歯医者にまつわる思い出 [独り言]

私は小学生の時まで、歯ブラシと歯磨きのチューブと歯磨きをする行為を、全て「ハミガキ」と呼ぶのだと思い込んでいました。

三年生か四年生のある時ーーー
虫歯の治療に、近所の歯医者さんに行きました。
治療が終わるや、女医の先生は優しく、「ぼんぼちちゃん、次は、ハミガキ云々、、、」と仰いました。
私は物心ついた頃からストレス性の難聴だったので、ハミガキまでは聞き取れたのですが、その後が全く聞き取れませんでした。
内向的な子供だったので、解らなくても聞き返すことが出来ませんでした。
私は、先生はおそらく、ハミガキ(その時の私は歯ブラシの方)を持って来るように、とのご指示だと憶測しました。

次の治療の回、私は右手に、毎日使っている歯ブラシを持って、診察台に座りました。
けれど最後まで、「ぼんぼちちゃん、ではここでハミガキしてね」とは言われず、ーーーどころか、先生は、私が手にしている歯ブラシには一言も触れずに終わりました。
私は「何で先生は、あんなことを言っておきながら、ハミガキを使わせなかったのだろう???」と、ずーっと首を傾げていました。

年月は経ち、大人になってふと、初日に先生が仰ったのは、「ぼんぼちちゃん、次からは、歯磨きをしてからここに来てね」だと、ハッ!と、気づきました。

大人だったら、歯医者に行く前に歯磨きをするのは、常識中の常識なわけですが、まだその年齢の私には、それが思い至らなかったのです。
先生は、歯磨きをしないで治療にやって来るわ、言ってもそれを聞かないわ、と、なんてマナーの悪い子供だろう!と思われていたことでしょう。

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