第3回第4回の演技のレッスンを受けて [リポート]
今日は、2月の末から受け始めた演技のレッスンの、第3回(3月28日)第4回(4月4日)のリポート&感想を書かせて頂きます。
先ず、第3回「ハムレット」。
前半のレッスンでは、「助詞」が台詞に於いて如何に大切か、という事を学びました。
助詞というのは、無論 強く前に出てはいけないのだけれど、ただそれだけではなく、弱く小さくありつつも 大切に感情を込めて、つまり 助詞で以て感情が如何に伝わるか が違ってくる、という事でした。
ほんとうに巧い役者さんというのは、助詞の使い方のテクニックに非常に長けているそうです。
私が過去に通っていた演技の研究所と朗読の研究所では、いずれも「助詞は強く言い過ぎなければそれでいいです」としか指導されていなかったので、目からウロコでした。
これからは先生のご指導通り、助詞をおざなりにしない様、気をつけて台詞を読んでゆこう! と思いました。
でも、頭では理解できても行うは難しで、出来るかどうか、、、
メインレッスンは「ハムレット」の部分戯曲で、ハムレット作品中最も有名な、「このままでいいのか、いけないのか〜尼寺へ行け!」までを勉強しました。
中、私がダメ出しをされたのは、「台詞中に言葉頭で韻を踏んでいる箇所があるので、そこを韻を踏んでいる事を意識しつつ 観客に心地良く聞かせるように」と、あと、滑舌が悪い事でした。
滑舌の悪さは子供の頃からの強いコンプレックスで、高校生の頃までは、日常生活で、ニ、三度聞き返されてやっと私が何を言っているのか聞き取ってもらえ、毎日 頬の内側と舌を噛んでしまい、いつも口の中が傷だらけになって 血が滲んでいたほどでした。
けれど以前にいた研究所二ヶ所では、ただの一度も滑舌の悪さを指摘された事がなくて、「こんなにこんなにこんなに滑舌が悪いのに、なんで注意されないのだろう???」と 不思議でなりませんでした。
ですから、滑舌の悪さ改善の方法論を乞うきっかけが何も掴めませんでした。
で、今回の先生は、母音と子音の舌の位置まで細かく分析し 教えてくださる先生なので、近いうちに絶対にこの点を注意されるに違いない と予測していたら、あんのじょう、注意されました。
私が、「昔から自覚はあるのですが、改善の方法論が解りません」と言うと、「アナウンサーのように感情抜きで読む練習をすると良いですよ」とアドバイス頂いたので、毎日 アナウンサー読みを自主練する事にしました。
滑舌の悪さは長年の強いコンプレックスであるだけに、時間はかかるかも知れませんが、何としても直したい 自分の中の課題です。
次に、第4回「ロミオとジュリエット2」。
前半は、「振り返る」レッスンでした。
街で見知らぬ人に突然声を掛けられて「はい?」と振り返る。
この振り返り方にも、クビや腕や足、身体全体の動かし方やテンポなどの細かい計算が必要なのを知りました。
あぁ、役者さんというのは、こういう何気ない動き一つにも、細心の意識を込めて演技をされているのだなあと、驚きました。
私はアマチュア映画評論家として、ブログにしばしば映画評(感想文)を綴っていますが、これまでは 劇映画であっても、監督 脚本 編集 キャメラの目線からばかり評を書いていて、役者さんの演技については一つもふれない、主役の役者さんの名前すら出さない評論が殆どだったので、これからは もっと役者さんの演技に注目して、演技についても書いてゆかなければ役者さんに失礼だな、と思わずにおれませんでした。
メインのレッスンは、第1回の「ロミオとジュリエット」でやらなかった部分で、今回は誰もが知る バルコニーでの密会の場でした。
私がダメ出しされたのは、ロミオの台詞のワンセンテンスの中に「傷」という語が二つ出てくる所の「傷」を、韻を踏む様に という事と、ロミオの台詞とジュリエットの長台詞で、心情的にテンションが上がってくる件りで「慌てないで!」と注意されました。
あぁ、登場人物の心情がテンションが上がっても、そんなに早く読んではいけないんだな、これからは気をつけよう!と心しました。
又、「ハムレット」の日に先生にアナウンサー読みをすすめられたので、「この一週間、毎日 必死にアナウンサー読みをしました」と言ったら、「そんなにやらなくていいですよ、週一回くらいで」というお答えが返ってきたので、週一のペースでアナウンサー読みの自主練をする事にしました。
「ロミオとジュリエット」の部分戯曲も、テキストが送られてきて当日まで4日間あったので、3日間をアナウンサー読みに費やして、4日目の1日だけを感情を込めた自主練をしたのですが、次回からはテキスト戯曲も、アナウンサー読みは最初の1日だけでいいのかな?と思いました。
私はこのレッスンに通っていると、中学生に戻れた気持ちになります。
というのは、中学一年で衣裳係りだけをやりたくて入った演劇部で、高校生の先輩(中高一貫の学校だったので)に、演技の基礎レッスンは部員全員がやる事を強いられ、コーチを呼ばずに先輩が後輩を指導する形を取っていたのですが、「先輩達って、演技の事何も知らないで、間違った事ばかり教えてるんじゃないか???」という疑問を常に抱えていて、プロのコーチに正しいメソッドをビシビシ指導して頂けたらどんなに気持ちがスッキリするだろう!と思い続けていたからです。
その 中学一年からの夢が、ようやっと今、こういう形で叶ったのです。
私の人生は、前半、マイナスばかりでしたが、後半になって自由を獲得できた為に、一つ また一つと、何十年もかけて、人生前半の取り戻しをしてきています。
それが今、私が生きている目標です。
そして、あれもこれも、もうおおかた、取り戻しが出来ました。
こうして、納得出来る先生に演技のレッスンを受けられる事が、人生 最後の取り戻しになっています。