもらえるのじゃないかって、
願いをこめて蛆を見せたのかもしれない。
蛆くらいで捨てるなんて、その程度のオトコよって。
「ようやく捨ててもらえてホッとしたわ」
by ぴぃ (2013-05-24 16:10) 

２つ一緒に読むと面白いですね。
どんなにきれいでも飽きちゃうんだ＾＾
新しい林檎を用意したとありましたが、きっとこれも飽きちゃうんでしょうね。
by リンさん (2013-05-24 17:36) 

ぷぷっ，これは・・・エゴだなぁ～♪
まぁ，誰しもエゴは持ってるから仕方ないけど。

ところで，新しい林檎は１個なんだろうか？
実は，冷蔵庫にぎっしり詰まっていたりして・・・。


by こじろう (2013-05-24 21:53) 

もっと綺麗な林檎は、前からずっと近くにあるんですが
近すぎて、傷や赤色の薄さが気になって、
もっと綺麗って素直に、認められないいんですよ。。。
by あざみ (2013-05-24 22:15) 

カリメロさん

今回の連作、カリメロさんにものすごく共鳴していただけたようで　
このタイミングで作品公開して良かったなぁと　あっしなりに思いやした。

手放すことが出来て良かったでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-25 10:14) 

ぴぃさん

するどいコメントありがとでやす。
そう、実にそのとおりかも知れないでやす。
あるいは、その林檎にとっては玉虫で　玉虫を喜んでもらえるかと・・・
いずれにせよ、林檎にとっては　肯定してもらいたかったわけで。
でも、林檎にとっても　このほうが未練が残らないからいいんでやすよ(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-25 10:26) 

リンさんさん

そう、どんなに綺麗でも飽きちゃうの。
林檎がしわしわになるからじゃなくて
ちぃと時間が経つと、もう飽きちゃうの。
どの林檎もどの林檎も、時間が存在する限り　飽きちゃうの(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-25 10:34) 

こじろうさん

エゴでやすね～、エゴ以外の何ものでもないでやす。

今、ラストの一行が読み上げられて　白い冷蔵庫が開くと　ぎーーーーーーっしり林檎　という画を思い描いてみやした。
二重オチみたいな感じで　かなりブラックで好きかも(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-25 10:46) 

あざみさん

青い鳥のように(◎o◎)b
そういう場合も多々あるでやしょうなぁ。
身近な林檎を　認めてあげてくださいでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-25 10:49) 

二作目あたりから｢捨てたがっている｣感がしてましたが、とっくに綺麗な林檎を手に入れてたんですか～。
三部作の全部を通すと、また、｢なるほど！｣ですね。
by Ｏｎｉａｓ・Ｐ (2013-05-28 06:47) 

Ｏｎｉａｓ・Ｐさん

捨てたがってる感　伝わってやしたか。するどいでやすっ！
こういう連作という形の詩には　今回初めて挑戦しやした。
一編づつは決して長くはないのでやすが、
内容から、それぞれの間に時間経過があったほうがよいと考え　
こういう形で公開しやした。
なるほどと思っていただけて光栄でやす・ぺこりっ
by ぼんぼちぼちぼち (2013-05-28 09:49) 

遅くなって参加ですっ！こんにちわっ！
綺麗な面をながめつつ綺麗でなくなることを望むっとは、とても矛盾
に満ちていますが…でも、人間社会（人間も）は、この矛盾で成り立っているもの、ダークな感情は誰しも持ち合わせていて、絶妙なバランス感覚で均衡を保っているわけでですが…この林檎のようにバッサリと捨てられない厄介さが人間の難しさであるし、矛盾を生む要因なのでしょうねっ！
by Noko (2013-06-08 18:41) 

Nokoさん

こんばんはでやす(◎o◎)／
そう・・・あっしが今回の一連の詩の中で言いたかったのは　まさにそーいうことなんでやす。
人間って、いろんな部分を持ち合わせてて　自己矛盾してて　ずるくて・・・ね。
でもその中でバランスとって渡り合ってゆかないと生きてゆけないもんね。

今回の詩は、不快に感じるかたもおられるだろうなぁと予測しつつも
あっしの中で、きれいごとじゃない人間　っていうのをテーマにしたくて
で、このテーマには蛆虫を登場させねば説得力がないよな　と思い
こうこさえやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-06-08 21:03)