スラングとしての「うそっ!」の語源 [独り言]

20201213_174537.jpg

言葉というものは生き物で、次々と新しい言葉が出現したり、又、同じ言葉でも時代とともに意味が変わったり、同時に二つの意味を持ったりしますね。
そんな中、今回は、スラングとしての「うそっ!」の語源について、私なりにではありますが、掘り下げてみたいと思います。

スラングとしての「うそっ!」の意味をご存知ない世代のかたもいらっしゃるかとお察しするので、先ず、そこを簡潔に説明しますね。

スラングとしての「うそっ!」は、本当に「うそだろ?!」と思っている時に使うのではなく、別の言葉で言い換えをすると、「わ!びっくり!」、そんなニュアンスで使用される言葉です。
例えばーーー
A「ゆうべは11時まで残業しちゃったよ」
B「うそっ!」
A「いやぁ、大変だったね。腹はすくしさー。もうペコペコだったよ」
B「で、何食ったの?」
という様に。

この、スラングとしての「うそっ!」、私の記憶が間違っていなければ、確か、私(1962年生)が高校一年くらいの時に、その世代の若者の間から出現したのだと思います。
その当時は今の様にズバッと短く「うそっ!」と発するのではなく、「うそーーーっ!」と、だらーーーっと延ばして、「びっくりだよーーー!」といったニュアンスで言っていました。
よく教師が「今日の宿題は、ここからここまでの暗記です」などと示すと、私達は一斉に声を揃えて「うそーーーっ!」。
大学を卒業して間もない若い教師でも、私達がスラングとして「うそーーー!」っと言っているのが解らずに、大真面目な顔で「うそじゃない、うそじゃないよ」と、手をひらひらさせたものです。

そして、私達が高三くらいになった時に、「うそっ!」とズバッと発する者がちらほら現れ始め、そのうち大多数の若者が「うそっ!」と言う様になった という流れだったと思います。
20201213_174601.jpg

では、逆にさかのぼって、何故、どういったきっかけで「うそーーー!」が出現したのか、その前身は何なのかというとーーー
あくまで私個人の見聞によるものですがーーー
私達の六つ上の先輩達(私は中高一貫教育の学校だったので、中一の時に一番上の先輩は高三でした)は、驚いた時には、甘ったるい女の子っぽい口調で「うそみた〜い!」と言っていました。
この「うそみた〜い!」は、どうやら、放送局は失念してしまいましたが、ラジオ番組の人気DJにカルメンという女性がいて、カルメンさんはレコードも出していて、番組の中で毎回の様にかかるカルメンさんの曲は、「♪あっあ〜、男はみんな〜、あっあ〜、そうなるの、 あっあ〜、女はみんな〜、あっあ〜、そうなるの」というポップなメロディーで、その後に ロマンチックに甘えた口調で「うそみた〜い!」という台詞で〆められるのでした。
先輩達は、カルメンさんを真似て、日常生活の中でも、驚くたびに「うそみた〜い!」を使っていた様でした。

ですから、現在 だいたい六十才以下の人であれば、ツーカーで通じるスラングだと、私は感じています。
先日も、長くかかりつけにしている 世間話も言い合える仲になっているお医者様に、ここ一ヶ月の症状を話すと、私より五才ばかりお若い先生は、「うそっ!」と仰ったくらいです。

以上が、私なりの、スラングとしての「うそっ!」の語源の掘り下げですが、あくまで、これは私一人の考察ですし、又、語源というのも一つではない場合も多々あります。

みなさんの中に、「私が知ってる『うそっ!』の語源はこうだよ」、あるいは、「このスラングの語源はこうなんだよ」と ご存知のかたがいらしたら教えていただけると、大変参考になります。
20201213_174537.jpg

nice!(230)  コメント(57) 
共通テーマ:映画