世界一の美女・マリリン・モンローに関する私的考察 [映画・演劇雑記]
みなさんは、世界一の美女というと、誰を挙げますか?
リズ? ベベ? 李香蘭?
ーーー私は、誰が何と言おうと、マリリン・モンローです。
トロリとしたタレ目メイク、ぽってりとした唇、プラチナブロンドに染めた髪、飽満に張ったバスト、キュッとしまったウエスト、プリプリと揺れるヒップ、、、
幾度、彼女の映画やスチルを観ても、惚れ惚れとしてしまいます。
そんなモンローの生い立ちは幸せなものでなく、父はいなく、母親は精神に異常がありモンローを育てられなかった為に、孤児院で育ちます。
ーーー生まれた時から持ち合わせていたのは、その美貌だけだった訳です。
彼女は若くして女優を目指し、徐々に大きな役を手にしてゆきます。
醜く生まれた私としては、「結婚協奏曲」での脇役で、美人コンテストで優勝する美女の役をあてられた辺りで大満足して、「ああ、女優として食ってゆけるようになったし、何より『美しさ』を裏付けする役がまわってきたのだから、これでもう万々歳! これ以上望む事はないわ!」と悦に入るところですが、彼女はそうは思いません。
映画会社のお偉さんと愛のないベッドを共にして、11回も中絶を繰り返しつつも、トップスターを目指します。
「紳士は金髪がお好き」「ナイアガラ」で、見事、主役を射止め、ハリウッドを代表するセクシー美人女優へとのし上がります。
それでも彼女は満足しなかった。
アクターズスタジオに通いメソッド演技を学び、「演技派女優」と呼ばれる事を欲します。
結果、「バス停留所」で、さざなみの如く揺れ動く繊細な演技を披露し、ついに演技派と呼ばれる事にも成功します。
美しさも演技力も持ち合わせたハリウッドを代表する大女優になったのだから、もう他に欲しいものなんてないんじゃないの?と、私なんぞは思ってしまう訳ですが、プライベートでは、彼女は愛を欲し、ジョー・ディマジオ、アーサー・ミラーと、二度の結婚をしますが、二度ともあっけないほど短く失敗してしまいます。
二度も結婚に失敗したら、「あぁ、私って、結婚には向かない女なのね」と結論づけてもいいようなものですが、今度はケネディ大統領の愛人となり、夫人からケネディを奪い、自分が大統領夫人におさまる夢に向かって突っ走ります。
ーーーしかし、彼女は、国家秘密を知り過ぎた女として、事故に見せかけて暗殺されてしまうのです。
モンローは常に、これが手に入ったら次はこれ、と、欲望の果てしない女性で、その理由は、どの地点に登っても、常に精神的飢餓感を抱いていたからの様です。
一言でモンローの一生を語るなら、「美しさのみを与えられて産まれた努力家だったがために、不幸な人生を歩んでしまった女性」という事になるでしょう。
前述しましたが、私なんぞは、醜く産まれ、10代20代になるとますます醜いバケモノの様な顔になり、美しくなる事を人生の第一目標とし、美しくなれればあとは何もいらない、と日々その努力を続け、今現在は、あれほど醜かった顔がこの程度まで来られたのだからこれでいいんじゃない!と納得出来、幸せいっぱいな毎日ですが、それは、私は美しさ以外のものはおおかた与えられて育ったのに対して、モンローは、美しさ以外のものは何一つとして持たずに育ったからに他ならないからでしょう。
人間って、自分に欠落しているものを命がけで埋めて、完全な自分になることで、アイデンティティが満たされますからね。