うざかったおっさんK氏が虹の橋を渡ってしまった [独り言]

飲み仲間だったK氏が、一月頭に 虹の橋を渡ってしまった。
癌だったという。
今の時代、癌は、必ずしも死に直結する病いではなくなったが、K氏はそれが理由で、虹の橋を渡ることとなってしまった。
私の記憶が間違っていなければ、二年ほど前から「身体の調子が良くない」と、私達とも、一人でも、飲みに行かなくなっていた。

K氏とは、我らがSSブロガーR氏を通じて知り合った人物だった。

逢う度に私に、「レズビアンの人にモテそうな感じー!」とか、「(カラオケで『恨み節』を歌うと)恨み節って感じー!」とか、「(お笑い芸人の)鳥居みゆきに似てるー!」とか、およそ褒め言葉とは縁遠い台詞をひっきりなしに次から次へとふっかけてきていた。
私は正直、よくもまあ、こうもヘンテコな形容ばかりを並べ立てることの出来る うざいおっさんだなあと、煙たく思っていた。

ある時、カラオケスナックで、隣にかけてきて、いつもとはぐっとトーンを下げて、「これから二人で抜け駆けしませんか?」と、耳打ちしてきた。
私はあのヘンテコなマシンガントークは口説き文句だったのだと、初めて解した。
私が断った直後も後日も、ヘンテコなマシンガントークはひっきりなしに続いた。

R氏によると、K氏は、女性とあらば口説きまくる人物で、真剣に結婚を考えていた本命さんもいたという。

そのK氏がいなくなってしまった、、、、、

新年会の折りにR氏からK氏の訃報を聞かされた時は、余りにあっけない虹渡りだったので、言葉が出なかった。

そして、私の内には、あんなにうざいと感じていたK氏の口説き文句が、他愛もない愛嬌に満ちた語々へと、くるりと反転した。

新年会の後、行きつけの音楽カフェで、R氏と他のSSブログ仲間と弔い酒を交わしたが、今夜は改めて、私一人、家でK氏に献杯したい。

K氏よ!虹の橋の向こうでも、日々、ありとあらゆる女性に あのヘンテコな口説き文句で口説きまくってくれ!!
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