「ああ!馬鹿」 [映画・演劇雑記]

先日、よく行く神保町シアターに「ああ!馬鹿」という映画を観に出向いた。
うだつの上がらないサラリーマンが、そうとは知らずに上司の愛人に惚れてしまったために とんでもない騒動に巻き込まれるブラックコメディである。監督・須川栄三 主演・小沢昭一

私は普段から 飲食店や劇場の受付では、大きく声を飛ばしてしゃべるのだが、今回に限っては、タイトルがタイトルだけに その声では受付のかたを罵倒しているニュアンスになりかねないので、極力 声量を抑えて静かに チケットを所望した。「ああ馬鹿 お願いします」と。

そして そう広くはないロビーの一隅で時間を持て余していると、後から後からチケットを求めるお客さんがやって来た。
私と同じ理由でか 日頃から穏やかにしゃべる人達なのかは判らないが、どの人も皆 私と同じに静かに小声で「ああ馬鹿 一枚」「あー馬鹿 シニアで」「あぁ馬鹿 二名」と言っていた。
受付のかたも不快な思いをせずに 気持ち良く対応にあたる事ができたと察する。

そういえば、昔 弟が 近所のコンビニでアルバイトをしていた時期があったのだがーーー
私が、コンビニの仕事の中で一番大変なのはどんな作業なのかと問うと、
「仕入れ先の業者が来た時、売り上げた商品の商品名と個数を 大声で読み上げなければならないんだけど、その中に駄菓子の『らーめんババァ』っていうのがあってね、『らーめんババァ ○個!』って叫ぶみたいに言わなくちゃならないのが一番恥ずかしいよ。あんな屈辱は他にないよ」と話していた。

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