中野の居酒屋「赤ひょうたん」の素敵な姐さん二人 [独り言]

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もう十年以上行きつけにしている中野の大衆居酒屋に「赤ひょうたん」という店がある。
奥の席は複数人で来られたお客さん用で、手前のフロアは、テレビがあって、カウンターで一人でゆったり飲める仕様になっている。

私は一人で行くので、カウンターで瓶ビールを傾けながらコロッケなぞをほおばり、テレビに相づちを打ったり眉をひそめたりして過ごすのだが、カウンターには私の様なお客さんがズラリと並ぶ。
そしていつしか、「あ、今日もいらっしゃる!」というお顔がちらほら浮かび上がり始めた。

その中に、私より遥かに年長の姐さんがおられる。
遠くの席にかけていても、「こんばんは」の一言だけを言うために遠征してくださるのだ。
その謙虚な律儀さが嬉しくて、先に私の方で姐さんを発見すると、「こんばんは」を言いに席を立つようになった。
偶然隣の席になると、ほんの些細な世間話をする。
だが、決して根掘り葉掘り聞いて来ず、私に尋ねた情報は、西荻窪に住んでいる事と苗字だけである。
それ以上は深入りして来ずに、一言二言その時流れているテレビの話しをするだけである。
そして帰り際に、「では又!」と、ハイタッチをして別れるのだ。

又、厨房の姐さんの一人は、料理を運んで来てくださる時、「○○でございます。ごゆっくりどうぞ」と、ここがまるで高級割烹であるかの如き丁寧さと物ごしで仰るのである。
するうち、私の顔も覚えてくださり、他のお客さんに配膳をした後もぐるっと回って来て、「こんばんは、ごゆっくりなさっていかれてくださいね」と、満面の笑顔で会釈してくださるのだ。
私はその姐さんの心遣いも嬉しくて、帰り際には必ず、厨房にいらっしゃる彼女に、「今日も美味しかったです!ごちそうさまでした!」と声を飛ばしてから会計場に向かうのがならいになった。
ごく最近では、姐さんは、「では、明日もお待ちしております」とジョークまで仰る様になられた。

昔、国立に住んでいた時、初めて入った近所のラーメン屋で、いきなり知らないオバサンに、「住んでるのはアパートか一戸建てか?」「一戸建てなら、借りてるのか持ち家か?」「持ち家なら何坪あるのか?」まで、マシンガンの様な勢いで一方的にズケズケと聞かれ、辟易した事があるが、客と客との距離、店員さんと客との距離というのは、私は「赤ひょうたん」くらいが、適切で心地良く感じる。

中野の大人気居酒屋「赤ひょうたん」、人気の理由は、味や安さや大将のひょうひょうとしたお人柄だけではなく、このお二人の姐さんにもあるに違いない!と、近く又、「赤ひょうたん」に行ける予定の日を、指折り数えている。

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