ソメイヨシノのさくらんぼ [独り言]
さくらんぼの膨らむ時節である。
中、ソメイヨシノのさくらんぼは食べられないと思っている人がいるようだが、あれはちゃんと食べられる。
特別 目を見開くほど美味というわけではないので、売り物にはならないだけの話である。
アメリカンチェリーのように真っ黒になった頃が食べ頃で、ほのかに甘く かすかに苦い 素朴な味がする。
私は小学生の時、ソメイヨシノのさくらんぼの黒くなる季節になると、休み時間 皆がドッチボールに興ずるのを横目に、仲の良い友人三人と 校庭の隅のソメイヨシノの木によじ登り、さくらんぼを摘んでは食べていた。
物理的な味云々よりも、初夏の陽の下 緑の葉を分けいって 一粒一粒 枝からちぎりとっては口に運ぶ という行為が、子供の私にとっては甘露だったのだ。
食べきれない分はハンカチにふわりと包んで、家に持って帰って食べた。
家にはアメリカンチェリーも佐藤錦も買ってあったが、私には、自分の部屋でこっそりとハンカチを開けて食む 甘苦い小さな黒い粒のほうが、数段値打ちがあった。
中、ソメイヨシノのさくらんぼは食べられないと思っている人がいるようだが、あれはちゃんと食べられる。
特別 目を見開くほど美味というわけではないので、売り物にはならないだけの話である。
アメリカンチェリーのように真っ黒になった頃が食べ頃で、ほのかに甘く かすかに苦い 素朴な味がする。
私は小学生の時、ソメイヨシノのさくらんぼの黒くなる季節になると、休み時間 皆がドッチボールに興ずるのを横目に、仲の良い友人三人と 校庭の隅のソメイヨシノの木によじ登り、さくらんぼを摘んでは食べていた。
物理的な味云々よりも、初夏の陽の下 緑の葉を分けいって 一粒一粒 枝からちぎりとっては口に運ぶ という行為が、子供の私にとっては甘露だったのだ。
食べきれない分はハンカチにふわりと包んで、家に持って帰って食べた。
家にはアメリカンチェリーも佐藤錦も買ってあったが、私には、自分の部屋でこっそりとハンカチを開けて食む 甘苦い小さな黒い粒のほうが、数段値打ちがあった。