「実力」とは [独り言]

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今日は、「実力」とは何なのか、「実力がある」とはどういう事なのかについて、お話しさせていただきます。

長くこのブログを読んでくださっている方々はご存知のように、私は、毒母を養うために、18才~27才まで、画家をやっていたので、私の実体験から、画家という仕事を例に取って、説明したいと思います。

画家として月々安定した生活収入を得るには、画力が素人さんとはケタ外れに高くある事は、言うまでもありません。
しかし、画力が高ければ高いほど稼げる画家になれるか、というと、そういうものではないのです。
というのは、画力は、画家の実力の一つに過ぎなく、画家として月々安定した生活収入を得続けてゆくには、他にも必須要因があるからです。

プロの画家としてやってゆくには、先ず、画商がつかなければなりません。
(画商のイメージが掴めないかたは、「マネージャー」という言葉に置き換えて考えてくださると、解りやすいと思います。)
自分に画商をつけるには、ステイタスのある公募美術展で、大きな賞をいくつも取れば、つきます。
ですから、自分の表現したい方向性か否かはど返しして、出品する公募展の審査員受けする作品を、100%狙いで描いて、何としても、大きな賞を取らなければなりません。

そして画商がついたら、その画商と、良好な人間関係を築き、保ち続けてゆかなければなりません。
画商は、顧客から要望を聞いてきて、「先生!こういう色合い、モチーフの作品を○号で描いてください」と、画家に注文します。
その時、「そんな方向性の作品は、私の世界観の作品ではないっ!」などと、本音を言って断わったら、他に画商についてほしい受賞歴のある画家はいくらでもいるので、画商はそっちへ行ってしまいます。
勿論、遠い地の風景画などの、利益率の低いモチーフを、画商が「先生!それは先生の仰るとおりですね!」と納得させられる口八丁の理屈をつけて、笑顔で断るのは、より効率的に稼げる結果につながるテクニックとなるので、おおいに使いたい事ですが。

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つまり、画商は、完全なマネジメントと ある程度のプロデュースはしてくれますが、画家自身も、セルフプロデュース力を持っていなければ、いくらクオリティの高い絵を描いても、稼ぎ続けられる画家にはなれないのです。

要するに、画家に必要なのは、「画力」+「人間関係を良好にやりこなす力」+「セルフプロデュース力」なのです。
将来プロの画家を目指している画学生や素人さん達は、画家に必要なのは「画力」だけだと思われている人が少なくないようですが、それは違います。
プロとして必要な画力がついて、他の二者が不足していたら、今度は、画力を高める事は一旦置いておいて、他の二者に長ける事にエネルギーを注ぐのが賢く、稼げる画家になれる道なのです。

私は会社組織に属した経験はないので、憶測になりますが、会社員さんの世界でも、全く同じ事が言えるのではないでしょうか?

いくらパソコンに向かっての作業能力があっても、上司が途中で、「君、こっちの仕事、先にやってくれる?」と割って入って来た時に、「いやです。今、この仕事を夢中でこなしている最中ですから」と、突っぱねたり、上司や同僚と仲良くやっていけなかったり、部下に仕事の教え方がまともに出来なかったりしたら、果たしてその人は、「パソコン作業能力のある人」なだけであって、「仕事全体の実力のある人」とは言えないでしょう。出世の望みもないでしょう。

みなさんも、それぞれに、様々なお仕事を経験されている、されてきた、とお察しします。
みなさんのお仕事に関しても、同じ事が言えるのではないでしょうか?

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