あの世に持ってゆきたい音楽アルバム [音楽雑記]

みなさんは、もしも あの世に一枚だけ音楽アルバムを持ってゆけるとしたら 何を持ってゆきますでしょうか?
あの世に行っても くり返しくり返し聴き享しみたいのは どのアルバムでしょうか?

私は、ミード・ルクス・ルイスの「バレル・ハウス・ピアノ」です。
1956年に録音されたブギウギピアノです。
ブギウギピアノは、元々非常にジャズ寄りのブルースではあるのですが、その中でも この「バレル・ハウス・ピアノ」は、よりジャズ色の強い仕上がりと成っています。
曲も、「12番街のラグ」や「セント・ルイス・ブルース」など、ジャズのスタンダードナンバーが何曲も盛り込まれています。
それを、ミード・ルクス・ルイス特有の トイピアノのようなペチャペチャした----クラシックピアノの先生が「最もよろしくない例です!」と眉をひそめるであろう弾き方で、軽快なテムポに乗りながらもうるささを感じさせない 何遍耳に流し込んでも飽きのこない音で奏でられています。

昨夜も眠りにつく前に ベットに横になりながら一人リズムを刻みました。
私はあと何年生きる運命にあるのか解かりませんが、私が死んだ折りには このミード・ルクス・ルイスの「バレル・ハウス・ピアノ」を 棺の中に収めてほしいと思います。

ミードルクスルイス.JPG

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私の青春時代の音楽----ザ・ファントムギフト [音楽雑記]

私は、自分の青春期に主流になっていた音楽----1970~1980年代の歌謡曲とニューミュージックが、まったく以って嗜好に合いませんでした。
当時好んで聴いていたのは、GSと チャックベリーなどが主に流れるFENのクラシックロックでした。
自室で独り ノリノリでリズムを刻み満悦していたものの、一方で こんな願望も頭をもたげていました。
「これらの音楽を、ライヴハウスで踊りながら聴けたら どんなにか楽しいだろう!」
しかし、時空をさかのぼり越えることなど不可能ですから、叶わぬ夢 と、諦めていました。

----と、80年代後半----私が20代後半の時、日本の音楽シーンに ネオGSブームが勃発したのです。
ファントムギフト.jpg勃発といっても、音楽界全体をゆるがすほどの大ブームではなく、90年代近くになると多様化をみせる音楽の中の一つの動き といったくらいの規模のブームだったかと思います。
とにかく、そのネオGSブームの中で王者と呼ばれているバンドに ザ・ファントムギフトというのがいると知り、居ても立ってもいられずに ライヴに足を運んでみました。 大好きな60年代の古着をまとって。

ミニタリーやサイケデリックな奇抜な衣裳でキメた4人のメンバーが、軟派なGSや60年代の洋楽のカバーや 軟派な中でも王子様系GSのイメージを抽出凝縮したようなオリジナルを、ガレージ色濃く演り、フロアでは、私と同じくらいの年齢の女の子達が、やはり私と同じように60年代の古着で、踊り 奇声をあげていました。
そのステージとフロアからは、「当時の軟派なGSって、こんなスタイルを真顔でカッコイイものとして(プロダクションからそういう演出を受け) ファンの女の子達も真剣にキャーキャー言ってたんだよね。 なんか笑っちゃうよね。 でも面白いよね。 自分達はそれを俯瞰した位置から再現して楽しみたいよね!」 といったカリカチュアの空気が匂い立っていました。
ボーカルのピンキー青木の歌唱力が低いのがちょっと残念でしたが、私は、このバンドのライヴに毎回参加してみようと思いました。
私がGSを好きな理由も、音が嗜好に合っているだけでなく、一歩引いた位置からの笑っちゃうような面白さを感じていたからです。

初回は遠慮がちに後方で踊っていましたが、回を重ねるうちに オリジナルの振り付けを覚え 最前列を陣取るまでになりました。
ザ・ファントムギフト.jpg私と同様に一人で来ていた女の子と友達になり、ライヴがはねた後、一緒にハンバーガーを頬張ったりもしました。
ピンキー青木に、ペーパーコラージュを施したアルミ缶をプレゼントしたら、直筆のお礼の葉書が送られてきたこともありました。
----が、6、7回、ライヴに通った頃でしょうか。
ファントムギフトは、突然、活動を休止してしまいました。

ほんの短い間のささやかな楽しみでしたが、思い返してみると、私にとって「青春らしい思い出」といえるものは、このファントムギフトのライヴだけです。
ファントムギフトがいてくれて良かったな と思います。


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日本では意外と知られていないらしいThe Undertakers(ジ アンダーティカーズ)というバンド [音楽雑記]

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私は音楽は、1900年代初頭から1960年代前半までのものが嗜好に合うので、その範囲ばかりを発掘して聴いている。

2年ほど前にふとしたきっかけで知り、CDのベスト盤を入手し 聴き愉しんでいるバンドにThe Undertakers(ジ アンダーティカーズ)がある。
強烈に黒っぽく ブラスが入っていることが大きな個性と成っている ブラックスーツにシルクハットというコスチュームもイカす 初期ビートルズと人気を二分したイギリスのガレージバンドである。

私は、自分の好みに合うものを聴きたい時に聴ければそれで満足の者で、音楽ツウでもマニアでもないので、今現在 アンダーティカーズの認知度がいかほどのものか 調べてみようとも考えなかった。
が、先日、ロックに明るい友人にこのバンドの話をふったところ、知らないと言われた。
友人がそのまた友人のロックマニアに尋ねると、そのマニア友人は、バンド名を耳にしたことがあるくらいで音は聴いたことがないということだった。
意外だった。
あのバツグンの音楽性から、てっきり キンクスやアニマルズやヤードバーズと肩を並べるくらいにメジャーなのだろうと思っていたからだ。
ネットで検索すると、日本発信の情報は極めて少なく、英語圏のそれは幾つもあった。
つまり、本国もしくは英語圏の国では知られていても 日本での認知度は低いということである。
当時の日本の音楽業界が 積極的に輸入しなかったからなのだろうか?

ともあれ、現在(いま)はネット時代。 
カタカナ入力ではヒットしないが「The Undertakers」と入れると、YouTubeで何曲も拾えるので、オールドロック 60年代ガレージパンクがお好きなかたは、是非 一度聴かれてみてはいかがだろうか?

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ブギウギピアノに疎いぼんぼちによるブギウギピアノにまつわるモノローグ  [音楽雑記]

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音楽全般に疎いぼんぼち、三十代後半でブルースに出逢い、解らないなりにも 様々な時代・ジャンルのブルースを一通り聴き愉しんできやしたが、最近、ブルースの中でも「特にこれこそが好きだ!」と言えるものが浮かびあがってきやした。
ブギウギピアノでやす。
1940年代に最も盛んだった ダンスの為に演奏された 猥雑でけたたましいピアノブルースでやす。
ロックンロールの始祖的な音楽で、ロックンロールでテムポよく上り下がりするベースに相当する部分を左手が奏でている あれに代表されるジャンル、と説明すれば ピンとくる人も多いのではないでやしょうか。

そんなブギウギピアノ、あっしは音楽理論も何も学んだ事はないので理路整然とは説けないのでやすが、とにかく耳心地よく、いつも流れるや 気が付くとリズムをきざんでやす。
中でも、ミード・ルクス・ルイスというピアニストは、ヨーロッパ音楽の方針では最もよろしくない例とされるような ペチャペチャとしたチープな音を出す人で、あっしはこういった音質に、心の奥底のコリがほぐれるような安堵を覚えやす。
---ミード・ルクス・ルイスは、ジャズ創世記を解り易く描いた ルイ・アームストロング主演の「ニューオリンズ」という劇映画にも出演しており、ここで 彼がピアノを演奏する貴重なシーンが観られやす。

今、あちこちの中古レコード店に出向いては、ブギウギピアノを掘り出し歩いてやす。
これ迄に集まったのは、写真にある六枚に過ぎやせんが、ブギウギピアノと名の付く盤は 全て購入してみようと考えてやす。
疎いなりにも心踊らずにはおれない ささやかな趣味でやす。

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 アンティーク調卓上レコードプレイヤー  [音楽雑記]

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私・ぼんぼち、半年ほど前に アンティーク調卓上レコードプレイヤーを購入しやして、毎夜、パソコンの電源を落とした後は、ゆうるりと彩色写真の時代をたゆとうておりやす。

最も大きな購入理由は----
あっしの好きな音楽ジャンルの一つにラグタイムがあるのでやすが、ラグタイムはCD化されていないものが多く、レコードなら二枚、確実に、駄菓子を買うくらいに安価に手に入るアテがあったということ。
そして、その時代の音楽は、あえておもちゃのようなチープで籠った音の卓上アナログ機材のほうが 時代性が強く反映されて 「らしさ」を愉しめるのではないか と予測したこと---でやす。
他には、ラジオが付いていて 緊急時にパソコンがアウトになった時にも情報の寄る辺になることや マホガニー調のマチエールが自室の家具にしっくりくる事や 価格自体が驚くほど安価だったことがありやす。

音楽や機材に明るいかたは鼻でお笑いになるでやしょうが---いえ、勿論、笑われていっこう構わないのでやすが---ラグタイム以外にも、ディキシーやブキウギやジャグバンドなど、趣的にも音的にもぴったりだなぁと、一枚、また一枚、子供がセミのぬけがらを小瓶に集めて手をたたくように、コレクションを増やしては悦に入っている 夏盛りでやす。

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 ラグタイムに疎いぼんぼちによるラグタイムにまつわるモノローグ  [音楽雑記]

神田神保町・古書店街に出向く。
普段なら、映画・演劇専門の矢口書店をまっ先に目指すところだが、この日はその隣の 音楽専門の古賀書店の扉を押す。
音楽には疎いながらも日常的に聴き愉しんでいるジャンルの一つである ラグタイムについてまとめられた一冊が欲しかったからだ。

残念ながら、発祥・歴史・音楽理論・近隣ジャンルとの関わり合い等を詳らかに深く掘り下げた書はなく、----店員のかたに伺うと 出版自体がほとんどされていないとのことで、アメリカ・ルーツミュージックを民族と楽器とを軸に追究したものを購入することにした。

ラグタイム2.jpg----と、古賀書店を出たところで、一人の男性に声を掛けられた。
「ラグタイムがお好きなんですか? 珍しいですね!」
瞬間、てっきり 同志の発見に喜びを隠せなかった音楽趣味人なのだろうと思ったら、なんと、大学でラグタイムの研究をされている先生なのだという事だった。
「ラグタイム全般の書籍は日本ではありませんが、スコットジョプリンについて書かれたものは 五年くらい前に出版されているので 手に入りますよ」
この情報を私に伝えるために呼びとめて下さったのだと解った。
又、「本国・アメリカでは、ラグタイム全般のも幾つも出ているので、もしも原語でお読みになれるのなら・・・」 とも。
そして何度も、「ラグタイムがお好きとは珍しい」と 繰り返された。

ラグタイム1.jpg私は、自分のような どこの馬の骨とも知れぬ ちょっと趣味で聴きかじっているに過ぎない音楽そのものに疎い者に わざわざその道のプロ中のプロのかたが時間を割いて教えて下さったことに いたく恐縮してしまった。
と同時に、ラグタイムというジャンルを好む者が、今まで自分が漠然と想像していたより 遥かに少数であったのだという事実に 愕然としないわけにはゆかなかった。

それにしても、ラグタイム、一体何故 これほどファンが少ないのだろう?
猥雑で安っぽく肩肘張らないこの音楽、私は中学生の時から アンティーク店で 商品の一つである蓄音器よりペラペラとこぼれるのを耳にするのが、山高帽や彩色写真やねじりん棒の家具を眺めるのと同じくらいに 愉しみでならなかったのだが・・・・


タグ:ラグタイム
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 音楽の世界の隠語  [音楽雑記]

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「お年玉 ゲーセンもらえたー」
「このアイス、デージューで買えたよ」
私は幼い頃、これらの言葉を 何の疑いもなく使っていました。
ゲーセンは五千円、デージューは二十円 という意味です。
クラシック音楽の世界の隠語です。
1 2 3 4 5 6 7 を、それぞれドイツ音階の ツェー デー エー エフ ゲー アー ハー に置き換えて言う訳です。
8 9 は、上にオク(オクターブの略)がついたように記憶しています。

私が物心つくかつかないかの頃まで私の父はクラシック音楽の仕事をしており、私を育てるにはあまりにも収入が少なすぎるため諦め 別の仕事を始めましたが、この音楽隠語だけは日常的に使い続けていたようです。
そして、それが隠語だとは全く知らずに聴き覚えた私も、当たり前に、他のたくさんの語と一緒に頭の中の引き出しに並列にしまい 取り出していたのです。
友達や先生に通じないことを別段気にも留めなかったので、だから それが決して美しくはない 表立って使うべきではない言葉だと気付いたのは遅く、小学高学年くらいになってからでした。

以来、四十年間ほど、私はこれらの言葉を口にしてはいません。
けれど、時折、うっかり白々とはみ出すソックスの先っぽのように 頭の引き出しから姿を現わし、そんな時は
「お会計、750円になります」
----ハーヒャクゲージューですね。
我が内にぽそりとつぶやいてみたりするのです。

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タグ:隠語
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 「マッシュポテトを水辺で あの人と踊ろう」の意味 [音楽雑記]

「バケイション」という歌の中に、「マッシュポテトを水辺で あの人と踊ろう」という一節がある。
初めて耳にした小学生時、どういう方向から解釈しようと意味の通らない変てこな歌詞だなぁ と首を傾げずにはおれなかった。
そして自分は、マッシュポテトが好物なだけに、その変てこな詞は、ずっと グラタン皿の縁にこそげ取れずに乾き残る淡い白ささながらに 頭の端にこびりついていた。
それが ダンスの形体の一つ---ツイストでノリにノッた時に片足でクイックイッとやるあれだと知ったのは、三十歳を遥かに過ぎてからだった。

よく、街のイベントで、巨大カレー 巨大パエリア 巨大ピザを作ってみんなで食べよう! なんていうのがあるが、もしも 巨大マッシュポテト作りを催すのなら、やはり、大人もすっぽり隠れるほどの大ボウルの中、白いゴム長でクイックイッとこさえていただきたいものである。
勿論、ゴキゲンな50Sにノッて。

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ブルースに疎いぼんぼちによるブルージーなモノローグ・Ⅱ  [音楽雑記]

ブルースが好きだけれど疎い あっし・ぼんぼち、無手勝流に 日本のブルースをカラオケでも愉しんでおりやすが、プロの先生に就いて---あくまで素人の趣味という範囲で---ボーカルレッスンを受けようと考えたことが無かった訳ではありやせん。

あれは、十年近くも前になりやすでやしょうか----
先生に就いてレッスンを受けたい という気持ちがつのりにつのっていたあっしは、知人の薦めで、とあるボーカル教室の門を コツコツと叩きやした。
「ボーカルレッスン教室○○(教室名)
すべてのジャンルをお教えいたします
趣味のかたから本格的にプロを目指すかたまで
カラオケコンテスト、プロ登竜門のオーディション輩出者多数」

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----好きな曲を選べるなら やはり憂歌団とサウストゥサウスのものをテキストとして扱ってもらえたら嬉しいな! とか
あっしは ブルース好きとはいうものの ブルースについて何を知っている訳でもないので---ブルース史を書物とDVDで読み観しただけ---音楽理論も一から教わりたいな!! とか
ボーカルの発声法自体 学んだことが無いので---自分が知っているのは、芝居の発声法の内の二種類に過ぎない---歌唱のほうの腹式呼吸も身に付けたいし、ポップス辺りとは声の出し方が違うので、喉の使い方、口の開き方などなど、基礎からしっかり吸収したいな!!! とか
軽く握った拳からは、期待と学びたい心が 尻尾をつけたたくさんの音符のように溢れこぼれやした。

「こんにちは! お電話くださっていた ぼんぼちぼちぼちさんですね!」
とても感じのよい穏やかな笑みの六十歳くらいの男性が 迎えてくださいやした。
どうやら このかたが先生で、ここは先生お一人で営られている私塾のようでやす。
潤滑剤的な世間話をちょっと振られた後、歌唱は習ったことはあるか? 譜面は読めるか? と聞かれたので、歌をお習いするのはまるで初めてで、譜面は、子供の頃 ピアノとバイオリンを習っていたので 読めます、と答えやした。

そして先生は ますますの笑みで、「では・・・・」と まっすぐにこちらに向かれやした。
「では・・・・どんなジャンルの歌が歌いたいですか?」
あっしは、前のめりに 負けないくらいの笑みを返しやした。
「ブルースですっっっ!!!」
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と----、先生のお顔から 瞬時に笑みが失せ、目がまんまるになりやした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブルースって・・・・・・・何ですか?」
「???!!!」
「・・・まさか、淡谷のり子が歌いたいってわけでは・・・・・ないんでしょ?」
「・・・・・・・・・・・は・・・・・・・・・・・い・・・・・・・・・」
「歌手だと、誰ですか?」
「憂歌団とか サウストゥサウスとか・・・」
「ユウカ・・・サウ・・・・・・・・知りませんねぇ。 何という曲を歌っている人ですか?」
「『シカゴバウンド』とか『おそうじオバチャン』とか『むかでの錦三』とか(諸々挙げる)」
先生、譜面リストを探す。
「・・・・・すいません。 今 仰った曲、一つもありません」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうですか」
「それよりも、ポップス、どうですか?」
譜面リストを渡される。
------それ以前に、発声練習は???

この日と次の週は、ジュリーの「危険なふたり」などを 素人最大限の演技力を動員してノリノリで歌い了え、三週目は、とうに亡くなっている親に も一度死んでもらい とうに亡い実家に永く帰らねばならぬという脚本を用意し、「せっかくプロの先生にお習いできて光栄だったのですが、もう東京には戻れません。 とても残念です」 と、リアリズムのラジオドラマよろしく電話を入れたのは いうまでもありやせん。

こうして、あっしは このボーカル教室により、「ブルーな感情の何たるか」を 身を以って学ばせて頂いた次第でやす。
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          ○次回は、ぼんぼち作詞による「子守り女のブルース」を公開しやす○
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ブルースに疎いぼんぼちによるブルージーなモノローグ  [音楽雑記]

あっし・ぼんぼちにも 「これがダントツに好き!」といふ音楽ジャンルがありやす。
ブルースでやす。
-----といっても、音楽全般に疎いので、ブルースに関しても 「疎いなりに」といったところでやすが。

中学生時代、行きつけの古着屋でよく流れていて、次々と熟(な)れたTシャツや軍物をあてがいつつ「心地いいなぁ」と聴き入ってはいたものの、何といふジャンルの音楽なのか皆目解らず、それがブルースであると明確に認識できたのは、恥ずかしながら 三十代半ばになってからでやした。
それからは、様々な時代・様々な地域・様々な方向性のブルースを、購入したり レコードリストのあるお店でリクエストしたりしてやす。
----といっても、少しづつ少しづつ 牛歩・・・といふより蝸牛歩のペースでやすが。
そんな訳で、まだまだ知らないミュージシャンのほうが圧倒的に多い段階でやすが、今 あっしが 殊に好んで繰り返し浸っているのは 主に以下のものでやす。

起きぬけには・・・
ブルース2.jpg----といっても、低血圧のあっしは、10時か11時くらいに どんよ~りと煎餅布団から這い出すのでやすが----エルモアジェイムスやJ・B・レノアーなど、電気楽器+ノリノリのかん高い声を 「よしっ!今日もがむばるぞっ!!」と気つけにしやす。
----といっても、たいした仕事もしていないあっしに、さしたるがむばる事など ある筈もないのでやすが。

何も予定のない日は・・・
----といっても、こんな日が多ぅございやすが----昼、駅前まで カラオケを唄ひに出掛けやす。 一人ぽっちで。

憂歌団と上田正樹&有山淳司で フリードリンク3時間パック500円を 寸暇を惜しんで使いきりやす。
前奏や間奏中に次の曲を予約入力するのは云ふまでもありやせん。
何故 後奏になってからではないかといふと、ブルースは後奏があっけないほど短いものが多いからでやす。 まるで あっしの友人関係のように。
唄ふのは、ナニワブルースにかぎりやす。
----といっても、あっしが横文字が苦手なので 唄えない以前に字幕が読めない といふのが正直なところでやすが。

夕・・・
ブルース1.jpg帰路で求めたエビスビール&値引き惣菜のナイロン袋を置くや、流すのは ジョンリーフッカー、ライトニンホプキンスの辺りでやす。
電気楽器でありながらもどよ~んとした泥臭さにしゃがれ声も重なり、「よしっ! 今宵も飲むぞっ!!」と 気合いも入りやす。
----といっても、あっしはアルコール分解機能力が低いので せいぜい350の缶二本前後でやすが。

そして 深夜・・・
風呂上りのベッドの上での読書タイムには、ブラインドブレイク、ブラインドレモンジェファーソン、タンパレッドなど、ちりちりとノイズの混じる戦前のものが落ち着きやす。
1960年代以前であればどの時代のブルースもそれぞれに好きでやすが、特にどの時代が と問われれば、あっしは この戦前のものがブルースの中でも一番好きでやす。
----といっても、デジタル最先端のパソコンでCD再生しているのでやすが。
殊に、ここに挙げた三人の戦前ブルースマンは、一度でいいから、ジャズ喫茶にあるようないいスピーカーで レコード盤で 聴いてみたいものでやす。
----といっても、これらを流してくれる戦前ブルース喫茶など あっしの知るかぎり何処にもないのでやすが。

まぁ、あっしはこうして 好きとは云ふものの一生ブルースに疎いままの人生で終わると思いやすが、疎いなりにも これからも末永く 聴き愉しんでゆこうと考えておりやす。
----といっても、明日 車に轢かれて あの世に行ってしまふかも知れやせんが。

ブルース3.jpg

   ○次回は、「ブルースに疎いぼんぼちによるブルージーなモノローグⅡ」を公開しやす○
タグ:ブルース
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