クサカリさん [独り言]

十五年ほど前ーーー
ちょっとした用件があり、某会社に電話をかけた。
電話に出られた方は「ぼんぼち様の担当は、クサカリという男性社員になりますので、弊社へお来しになられた時に、受付窓口で『クサカリ』をお呼び出しくださる様、お願いいたします」と仰った。
クサカリさんという男性社員さん、、、クサカリさんという男性、、、クサカリさんクサカリさん、、、あ!クサカリさん!!
画的なイメージで言葉を記憶する私は、クサカリさんという男性のお名前なら 書きとめずとも覚えていられる、、、と メモをとらなかった。

クサカリさん クサカリさん、、、私は頭の中で、クサカリさんと唱え続けた。

三日後、その会社へ出向いた。
受付窓口で「先日お電話させていただいたぼんぼちと申しますが、担当のクサカリさんはいらっしゃいますか?」
「はい。承知いたしました。すぐにクサカリをお呼びしますので 少々お待ちください」
窓口の方は、快く笑顔を作られた。

「どーもー、クサカリです」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、」
担当のクサカリさん、お相撲さんの朝潮そっくりのお顔と身体つきで、室温はまったく暑くないのに くしゃくしゃのハンカチで顔じゅうの汗を拭き拭き ずり下がったベルトの腹を突き出し のっしのっしと現れたのだった。
ーーーーーーいえ!いえ!いいえっ!! 私は決して、妙な夢やロマンやましてやドキドキ感など、みぢんも抱いてはいませんでしたよっ! 決して決して決して決して!!!!

担当のクサカリさん、愛想よく とても丁寧かつ手際のよいお仕事ぶりで、私の用件をスイスイと片付けてくださった。
クサカリさん、ありがとう!!

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