義務教育の科目に「演技」を! [映画・演劇雑記]

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私は、三十代後半から四十代前半にかけて、某演劇研究所で演技のレッスンを受けていました。
現代の演技のレッスンというものを受けて、強く思った事があります。
それはーーー
「演技」を義務教育の科目の一つに入れるべきだ。
です。

何故そう思ったかというとーーー
現代の演技の基礎レッスンというのは、発声練習をしたり 台詞を読んだり 柔軟体操をしたり という以前の段階で、人間として生きるに必要な 基本的な事を培う事をやるからです。
具体的な例を挙げるとーーー
一人づつ、他のレッスン生の前に立って、他のレッスン生は、前に立っているレッスン生を取り囲んでじーーーっと見る。
立っているレッスン生は、目を伏せたり 腰が引けたりせずに、堂々と前を向いたまま立っていられるか、を試す。
二人が椅子に座って他愛もない話しをして、後、他のレッスン生に、「この人は、どういう人格・性格に感じられましたか?」「こちらの人は?、、、」と問い、自分が他者からどう見えているか、を知る。
二人で向き合い、先ず、三十センチ離れて呼びかけ合う、次に一メートル離れて呼びかけ合う、その次にはニメートル、その又次には、レッスン室の端と端から呼びかけ合い、距離に相応しい声が出ているか、を確認する。
ーーーなどです。
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よく買い物をしていると、会計時に、不機嫌顔で目を伏せたまま、聞き取れない小声でボソボソと、客に伝えなければならない事を発する店員がいます。
接客の基本は、笑顔でお客様の目を見て、お客様に伝わる声の大きさと滑舌で言わなければなりません。
又、客側の立場として、酷く店員さんに失礼な態度を取る人がいます。
以前 友達になりかけていた人は、私には優しい言葉使いと態度なのに、中華料理屋さんでビールを追加注文した時に、私に顔と身体を向けたまま、ビール瓶を持った片手を背中のほうに伸ばして、「ビールーっ!!!」と、怒鳴りつける様な口調で注文していました。
私はその態度が余りにも礼儀に欠けるものだったので、結局、その人と友達になるのを止めてしまいました。

こういった言動は、小中学生の時点で、前述の、コミニュケーション能力を培う学びをしていれば、起こす人は殆どいなくなると思われます。

コミニュケーション能力を培うレッスンが了ったら、「誰か別の人物になってみる」レッスンに入ります。
他者を疑似体験するという事は、他者の感情を理解する事です。
つまり、それには先ず、他者の、目の色や動きや 口調や 身体の動きや 呼吸で、他者が今、どういう感情になっているか、を読み取れなくてはなりません。
人の中には、他者の感情が、ハッキリキッパリ言葉で伝えないと、何一つとして察する事が出来ない人がいます。
相手が大激怒して初めて、「えっ?、、、怒ってたの?」と驚いたり、大号泣して初めて、「そんなに辛かったなんて、ちっとも解らなかった、、、」と ポカンと言ったり。(私の一度目のダンナが、まさにそういう人でした)
これも、他者の感情を読む訓練をやっておけば、こんな大人は出来上がらずに済む訳です。

これらの理由から、「演技のレッスン」は、人間としての基本中の基本の、人間として生きるに必要不可欠の、大切な学びだと思わずにおれないのです。
文部省さん、義務教育の科目に「演技」を、どうか導入して下さい!!

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