フィズの中でスタンダードなもの [洋酒・カクテル]
スピリッツ又はリキュール+レモン果汁+シュガーシロップをシェイクして 氷を入れたタンブラー又はコリンズグラスに注ぎ クラブソーダで満たしたカクテルを「フィズ」と呼びます。
ですから、どんなスピリッツ リキュールで作ろうが、フィズは出来る訳ですが、主に飲まれているフィズというのは、限られています。
理由は、言わずもがな、それらがフィズ向きで、そうでないものがフィズにしない方が美味しいから といったところでしょう。
という事で、今回は、フィズの中で一般的に飲まれているスタンダードなものを、ご紹介します。
ジンフィズ
カカオフィズ
バイオレットフィズ
スロージンフィズ
ルビーフィズ
ゴールデンフィズ
シルバーフィズ
ロイヤルフィズ
です。
先ず、ジンフィズは、お酒を飲まない方でもご存知な スタンダード中のスタンダードなフィズですね。
ネーミング通り、ベースはジンです。
カカオフィズは、カカオリキュールをベースに作ります。
バイオレットフィズは、パルフェタムールという スミレの花から香りを移し取った 美しい紫色のリキュールがベースです。
これらのフィズは、オーセンティックなバーでは無論、昔も今も、バーテンダーさんが何の躊躇もなく 注文が入ると出してくださるフィズですが、純喫茶(この場合の純喫茶とは、最近よく使われている「単に古い喫茶店」という意味ではなく、特殊喫茶があった時代の、つまり1960年代の「純然と飲食を愉しませる喫茶店」という本来的な意味での純喫茶です。 1970年くらいに特殊喫茶は絶滅しますので)に必ずといっていいほどメニューにあった フィズ三兄弟です。
1960年代、私はまだ幼い子供だったので、大人達が美味しそうに傾けるそれらのフィズを「アタシも大きくなったら飲みたい!!」と憧れの眼差しで見上げていましたが、自分が酒が飲める年齢になった時代には、フィズがメニューに記載されている喫茶店は、残念ながら 極めて稀になってしまっていました。
次に、スロージンフィズ。
これは、スローベリーという赤いベリーをジンに漬け込んで作った スロージンというリキュールがベースのフィズです。
爽やかな軽い赤色が目にも愉しいフィズで、甘酸っぱく アルコール初心者の女性にもオススメの一品です。
それから、ルビーフィズ。
これは、前述のスロージンフィズに、シェイクの段階で、グレナデンシロップと卵白を加えたものです。
卵白は、ねろ〜んとしているので、最初にシェイカーの中でバースプーンの先で以て、チャッチャッチャッチャッと ねろ〜んを切る必要があります。
甘く シェイクされた卵白がほわっと、口当たりも優しいフィズです。
最後に、ゴールデンフィズ、シルバーフィズ、ロイヤルフィズ。
ゴールデンフィズは、ジンフィズに卵黄を加えたもの。
シルバーフィズは、ジンフィズに、卵白を加えたもの。
そしてロイヤルフィズは、全卵を加えたものです。
ルビーフィズの項でも説明させて頂いた通り、卵白はねろ〜んとしているので、シルバーフィズとロイヤルフィズは、チャッチャッチャッが必須です。
卵、特に卵黄が入ると味がまろやかになるので、ジンをあまり強く感じない 飲みやすいフィズとなります。
以上が、フィズの中でのスタンダードなものです。
デコレーションは、基本的にはスライスレモンを一枚、グラスの中に入れるだけなのですが、私は個人的にはマラスキーノチェリーが好きなので、バーでフィズを所望する折りには、マラスキーノチェリーに切れ目を入れたものを、グラスの縁にちょこんと着けて頂きます。
見た目も華やかになり、カクテル感も上がり、気分も上昇です。
まだまだ、飲みに出掛けたくともバーが営っていない地域にお住まいの方も少なくないとお察ししますが、フィズは難易度の高いカクテルではないので、又、夏向きのカクテルでもあるので、みなさん、お気が向かれたら ご自宅でお作りになってみてはいかがでしょう。