6月24日(水)の新宿の様子 [リポート]

6月24日(水)、「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」を観に行くために、若干早起きをして、新宿・歌舞伎町に在るゴジラビルに向かう。

am10時。
新宿東口は、自粛期間以前とほぼ同じほどの人出。
歌舞伎町に一歩足を踏み入れると、やはり以前と同じく 危険な匂い立つ怪しげな特有の空気感に瞬時に変わる。さながら異界である。
明け方まで呑んでいたらしき若者達数人が、解散しがたくハイテンションで立ち話をしている様が、あちらこちらに見受けられる。

12:40開演のチケットを、券売機にて購入する。
ゆうに300は入るであろう客席は、残り3席しかなく かなり驚く。
おそらく 客席を一席おきに閉鎖しているためだと憶測する。
券売機のある広々としたロビーに、人は殆どいなかった。

20200630_101551.jpgブランチを摂るためと尺合わせのために、東南口の喫茶店タイムスへ。
自粛以前と同じ人の多さ。ほぼ満卓。
密接して置かれた席は、まびかれてはいなかった。
ブラックコーヒーとホットドッグ。
この店のホットドッグは、ソーセージの下に挟み込まれているキャベツがザワークラウトである所が個性的である。

開演時間近くになったので、ゴジラビルへーーー。
早足で歩いたので、開演20分前に着いてしまったが、既に開場していた。ーーー以前は10分前開場だった。
自粛前はひしめく様に開場待ちの客がいたロビーに殆ど人がいなかった理由が、この時 判った。

指定席に掛け、次々と入る客を観察していると、案の定 席は一つおきに開放され、つまり 千鳥格子状に客を入れていると判った。

本編、始まる。
「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」は、タイトルからも解る様に、1969年に東大内で開催された 三島と東大全共闘によるシンポジウムのドキュメンタリーであった。
TBSテレビが所蔵していたこのシンポジウムの映像に、かつて 楯の会や全共闘に在籍していた人達へのインタビューを織り込んだものであったが、サブタイトルの「50年目の真実」は、客寄せ目的の無理矢理のこじつけとしか感じられなかった。

20200630_101405.jpg三島は、いかにも三島らしいしゃべり口調で 三島なら言うに違いない内容を発しており、この一年半後の自死を予感させる発言もしているのだが、監督は、この部分を「ほら!この時、つまり一年半もの前から、彼は自死を考えていたんですよ!新発見でしょう!!」とテーゼしたかったらしく、ラスト近くでその部分の映像だけを再びまわしているのだが、三島が周到に自死を計画していたのは何年も前からの事だったと、その直後から多くの人物によって いとも簡単に解き明かされていた。
今さら「何が、これが『50年目の真実』なのだ?!」と 失笑しない訳にはゆかなかった。
まあ、三島と東大生達の血気溢るるダイヤローグは、観ていてなかなか面白かったが。

再度 東南口へ戻り、自粛以前 タイムス同様行きつけにしていた名曲喫茶らんぶるで、カフェオレで一休。
天井が高く広い地下席は、先の映画館同様 千鳥格子状にだけ卓を活かしていた。
活かされた客席はほぼ埋まっており、以前通りに 買い物途中に立ち寄り談笑する人や商談で前のめりに向き合う人達で、控え目なクラシック音楽とともに温かな空気が流れていた。

5時近くになり小腹も空いたので、中野の一人でも寛げる居酒屋へ向かうべく、紅色のソファを立った。


nice!(231)  コメント(60) 
共通テーマ:映画