ゆう子ちゃんの髪の毛 [独り言]

幼稚園時代、大の仲良しの女の子に ゆう子ちゃんという子がいた。
ゆう子ちゃんには、気心が知れて心を許せたというだけでなく、私はゆう子ちゃんに、ある憧れを抱いていた。

それはーーー
ゆう子ちゃんは、色素が薄く くるくるふわふわの天然パーマだったからである。
私は、カラスの様に真っ黒で ツンツンにまっすぐな直毛で、その事を幼心にも非常に劣等感に思っていた。
私と真逆の髪の毛を生まれながらにして持っているゆう子ちゃんは、なんて 儚げで可愛らしいのだろうーーーと。

私は何か理由をつけて、ゆう子ちゃんの 色の薄いふわふわの髪に触れてみたくて仕方がなかった。
しかし、その理由付けは、幼稚園児の私には思い付けずに、叶わぬ夢と了ってしまった。

今、ゆう子ちゃんは何処で何をしているのか まるで知る由もないが、色素が薄くてくるくるふわふわの天然パーマは、今以て 私の憧れであり続けている。

そういう髪の毛のかたを見ると、触れてみたい衝動にかられてしまう自分がいる。

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