春物ワンピースと接客上手な店員さん [独り言]

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昨年暮れ、映画を観るまでの時間つぶしに 吉祥寺のパルコの服屋のフロアを見るともなしに見ていたら、その中の一店で、なんと!「まさに、こういうワンピースが欲しかったのよー!」という一着に出逢えました。

試着をしてみると、これまた、サイズも色・柄も、今の私にピッタリシックリで、まだ初春の肌寒い時期には、臙脂色のパーカーをジッパーを上まで上げて 甘辛ミックスで、もう少し暖かくなって、パーカーが必要なくなったら、帯締めをベルト代わりにウエストに巻いて 和のテイストを含んだ70年代フォークロア調でいこう!と コーディネートも瞬時に決まりました。

お店には20代の若い女性店員さんが一人おられ、試着中にとても感じ良く同調してくださり、ワンピースを包んでくださり、会計を済ませました。
「どうも、ありがとうございます!」

と、ここまでは、たいていの店員さんがなさる接客ですね。
たいていは、会計が済んで売り上げが取れたら、ハイ、サヨウナラ なんですよね。
ところが! その若い女性店員さんは、最上級に感じ良く 延々と色んな世間話を振ってくださったのです。
私の赤い髪色について、私が住んでいる街について、ご自身が住まれている街について、私がブログをやっている事について、等々々、、、
そのいずれも、通りいっぺんの薄っぺらなご挨拶感ではなく、かといって、根掘り葉掘りの深すぎるプライベートの侵害でもなく、最適な精神的距離感で、ずいぶんと年上の私と、対等に会話のキャッチボールをなさったのです。
しじゅう、満面の笑顔を絶やさずに!
私も思わず満面の笑顔になり、最上級にハッピーな気持ちになったと同時に、「この店員さんは、なんて優秀で接客上手なのだろう!!」と大感激し、彼女の能力に感服しました。

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ーーー実は私も、高校卒業前の2ヶ月間、服屋で店員のアルバイトを経験した事があるのですが、とてもとてもお客さんと世間話が出来る能力などカケラも無く、売り上げを上げるのみにいっぱいいっぱいでした。
だから、服屋の店員という仕事が、どれほど難しいか、身を以て解っているのです。

又、これまで自分が客として訪れた服屋で、いい歳をした中年でありながらも、世間話が出来ないどころか、笑顔の一つも「いらっしゃいませ」の一言も無い無能な店員も、数え切れないほど見てきました。

「接客の能力って、年令じゃないんだよな」
私は、他の業種の接客業の店員さん達にも、常々そう感じてきましたが、今回、彼女の接客で 改めて痛感しました。

接客上手な店員さんには、以下の共通点を認識しています。
一、基本的に、人間が好きだという事。
二、相手の気持ちが解るという事。
三、学歴等とは別の、いわゆる「人間としての頭の良さ」を持ち合わせている事。
です。

これは、ある程度は努力して補える部分もあるでしょうが、生まれ持った天性の才能というのが、大きいのではないかと察します。
そして、この才能を持って生まれてきた人というのは、人生の中での、非常に重要な能力を持って生まれたという事になる、と思わずにおれません。

私の一度目のダンナ等は、早大の心理学科を卒業した40代だったにも関わらず、4年間一緒に暮していても、私の感情が何一つとして解らず、離婚する時の最後の言葉が、「ぼんぼちちゃんの気持ちは、なんにも解らなかった」でした。

今、このワンピース、自室に吊るして毎日 眺めています。
私の気持ちは、二重の意味で、すでにポカポカの春の陽気です。

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