味噌汁と二人の元ダンナ [独り言]

私は味噌汁が嫌いです。
嫌いだから どういう味噌汁が味噌汁好きにとって美味しいのか さっぱり解かりません。

そんな私が、三十代の時 結婚しました。
自分が嫌いだから味噌汁を作らないでいると、ダンナは「何で味噌汁作ってくれないの? 毎朝飲みたいよ」と懇願してきました。
私が、「自分が嫌いなものはどう作っていいのか解からない」と返すと、「まずお湯を用意して、具が煮えたら顆粒出汁をチャチャッと振り入れて、最後に味噌を入れればいいんだよ。 出来たと思ったら僕が味見して確認するから。 顆粒出汁は、喫茶店の砂糖みたいな小さなスティック状の紙の小袋になったのが売られてるから。」と教えてくれたので、その通りにすることにしました。
よって私は、一口も味噌汁を飲まずに済む味噌汁作りを始めることとなりました。
そんな日々を何年か続けていましたが、そのダンナとは離婚してしまいました。

味噌汁1.jpg

そして四十代になり-----
私は再婚しました。
初めは何も言われなかったので 毎朝パンケーキを焼いてあげていたのですが、何週間か経った時、「朝からこういうものは胃がもたれる。 味噌汁にして~」と口をとがらせるので、私は内心「え~!?またぁ~!?」と 少々うんざりしましたが、一度目のダンナに教わったのと全く同じ要領で、スティック状の顆粒出汁をチャチャッとやって 自分は一口も飲まずに、ダンナに味見をさせて、「味噌が少ない」だとか「味が濃いから水を足して」だのと 言われるままに味噌汁作りをする朝になりました。

と、ある日-----
スティック状のとは別のメーカーで ふりかけの袋と同じくらいの大きさの ジッパーで密閉できるビニール袋入りの顆粒出汁が売られているのを発見し、そちらの方がお買い得だったので それを使い始めました。
味噌汁の出来あがりの味に変わりはないらしく、ダンナはそこには何もふれませんでした。

味噌汁2.jpg

ある朝-----
いつもの様に ぐらぐら具が煮えている小鍋に 袋からチャチャッとやると、顆粒がそれまでの淡い黄土色ではなく なんだか緑色がかっていることに気づきました。
が、ダンナは、「なんか味が変わった」とは言わないので、気にせずに 毎朝チャチャッと続けました。
顆粒は日に日に緑色が濃くなってゆきました。
でも、ダンナは相変わらず何も言わないので、チャチャッとやり続けました。

ある日-----
チャ・・・・で、中の顆粒が出てこなくなりました。
「なくなったかな?」と 袋の中身を覗いてみると、袋の内側には、ビーーーーーーーーーーーッシリと カビが生えていたのです!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう!顆粒緑化はカビだったのです!!
鍋の湯気が袋の中にこもり 温かい湿気をいっぱいに入れた状態でビニール袋を密閉していたのです。

そのダンナとも何年かしたら やはり別れてしまいましたが、顆粒出汁緑化の正体については 最後まで一切明かさなかったのは、言うまでもありません。

味噌汁.jpg

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