第16回、第17回の演技のレッスンを受けて [リポート]

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今日は、第16回10月10日(月)「ハムレット」、第17回10月24日(月)「夏の夜の夢」のレッスンのリポート&感想、加えて、どういったきっかけで、私が演技のレッスンをお習いしようと決意したかを、つづらせて頂きたいと思います。

先ず、10月10日(月)「ハムレット」。
この回は、以前もやった、ハムレットの独白「このままでいいのか、、、」から、オフィーリアとのダイヤローグ「尼寺へ行け!」までをお勉強しました。

以前のハムレットのレッスンとは全く別のアプローチの仕方ーーーダイヤローグを充実したものにする為に、紙コップを糸電話の様に使って台詞を言ったり聞いたり、オフィーリアが精神的に苦しめられてゆく感情を、先ず、肉体的に解るようにとの目的で、自分の首を絞めて肉体の苦しさを感じながら、台詞を言ってみる、という試みをしました。
「こんなアプローチの方法もあるのか!」と、とても新鮮でした。

主にダメ出しをされたのはーーー
ハムレットの独白の部分で、私は「ら行」が正確に言えていないという事で、それを直す方法として、最初にあえて、正しくないら行、つまり、Rの舌の位置(舌を丸めて口腔内の上部に舌がつかない)で言ってみて、次に正しい舌の位置であるLの発音(舌が上歯茎の前の方につく)で言ってみる、という練習をしました。
この練習法は、先生が私の為に独自に考案して下さったそうです。 ありがたい限りです。
家でもこの方法で、何度も自主練しようと思いました。

あと、前回のレッスンで、「作り声ではなく、地声で台詞を読む様に」と注意されたので、今回は地声で読んだつもりだったのですが、私は「地声」を、自分が無理なく出せる声域、と解釈したのですが、そうではなく、「ぼんぼちが、台本の設定にある状況に置かれた時に、ぼんぼちの感情で出てくる声」だと、先生の詳らかな説明により、解りました。
次回のテキストからは、「これがぼんぼちだったら、、、」と心して、自主練しようと思いました。
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次に、10月24日(月)「夏の夜の夢」。
この回は、最初に、身体のウォームアップ、次に、感情を入れない基本の読み方をお勉強しました。
この時にも、やはり「ら行」を注意されたので、もっともっと自主練をしようと、拳を固くしました。
後半は、まじないにかけられた為にぐちゃぐちゃになった4人の男女の登場人物を、次々と役を入れ替えて、3回読みました。
ですから、3人の、それぞれ違う感情の役が演れて、最高に楽しかったです。

中ーーー主に私がダメ出しを受けた所はーーー
シェイクスピアでは、前に相手役が言った台詞を次の人が受ける言葉の掛け合いが多いので、家で自主練してきたそのままを言うのではなく、相手役がどんなしゃべり方で台詞を発したか、それをよく聞いて、瞬時に、それを真似た返しをする様に、でした。
難しくて緊張してしまって、何度もトチってしまいました。

それから、目の前にいる3人のうちの1人だけに言う台詞を、小さく言わずに、大きな声のままで、1人だけに言っているのだと、観客に解らせる言い方をする様に、でした。
先生に、「これ、理解出来ますか?」と問われたとき、私は間髪置かずに「はい、解ります」と答える事が出来ました。
それは、私は以前、(これもあくまで趣味としてですが、シナリオ作法を勉強していたので)傍白の理屈と同じだな、とピンときたからです。

又、前回のレッスンで注意された、本当の地声の意味は、今度は正しく解釈・実践出来ていた様で、そこに関しては、何も注意されなかったので、「ああ、これでいいんだ。ステップアップ出来たな!」という実感がありました。

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さて、最後に、私がどうして、演者を目指す訳でもないのに、こんなに熱意を持って(出来る出来ないは別として)レッスンに臨むようになったのか、そのきっかけですがーーー
それはーーー
中学に入った時、映画部に入りたかったんですね。
映画部に入って、1人1作のスチルアニメーション(役者さんが登場しないで、写真がパパパパッと動く、あれね)を作りたかったんです。
だけど、うちの中高には、映画部がなかった。
何らかの部に所属する事は、ほぼ強制に近い圧力で、学校側から言われていたので、仕方なく演劇部に入りました。
私はその頃はまだ、将来は、舞台衣裳のスタイリストになるという夢を、毒母の為に諦めなくていい年齢だったので、学芸会で衣裳係りをやらせてもらおうと。

しかし、入部してみると、高校生の先輩の指導で、部員全員が演者の訓練をするならいとなっていました。
先輩達の考えは、揃いに揃ってこうでした。
「映画なんていう下劣なジャンルに興味がある人はダメ! 映画なんて、時系列で撮っていかないし、カメラに向かって台詞を言ったりするのよ! そんなんで、演技なんて出来る筈ないじゃない!! 大きな舞台の演劇だけが、演技が出来る場なのよっ!!!」
その他にも、先輩達が足を組んでふんぞり返って、私達後輩を指導するメソッドって、ぜーーーんぶ間違ってるんじゃなかろうか??? と、私は疑問でいっぱいになりました。

で、ある部内会議の時、私は、「プロのコーチを呼んで、プロのコーチに指導していただきたい」と発言しました。
すると先輩達は、「私達がちゃんと教えてあげてるじゃないの!」、同輩達にも、「そうだよ、先輩がたが、ちゃんと教えて下さってるじゃん!」と、袋叩きにされました。

私はこんな疑問の塊の演劇部なんて、1日も早く辞めたいと思いました。
同時に、それまで全く関心がなかった「演技」というものに対し、「正しい演技って、どういうんだろう? プロ中のプロの先生に、正しいメソッドを指導して頂いて、この疑問を解明したい!!!」という欲求が、私の奥底から、マグマの如くに溢れ出しました。
演劇部は高1の途中で、「美術科予備校の講習会と重なるから」という、誰にもぐうの音も出せない理由が出来たので、やっと辞める事が出来ました。

そしてーーー
自分に自由な時間が出来た30代後半から、信頼出来る演技の先生探しが始まりました。
けれど、「わ!たどり着けた!」と思っても、すぐにメッキが剥がれてしまう、薄っぺらい無知な先生だったり、中には、演技の先生詐欺に合ってしまった事もありました。

と、今年の2月から教わり始めた今の先生は、心底、信頼出来る、詳らかに深く広く教えて下さる、大変優秀な先生だという事が、回を重ねる毎に、より確実に解ってきました。

私は、「プロ中のプロの先生に、正しいメソッドを教えて頂きたい!」という願望が、48年間願い続けて、ようやっと叶ったのです!
だから、演者を目指している訳でもないのに、これだけ熱意があるのです。
熱意を通り越して、執念、怨念の発露、と言っても、過言ではないかも知れません。

演劇部の先輩達、それから、自分達が先輩になったら先輩と同じ事をやっていた同輩達、これが演技のレッスンというものですよ。
あなた達、振り返ってみて、ご自分達がやっていた事、恥ずかしくないですか???

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