かたつむりの交尾 [独り言]
いつか じっとりと蒸す曇天の日、かたつむりの交尾を見たことがある。
互いにねっとりと絡み合い、およそ この世のものとは思われないほどのゆっくりとした速度で蠢いていた。
そして、恋矢(れんし)と呼ばれる乳白色の細長い生殖器を伸ばし 挿入し合っていた。
それは、私が生きてきた中で目にした何ものよりも なまめかしかった。
と、私はどうしてこれほどまでになまめかしいのか しばらく見つめるうちに気づかされた。
----殻である。
殻の存在があるからである。
互いの殻が、大きく重く邪魔になっているので 絡み合うのに難儀をし、難儀をしているから この世のものとは思われない速度にならざるを得ず ねっとりと絡み合わなければ交尾に至れないのだった。
交尾は、陽が堕ちるまで続いていた。
じっとりと蒸す曇天下、今日も何組ものかたつむりが 絡まり合っている。
互いにねっとりと絡み合い、およそ この世のものとは思われないほどのゆっくりとした速度で蠢いていた。
そして、恋矢(れんし)と呼ばれる乳白色の細長い生殖器を伸ばし 挿入し合っていた。
それは、私が生きてきた中で目にした何ものよりも なまめかしかった。
と、私はどうしてこれほどまでになまめかしいのか しばらく見つめるうちに気づかされた。
----殻である。
殻の存在があるからである。
互いの殻が、大きく重く邪魔になっているので 絡み合うのに難儀をし、難儀をしているから この世のものとは思われない速度にならざるを得ず ねっとりと絡み合わなければ交尾に至れないのだった。
交尾は、陽が堕ちるまで続いていた。
じっとりと蒸す曇天下、今日も何組ものかたつむりが 絡まり合っている。
カタツムリを観ることも少ないので、まして・・・は見ないです(^▽^;)
by green_blue_sky (2017-07-04 06:38)
神秘的ですね、見てみたいものです。
by ken_jp (2017-07-04 06:42)
ぼんぼちぼちぼち様
おはようございます。
かたつむりもあまり見ることのなくなった時代ですね。
植木の大切な葉を食べられたり、困ることはありますが、動きは、のんびりで見ていると時を忘れてしまう不思議な生き物です。
かたつむりの恋の季節を見たことはありませんので、貴重な記事です。
今日も暑そうです。
by hirometai (2017-07-04 08:37)
すごいものですね!
カタツムリを見なくなって何年になるか、いるところに行っていないんだね。
by 斗夢 (2017-07-04 09:19)
これだけ広い世間で、点のような空間での貴重な体験?ですね。
梅雨の間にカタツムリが気になりそう。
見ていられるのかしら(笑)
by kiki (2017-07-04 10:50)
文章力で想像させられます
なまめかしいという言葉はかたつむりから
想起させられたのでしょうか
by きよたん (2017-07-04 11:18)
昔、カタツムリは普通に見てましたがそんなタイミングに出会った事無いです(@_@)
最近はカタツムリを見ることさえありませんが、どこかで出会えたら
気をつけて見てみます(^O^)
by ニッキー (2017-07-04 12:10)
ぼんぼちさんの文章が、もう、な・・・なまめかしい!
(*/∇\*)キャ
by Ginger (2017-07-04 13:09)
へぇ~、殻が…
↑Gingerさんと同じく…文章がなまめかしい!
by ミケシマ (2017-07-04 13:19)
そんなカタツムリに 塩をかけて
もっとねっとりさせたくなる 冷酷な美邑・・・(*ΦωΦ)
by ミムラネェ (2017-07-04 17:26)
こんにちは!
これは想像だにしたことないですね。
でも、普通に考えればあのカラが邪魔になりますね。
その時は変身・・ナメクジさんになって頑張るのかな?
by Take-Zee (2017-07-04 18:22)
珍しいシーンを見たのですね。想像ができません。
by JUNKO (2017-07-04 19:27)
かたつむりの交尾も試練ですね。。
横浜に住んで40年弱・・・
カタツムリ、見たことが無い。。
田舎には沢山居たけど・・
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2017-07-04 19:51)
脱いじゃえばいいのに。そんなわけにも行かないかな。
しかし、外でゆっくり交尾していて外敵に襲われないのかな。
人間でも障害がある恋の方が燃え上がりますから。カタツムリもそれはそれで幸せかも。
by ackylacky (2017-07-04 20:12)
みなさん
かたつむりって、子供の絵や折り紙で紫陽花に必ず添えられる この季節を代表する生き物でやすが 最近あまり見なくなりやしたね。
あっしの住んでいる杉並区は古い住宅が多い地域で、今もさまざまな生物を見ることができやす。
かたつむりの交尾、想像を絶するなまめかしさでやすよ!
最初はからまり合って何やってるのかな?と目を留めたのでやすが
そのうち恋矢を出して来たので 交尾だと判りやした。
そうでやすね。貴重なものを見ることができやしたね。
あ、観たのはあっしんちの庭先のコンクリートの部分でやす。
そりときはたまたま時間があってかなり長い時間見てたんでやすが
さすがにラストまでは見届けられやせんでやした。
「なまめかしい」という言葉、かたつむりの交尾を観ていたら、この言葉以外にないな!と思いやした。
文章がなまめかしいと評してくださりありがとでやす。
あっし自身、思いっきりそういうこと狙ったので、伝わってとても嬉しいでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-04 20:31)
カタツムリ、まだまだ見ますよ~。
庭にも玄関先にもいます。横浜ですが。
でも交尾は見たことないです。
ガマガエルとヤマカガシの死闘なら見ましたが…(これはエグい)
by ぱんだはんな (2017-07-04 20:40)
拙ブログへお祝いコメントありがとうございます。
流石の文章力ですね、目の前に光景が浮かびました。
by johncomeback (2017-07-04 20:41)
官能小説?
by saru (2017-07-04 22:52)
蒸し暑い梅雨の季節ににねっとり絡み合う
かたつむり・・「さらば箱船」の貞操帯を
思い出してしまいました(^^;)。
大人の時間になってしまい失礼しました。
by うっかりくま (2017-07-04 23:56)
最近は、カタツムリ自体も見なくなったから、その行為も見られない?(^^;
by えーちゃん (2017-07-05 00:19)
カタツムリの交尾は見たことがない。
人間の・・・。は・・・。
by nikki (2017-07-05 00:37)
ホント、なまめかしい。。。
かたつむりとぼんぼちさんの顔が被って浮かんで来てしまい、
なんとなく困ってしまっています。。
by 向日葵 (2017-07-05 03:27)
ねっとりと絡み合う蝸牛・・・・
蒸し暑さが増しそうな^^;
by さる1号 (2017-07-05 06:18)
日頃可愛いと思ってみているカタツムリ君・・・
想像つかないな~
by イヴママ (2017-07-05 09:53)
キスをする時「鼻が邪魔にならないかしら?」は、映画化もされたヘミングウェイの小説「誰が為に鐘は鳴る」の一節ですが、日が落ちるまでの交尾とは"命懸け"ですね(^^;;
だって交尾中に鳥に襲われたら、曾根崎心中になってしまいますもの(>_<)
因みにライオンは短いようですが、平均的な日本男子も…AV男優は長過ぎますよ(*_*)
by 風来鶏 (2017-07-05 10:12)
見たことがありませんね
よく カタツムリ 取ってましたが・・・
とっても 素晴らしい解説に・
見て見たくなりました が
時間もかかりそうですね((+_+))
by もーもー (2017-07-05 10:59)
みなさん
この交尾を観たのはもう何年も前のことだったのでやすが 強烈にあっしの脳裏に焼き付いていて いつか梅雨の時期に記事にしよう と思い続けていやした。
で、どういう形式(文体)で書くのがあっしとして相応しいのか あれこれ考えて
結果、こういった散文詩に近いエッセイにしやした。
客観的な観察リポートを書いてる人はネット上を探せばいっぱいおられると思うので。
そうでやすね、命がけの交尾でやすね。
交尾中は無防備でやすもんね。あっしが見たのも物陰ではなく人目につきやすい場所でやした。
ガマガエルとヤマカガシの死闘、すさまじそうでやすね。
あぁ「さらば箱舟」の貞操帯、がっちりと重たそうでやしたね。
AV男優は、長すぎやすね。本能を職業にしてるって意味では、大食いで稼いでる人と同じでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-05 12:55)
短編小説の様です♪
by 柴犬 (2017-07-05 12:57)
カタツムリって雌雄同体ですよね~。
下世話な話で恐縮ですが、雌雄両方の快感が
一匹で味わえるなんてちょっと羨ましいかも……。
by NONNONオヤジ (2017-07-05 13:09)
最近ではカタツムリの姿も見かけなくなって来ました。
文章を読み進めて行くと交尾の光景が目に浮かぶようです。
by 美美 (2017-07-05 17:22)
カタツムリの殻は汚れが着きにくい構造なのだそうで、それがビルの外壁などに活かされているそうです。
by センニン (2017-07-05 19:50)
みなさん
そう、かたつむりって雌雄同体でやすね。
雄から雌にあるいは雌から雄に性転換する生物がいる一方で、かたつむりは最初から最後まで雌雄同体だそうでやす。
何故かというと、とてもゆっくりにしか移動できないから、雌雄が分かれていると、異性と遭遇できる確率がものすごく低すぎて
とても子孫繁栄しづらいから このようになったのだとか。
両方の快感が味わえるのが羨ましいとは、なるほどでやす・笑
一粒で二度美味しい でやすね(◎o◎)b
短編小説のようと言っていただけて、また光景が目に浮かぶようと言っていただけて嬉しいでやす。
今回の記事は文学的に書いてみようと思いやした。
かたつむりの殻、汚れがつきにくい構造なのでやすね。
そういえば汚れたかたつむりって見たことないかもでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-05 21:28)
長く生きていてもカタツムリの交尾は見たことないなあ。
蛇のからみもすごいよ! これは2度3度見たたことある。茨城の大子町を流れる久慈川にアユ釣りに行ったとき、アオダイショウがのたうち回りながら真っ最中。半日後、同じところを通ったらまだ絡んでる。
古の人は、これをみて子宝の神として注連縄を編み出したんだって。神社の注連縄は子宝の象徴と民俗学の本に書いてあったよ。案山子も蛇の化身らしい。山から下りてきたヤマカガシなんだそうです。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2017-07-05 22:32)
皆さんいろんなものを見てらっしゃるのね
ぼんぽちさんの文が良かったから、他の方もいろいろ想像されたみたいで、面白い話がいろいろ出てますね ^^
by よいこ (2017-07-05 22:54)
昔飼ってました^^
プランター栽培をしているといつのまにかカタツムリがやってきたので。
雌雄同体のカタツムリ、ほんと面白いですね。進んでるなあ。。
2匹以上いるとどっちかが男役、どっちかが女役をやるんですよね。
そういえば片方の顔がちょっとごっつくなったんですよ。
by ジル (2017-07-05 23:18)
なるほど
殻が邪魔しているわけですね。
まあ、世の中と一緒かもしれませんね。
by 八犬伝 (2017-07-05 23:28)
甲羅のないヤマナメクジの交尾だと。なぜ口だけ落ちてるんだ!
という印象になります。(^m^)
イタリアにElio e le Storie Tese というちょっと変なバンドが
ありまして。そこのStudentessiというアルバムのジャケットが、
とってもなまめかしいです。Youtubeでご覧になってみてください。(^^)
by 水円 岳 (2017-07-05 23:39)
原始的でとても迫力のある表現…一時期のジョージ秋山の漫画に匹敵するような芸術世界を感じました。
by 扶侶夢 (2017-07-05 23:45)
子孫を残すために必死なんですね。
ぼんぼちさんの文章の巧さに、思わずドキッとしました。
見てみたい^^
by リンさん (2017-07-06 18:25)
みなさん
文章、お誉めくださりありがとでやす・ぺこりっ
久しぶりに思いっきり文学的なのを書いてみたくなったので、あのとき見た印象をこんなふうに表現してみやした。
公開するまでは「これらの言葉を選んだことが果たして正解だったのか?」とちょっと自信なかったりしたのでやすが
そう言っていただけて これで良かったのだなと ほっとしやしたf(◎o◎)
しめ縄、蛇の交尾をモチーフとしているのでやすね。
そういう意味が込められているとは知りやせんでやした。
あっしは蛇の交尾は見たことはありやせんが、かなり強烈そうでやすね。
水円 岳さん 今ゆーちゅーぶで観てみやした。
なんかリアルで気持ち悪いけど面白いアイデアのジャケでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-06 21:47)
今、自然科学の本を読んでるんですけど、
今朝ちょうど、昆虫の交尾は命がけって出てました。
やっぱり無防備このうえなく、鳥なんかに狙われやすいそうです^^;
「なまめかしい」って、自分では一生使わないだろうなぁと^^;
改めて、ぼんびちぼちぼちさんは大人だなぁ~と思いました♪
by Rchoose19 (2017-07-07 12:52)
なるほど、恋の矢ですか、初めて知りました。
たしかにぼんぼちさんの表現力のたまものでやしょう、想像力の乏しいオイラのオツムにもなまめかしさが迫ってきましたでやす。
こういう文章、たまには読みたいもんでやす。
by GG233334 (2017-07-07 19:33)
Rchoose19さん
確かに交尾中は無防備で、狙われやすいでやすよね。
あっしんちの庭のコンクリートの上で交尾を始めたかたつむり、観てたのがあっしで良かったでやすよ。
カラスか猫だったら いい餌食になってたところでやす。
「なまめかしい」って言葉、この交尾を見てたら自然と浮かんだ・・・・というか、この言葉しかないよな、と思いやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-07 21:36)
GG233334 さん
文章お誉めくださりありがとでやす・ぺこりっ
久しぶりに文学的な文でかつ時節に合ったものをあつかってみたいなーと思い
このことを書いてみようと思った次第でやす。
「恋矢」っていう呼び方、ロマンティックでいいでやすよね。
あっしは生物の進化や生態に興味があって 以前からそういう関係の本を気まぐれにでやすが読んできて
この言葉は印象深く頭に残ってやした。
そして偶然にも庭でかたつむりの交尾に遭遇し、「おぉ!これが例の恋矢というやつか!」と感慨深かったでやす。
恋矢、役目を終えると身体から抜けてしまうそうでやす。
人間は何度事に至っても抜けなくて良いでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-07 21:51)
ひぇ~! そうなんですか、くわばらくわばら。
つくづく人間で良かったなぁ~と感慨にふけっておりやす。(笑)
by GG233334 (2017-07-08 17:06)
皆様もお書きになっておられますが、目の前に情景がありありと浮かんでくる秀逸な表現にうならされました。
私はカタツムリの生殖活動を見たことはなく、もちろん恋矢も初めて聞きました。
何とも雅な名前ですね。
軟体動物であるがゆえに、この部分は硬さも必要だったということなのでしょうか。
役目が済んだら抜け落ちるというところも、本能としての生殖活動のみに使われる潔さがみられ、年がら年中そうした行為に走ってしまう人間との違いを感じてしまいました。
by 伊閣蝶 (2017-07-12 17:11)
GG233334さん
くり返し何度も使われて、人間であることを謳歌されてくだされ(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-13 20:29)
伊閣蝶さん
恋矢という呼称、雅やかでやすよね。
初めて知った時、なんと文学的な呼称をつけるのだろう!と感動しやした。
そしてそれから何年も経ってから偶然 それを目の当たりにしたわけでやすが
「おお!これが書物で読んだあの恋矢か!」と目を見張ったと同時に
あまりのなまめかしさに見入らずにはおれやせんでやした。
今回のあっしの文は、恋矢という言葉のイメージにも大きく影響を受けてやす。
観察リポートではなく文学的にまとめたほうが相応しいぞ と(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-07-13 20:44)