ぬし [詩・詞]
冬了り-----
庭の睡蓮鉢の水が 木枯らしでもないのに 「くわん」と 揺れることがあった
「蛙かな」 と思った
「蛙だろうな」 と思った
若葉 萌え初むるころ-----
鉢の縁に 私のこぶし大ほどの蛙が 肘をはり 真一文字に口を結び 我が邸を 「むん」と 凝視していた
さながら 小さな庭の「ぬし」だった
次の日 窓を開けると-----
「ぬし」は 同じように 「むん」と そこに居た
その次の日も 「むん」と居た
次の次の日-----
睡蓮鉢の縁は 雑草に隠れかかっていた
「ぬし」がやっぱり「むん」と居るのかどうか 私は 履き物に泥がつくとめんどうなので 庭に歩み出なかった
いつしか-----
睡蓮鉢ぜんたいが 雑草におおわれた
あいかわらず 「ぬし」は「むん」と「ぬし」をやっているのかな と思ったが
私は 着ている物が草の露に濡れるとめんどうなので 部屋から出なかった
庭の睡蓮鉢の水が 木枯らしでもないのに 「くわん」と 揺れることがあった
「蛙かな」 と思った
「蛙だろうな」 と思った
若葉 萌え初むるころ-----
鉢の縁に 私のこぶし大ほどの蛙が 肘をはり 真一文字に口を結び 我が邸を 「むん」と 凝視していた
さながら 小さな庭の「ぬし」だった
次の日 窓を開けると-----
「ぬし」は 同じように 「むん」と そこに居た
その次の日も 「むん」と居た
次の次の日-----
睡蓮鉢の縁は 雑草に隠れかかっていた
「ぬし」がやっぱり「むん」と居るのかどうか 私は 履き物に泥がつくとめんどうなので 庭に歩み出なかった
いつしか-----
睡蓮鉢ぜんたいが 雑草におおわれた
あいかわらず 「ぬし」は「むん」と「ぬし」をやっているのかな と思ったが
私は 着ている物が草の露に濡れるとめんどうなので 部屋から出なかった
タグ:蛙
先日、窓ガラスにキュウリが付いていたので「?」とよく見ると
目にも鮮やかな緑色の小さなアマガエルでした(笑)
by k_iga (2012-05-27 06:35)
雨の夜、豊島区の住宅地のど真ん中で、両手で抱き包まないといけないような大きな蛙に何度か出会ったことがあります。車に轢かれないよういつもつかまえて遊んだあと空地の茂みに連れて行って放したものですが、池も川も見当たらないのに、どこから来るんでしょうね。
by にすけん (2012-05-27 13:28)
わたしの着ているものは着物で、履きものはゲタ・・みたいな感じがします。
by 九子 (2012-05-27 15:48)
家のぬしはあなたなのですね。
by サンダーソニア (2012-05-27 17:18)
ぬしさんはぬしさんで、相変わらず、こちらを観察していそうです…
by rantan-nya (2012-05-27 18:57)
「ぬし」がどんな姿をして、どんな表情なのか
想像しては わくわくしたいます^^
by オレンジポピー (2012-05-27 19:19)
k_igaさん
きゅうり・・・・なるほど、確かに・笑
アマガエルさんは かぁいいでやすよね。
幼少のころ 庭でよく捕まえてやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-27 21:42)
にすけんさん
そうそう、それ あっしも謎に思ってやした。
近くに水がないのに 一体どこから???って。
遠い水辺から 延々 跳ねてやってくるんでやしょうなぁ。
運が悪いと車にぺしゃんこになって・・・(◎o◎:
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-27 21:46)
九子さん
あっし自身 この詩をこさえている過程で、そーいう感じが湧きあがってきやした。
なので、現実には「服」であり「ゴムぞうり」だったのでやすが
「着ている物」「履き物」としやした(◎o◎)b
間違っても、ジャージにクロックスの世界観ではないでやすね・笑
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-27 21:56)
サンダーソニアさん
rantan-nyaさん
雑草で 目の前がすっかり覆われきった今も「わたしがぬしだ」とばかりに
きっと「むん」とやっていると思いやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-27 22:01)
>「むん」と居た。
と言う表現がいいですね。
by そらへい (2012-05-27 22:03)
オレンジポピーさん
そんなふうに思いを馳せていただけて嬉しいかぎりでやす・ぺこりっ。
前々から、何かひとつ、がっちり構築するのではない、宙ぶらりんな ぽーんと投げ放っただけのような そんな作品をこさえてみたいと考えてやした。
で、庭にいた蛙を観て 感じたことをふくらませてみやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-27 22:08)
そらへいさん
ありがとでやす・ぺこりっ。
「むん」 あっしなりに気にいってやす。
以前、「紙の王冠」という詩で「むむ・・・」というのを使いやして
あっしはどうも「む」という音が好きでやす。
あと、「ぼ」と「ぽ」がむしょうに好きでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-27 22:16)
こんばんは
此所最近、蛙の鳴き声も姿も見た事が有りません・・・私は見たく有りません( ̄~ ̄;)先日、大きなカタツムリが我が家のコンクリートの階段に居ました。嫌だったのでそのままにしておきました・・・今日は中身が空っぽになっていましたよ・・・家出をしたのかしら?? 何処に行ったのかしら?? 気になります。
by ちゃーちゃん (2012-05-27 23:57)
ちゃーちゃんさん
蛙もカタツムリもダメでやすか。
カタツムリ、猫にでも食べられたんでやせうか・・・
家出・・・なんか また新たな作品のヒントをいただけたようでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-28 10:14)
本当、「むん」ってのがいいですね。
いるかいないか、暴きに行かないとこもいい。
いろんな場所のいろんな「ぬし」に、
ひっそり「むん」とい続けて欲しいです。
by ぴぃ (2012-05-28 17:03)
ご訪問いただき有難うございます
by セイミー (2012-05-29 07:56)
ぴぃさん
暴きに行かない ということも、この詩の世界観として力点をおいたとこなので
そう感じてくださってとても嬉しいでやすっっっo(◎o◎)o
あー、いろんな場所のいろんなぬし・・・・
またひとつ 新たな作品のヒントをいただけたようでやす!
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-29 10:38)
セイミーさん
こちらこそありがとでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-29 10:39)
あ~、その「ぬし」に会いたいです~。
きっと可愛いだろうな。
想像つきますよ、真一文字に口を結び、「むん」ってしてるんでしょ?
表現が素敵。
by イヴママ (2012-05-29 10:54)
「むん」という言葉と「ぬし」が、なんとなく、昔の頑固
親父って感じがしました。蛙さんがぬしなのですね。
蛙、最近見かけなくなりましたが、どこにいったんでしょう?
by koume (2012-05-29 16:06)
弟は幼少の頃「大きくなったら蛙になりたい」と
彼は今、その夢をはたしたのだろうか。
by 太陽の玉子 (2012-05-29 17:05)
イヴママさん
ぬしさん かぁいかったでやすよ~(そんなら毎日 見てやれよ って自分に突っ込んでみる・笑)
ちっちゃい浮草を背中にてんてんとつけてやしたよん(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-29 18:19)
koumeさん
昔の頑固親父みたいな感じ・・・あっし自身、これらの言葉を選んだことでそういうイメージを感じていたので とても嬉しいでやす。
そう、やっぱ昔より 蛙さん 見かけなくなりやしたよね。
特にちっさくて緑のは なかなか見ないでやすね(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-29 18:27)
太陽の玉子さん
果たされたのか あっしも気になりやす(◎o◎)b
いずれにせよ、大きくジャンプの人生であれば何よりでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-29 18:30)
こんばんは!はじめまして^^
ご訪問ありがとうございましたm(_ _)m
素敵な詩や俳句にすっかり夢中になってしまいました。
みなさんおっしゃってますが
>肘をはり 真一文字に口を結び
>我が邸を 「むん」と 凝視していた
というところがたまらなく素敵です。
そしてさらに
>「ぬし」がやっぱり「むん」と居るのかどうか
>私は 履き物に泥がつくとめんどうなので 庭に歩み出なかった
>あいかわらず 「ぬし」は「むん」と「ぬし」をやっているのかな と思ったが
>私は 着ている物が草の露に濡れるとめんどうなので 部屋から出なかった
というところ、脱帽でした。
昔の作家の随筆を読んだ時のような、そんな読後感を味わっています。
初回から長々と失礼いたしました。
過去の記事も少しずつ楽しみに読ませて頂きたいと思っています。
ご縁を頂き感謝です^^
by Sizuku (2012-05-29 22:09)
Sizukuさん
こちらこそ あっしが無手勝流にこさえている作品に 嬉しいコメント ありがとでやす・ぺこりっ。
今回の詩、あっし自身としては気にいっているものの 果たして みなさんにどう思っていただけるのか まるで見当がつきやせんでやしたが
こうして背中を後押しされるご意見をいただけて
これでよかった!と安心すると同時に 稚拙ながらも新たな作品づくりの大きな励みとなりやした。
所詮は 趣味の日曜文士でやすが、これからも一生懸命こさえたいと思いやす(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-29 23:42)
ご訪問&nice!、ありがとうございました。
by PhotonFisher (2012-05-30 00:11)
ご訪問&nice! ありがとうございました。
よろしくお願いします。
by ★もこ★ (2012-05-30 05:36)
PhotonFisherさん
★もこ★さん
こちらこそ ありがとでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-30 10:09)
すてきな詩ですね~。読んでいて漱石さんのイメージが浮かんできました。
by れもん (2012-05-30 13:04)
れもんさん
ありがとでやす・ぺこりっ。
そんな大御所中の大御所の文士が浮かばれたとは 恐縮でやす。
がっちりー ではなく、ほわ と投げ置いたようなニュアンスを目指してこさえやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-30 17:56)
「むん」と居るのが分かってからは、誰でもないソレが「ぬし」だと認めて、
姿を確かめなくても、不思議な安心感があったのでしょうか?
by まほ (2012-05-31 02:26)
まほさん
どうでもいい気持ちの根底には そういう気持ちもあったかも・・・・知れやせん(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-31 22:33)
こんにちは(*´▽`*)♪
ご訪問&Nice!ありがとうございました♪
これからよろしくお願い致しますm(_ _)m
by くるめっち (2012-06-04 12:46)
くるめっちさん
こちらこそよろしくでやす\(◎o◎)/
by ぼんぼちぼちぼち (2012-06-04 14:35)