角砂糖 [詩・詞]
ひとつ またひとつ 私は 呼吸(いき)を詰めて 積み上げる
四角の小ささを 指先に感じながら
白の眩しさに 少しだけとまどいながら
ひとつ またひとつ 積み上げる
昨夜 ガラスの食器棚の奥に 角砂糖の小箱を見つけたのだ
気まぐれな片付けのおりに 偶然 発見したのである
食器棚に角砂糖があったことなど もうほとんど忘れかけていたのだが
偶然発見したから積み上げているかというと 確かにそれはそうなのだけれど
しかし 決して 時間(ひま)つぶしぢゃあない
いつ崩れたってかまわないという気持ちで積み上げているんぢゃあない
それなら 塔とか城とか 何かしら形になるものを目指しているかというと
私の頭の中には 何の完成図も ない
けれど-----
ひとつ またひとつ 私は 呼吸(いき)を詰めて 積み上げる
四角の小ささを 指先に感じながら
白の眩しさに 少しだけとまどいながら
ひとつ またひとつ 積み上げる
防音ガラスの四角い窓を セスナがきらめきながら ゆっくりと横切っていった
四角の小ささを 指先に感じながら
白の眩しさに 少しだけとまどいながら
ひとつ またひとつ 積み上げる
昨夜 ガラスの食器棚の奥に 角砂糖の小箱を見つけたのだ
気まぐれな片付けのおりに 偶然 発見したのである
食器棚に角砂糖があったことなど もうほとんど忘れかけていたのだが
偶然発見したから積み上げているかというと 確かにそれはそうなのだけれど
しかし 決して 時間(ひま)つぶしぢゃあない
いつ崩れたってかまわないという気持ちで積み上げているんぢゃあない
それなら 塔とか城とか 何かしら形になるものを目指しているかというと
私の頭の中には 何の完成図も ない
けれど-----
ひとつ またひとつ 私は 呼吸(いき)を詰めて 積み上げる
四角の小ささを 指先に感じながら
白の眩しさに 少しだけとまどいながら
ひとつ またひとつ 積み上げる
防音ガラスの四角い窓を セスナがきらめきながら ゆっくりと横切っていった
タグ:角砂糖
四角いから積み上げられるんですね~。
by hypo (2012-07-02 06:04)
うぅ~ん、いい風景ですね。
最後の・・・窓をセスナがきらめきながら
ゆっくりと横切って行ったの文章に
なぜかほっとしながら・・・
by yoko-minato (2012-07-02 09:09)
hypoさん
あ、確かに!
イマドキのカフェに置いてあるゴツゴツしたブラウン&ホワイトシュガーだと こうはまいりやせぬ(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-02 10:50)
yoko-minatoさん
ラストの一文は、あっしなりにすごく拘ったところなので 着目していただけて嬉しいでやす・ぺこりっ。
なるほど、ほっとされやしたか。
どんな印象を持たれたのか こうして聞かせていただけると とても参考になりやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-02 10:59)
勝手に想像しただけですが、人生の箱をひとつずつ
ゆっくり積み上げていくような感じがしました^^
最後のセスナは、希望や願いが叶うよのあいずのような。。。。
勝手に解釈してすみません(_ _)
とても素敵な角砂糖の歌なのに。
by koume (2012-07-02 12:26)
完成図もなく、ただ積み上げる・・・
う~っ、まるで我が人生の如く(汗)
by さる1号 (2012-07-02 13:09)
混じり物のない半透明な塊を積み重ねていく。
真剣な時間が伝わってきて、
読んでいるこちらの心まで、
混じり気なく半透明になっていくみたいです。
by ぴぃ (2012-07-02 17:05)
素敵な詩ですね^^
角砂糖の触感が自分の手にも感じられ
一緒に呼吸を詰めて角砂糖が積みあがっていくのを見つめているような気持になりました。
みなさんもおっしゃっていますが
最後の一文がとても印象的で
この詩をより素敵なものにしていると思いました(^^)
by Sizuku (2012-07-02 17:10)
最初簡単なものから積み重ね次第に複雑になってゆく、
なおも進んで行くと利口になる自分と何かを無くした自分が黙って向き合っているのにふと気付く。
深呼吸して周りを見回して自分の居場所を見極めて気を取り直してまた積み重ねてゆく,,,生きてるとよく煮詰まっちゃう事ってありますよネ。
by マメ三 (2012-07-02 18:13)
koumeさん
そう感じていただけて嬉しいでやす・ぺこりっ。
まさに そーいう気持ちを込めてこさえやした。
作中の私は、セスナを見上げなから 思わず微かに微笑む・・・みたいな(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 00:06)
さる1号さん
そうでやしたか・・・。
あっしは 綿密な完成図を描きながらも まるで違った造形物に仕上がりつつありやす(◎o◎:
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 00:09)
ぴぃさん
まじりけのない感じ 純粋さ は、この詩ですごく あっしなりに力点をおいたところなので 伝わってよかったでやすっ・ぺこりっ。
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 00:14)
Sizukuさん
臨場感も感じていただけたとは 嬉し涙ちょちょ切れでやす。
次々次々と積んでゆく感じを 言葉を繰り返すことで出せたらなぁと思いやした。
ラストのとこ、窓の外を飛ぶのは何にしようか、ちぃとだけ考えやした。
鳥だとありきたりだし、自分らしくないし・・・・
で、あっしは 渇いた質感のものが好きだし、音的にも この詩世界にしっくりくると思ったので セスナに決めやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 00:24)
マメ三さん
あぁ、解りやす、すごく解りやす。
そう、時折 深呼吸して 自分を俯瞰してみるのって大事でやすよね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 00:28)
積み上げること自体に意味があるのですね。
by まほ (2012-07-03 02:32)
まほさん
そう思いやす~
まほさんの新しい画像マークも さくらんぼが積み上がってやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 10:29)
角砂糖…セスナ機…ん~、クリスタル!
by 扶侶夢 (2012-07-03 11:49)
扶侶夢さん
へい、クリスタルなイメージでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 17:42)
いつ崩れたって。。の一節が、とても響きました。
角砂糖を息を詰めて積み上げる、その眼差しまで
感じられるようです。
なんか、こう。。ぐっと来ました。
うまくお伝え出来なくてすみません^^;
by DouxSoleil (2012-07-03 20:38)
DouxSoleilさん
そんな風に感じていただけたとは 恐縮でやす・ぺこりっ。
あっしは元来 ものすごーーくハッキリした人間で 自分の気持ちにも曖昧なとこがなかったんでやすが
なんか最近、曖昧なままハッキリ結果や答えを求めない ということもいいんじゃないなぁ と思うようになりやした。
そういうことに 全神経を集中させて無心に 一生懸命になってみるのも いいかなぁ・・・と(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 21:27)
防音ガラスで隔てられたあちらとこちら
音はとおさなくても光はとおす
何かに没頭しているときってそういう感じがします
by 藤並 海 (2012-07-03 22:17)
藤並 海さん
おぉ! その感じ 解っていただけて嬉しいでやすっo(◎o◎)o
防音ガラス、かなり早い段階で浮かびやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-03 22:41)
お早うございます。
まさしく、最後の章以外は私が最近経験しました・・・賞味期限になった乾パンの中に真っ白な四角の氷砂糖が入っているのですね。初めて知りました。
たった5個くらいでしたが、積んでみました(^^;
防音ガラスのあるセスナの横切る様な窓辺・・・特殊な場所ですネ・・・
空想で作品が生まれたのだったら流石のぽんぽちぽちぽちさんですネ(^-^)
by ちゃーちゃん (2012-07-04 07:02)
ちゃーちゃんさん
そう、乾パンの中に氷砂糖 入ってやすね。
おそらく、味のバランスのみならず、砂糖は非常時に最も手っ取り早く取れるエネルギーだからかな?と勝手に思ったりしてやす。
積まれたとは、なんかすごい偶然な経験でやしたね、あっしも ちと驚きやした。
この作品は完全に空想でやす。
最近あまり見かけなくなった「角砂糖」というモチーフから膨らませてみやした。
・・・・窓の内側は、がらんと静かな 誰にも邪魔されない場所・・・・
そんなイメージでこさえやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-04 10:01)
角砂糖のざらりとした感触を思い出しました。
脆いのか強いのか、微妙な手触りでした。
by ナツパパ (2012-07-04 10:05)
ナツパパさん
氷砂糖がツルリなのに対して 角砂糖はざらりでやすね。
みっちり砂糖なわけではないので 軽いでやすね。
そういえば、昔、角砂糖の中にインスタントコーヒーの粉が入った商品があったそうでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-04 10:21)
ヤマブキってあまり見ないですか?
黄色も白色もありますね。でも
あの、一輪はびっくりしました。
by ryuyokaonhachioj (2012-07-04 12:53)
明確な目的があるわけではない、けれど
息を詰めて、真剣に積む。ただ、無になる時間。
そういう時間、何となくわかるような気がします。
by asty (2012-07-04 20:03)
ryuyokaonhachiojさん
黄色のは 八重も一重もよく見るんでやすが
白山吹は あっしんちのほうではめったに見かけないでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-04 21:18)
astyさん
わかるような気がしていただけて嬉しいでやす。
明確な目的がないなら、じゃあ、やってる時間や やってることは無意味なのか?っていうと 決してそうじゃないように思うんでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-04 21:24)
セスナがジェット機じゃいけないんだなこれが。ゆっくりした時間を感じなきゃ。でもこの辺りセスナ機飛ばないんだな。この頃はオスプレイが北アルプスを通るって話も聞くし。四角な砂糖が三角になって崩れそうだわ。
by さきしなのてるりん (2012-07-04 22:22)
さきしなのてるりんさん
そう、この詩世界では、ジェット機じゃダメなんでやす。
いつか、ジェット機が登場する作品も こさえてみようと思いやす。
ギュイーーーーーーンって(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-04 23:06)
オーストラリアの蟻さんだって、こんな蟻塚のしようと巨大化する訳じゃない。
砂漠の風だって、綺麗な文様を描くために、たなびいている訳でない。結局、何だかわからない。
ぼんぼちぼちぼちさんの女性の好みはわかりました。と言うことでまた。
by masakazoo (2012-07-04 23:50)
masakazooさん
なるほど、蟻塚や砂漠の文様、あと、蜂の巣とかもそうでやすね。
美しい造形物を意図してこさえてる訳じゃないでやすもんね。
あっしの女性の好み、解っていただけて嬉しゅうございやすf(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-05 00:09)
積み上げられた角砂糖とビル、似てるような似てないような。
by 土芽 (2012-07-05 06:39)
土芽さん
あぁ、なるほど。
あっしは都会が好きなので 無意識のうちに ビルっぽいものをこさえていたようでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-05 10:57)
ぼんぼちさん、こんにちは♪
>で、あっしは 渇いた質感のものが好きだし、音的にも こ>の詩世界にしっくりくると思ったので セスナに決めやした(◎o◎)b
そうだったのですね!
セスナだったからこそ出た雰囲気だったような気がして
さすがに上手い選択だなぁと感激しています^^
言葉ってとても繊細ですね。
ちょっとした使い方の違いで文章全体の雰囲気がガラッと変わってしまいますから("^^")
細部に気を使われているぼんぼちさんの文章を
こちらで読ませて頂くことがとても楽しみな私です^^
by Sizuku (2012-07-05 17:35)
Sizukuさん
再訪 ありがとでやす・ぺこりっ。
そう、さきしなのてるりんさんも 上のコメント欄にて仰ってるように
ジェット機じゃダメなんでやす、この作品は。
「鳥じゃなくて飛行機だなー」と思った時点で、それならセスナ以外にないな!と すっと浮かびやした(◎o◎)b
まぁ、あっしなんざぁ 所詮 無手勝流の日曜文士なんでやすが
あっしなりに、言葉の意味のみならず 音 とか その言葉の持っているイメージとか そういうことに心を砕いてやすf(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-05 21:40)
>四角の小ささを 指先に感じながら
白の眩しさに 少しだけとまどいながら
ひとつ またひとつ 積み上げる
ここが凄く好き^^
by カリメロ (2012-07-06 01:25)
カリメロさん
ここに着目していただけて嬉しでやすっ・ぺこりっ。
この部分は、この詩の土台になるとこなので
どういう言葉を選ぶか、とか、やっぱ リズムがほしいな とか
あっしなりに考えやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-06 11:28)
角砂糖を積み上げる静かな空間に、大空を自由に飛んで行くセスナ機。
こっつという音と、ビューっという音が聞こえてきそうです。
あっ!防音ガラスでしたね^^;
by macky (2012-07-07 18:10)
mackyさん
作中の私は部屋にいるんだけど
ラストのキャメラアイは、窓外から部屋を覗く みたいな感じでも こさえてるので
そう感じていただけて嬉しいでやす・ぺこりっ。
因みに、画像は、白い紙を切ったのをブルーの紙の上に撒いて撮りやした・ちょきっ(◎o◎)V
by ぼんぼちぼちぼち (2012-07-07 20:54)