母の戦争の話 [毒母]

死んだ私の母は、昭和九年生まれで、小学生の時に戦争を体験していた。
母の住んでいたのは 群馬県の赤城山の中腹の 隣家まで歩いて何十分もかかる寒村だったので、空襲などとは縁がなかった。
村は農業を生業とする家が多い中、母の父は大工だった。

母は私が子供の頃、問わず語りに 繰り返し繰り返し こんな戦争の時の話をしていた。
「食べる物がなくなって野草を入れた粥をたいてると、村の百姓がわざと『へえ、それ、山羊の餌ですかい?』ってイヤミを言いに来やがるんだよ。 ふだんはこっちのほうがいいもん食べてるもんだから これみよがしに。 ふだんは こっちが『どん百姓どん百姓』って馬鹿にしてたのにっ! 百姓は(戦争になっても)食うモンなくならないもんだから、ここぞとばかりにイヤミを言いに来やがるんだよっ! ちきしょう!ちきしょう!どん百姓のくせにっ!!
-----でも前橋の街が空襲になった時は嬉しかったねー。 ウチの庭から下のほうに前橋の街が見渡せるんだよ。 真っ赤に燃えて綺麗だったよー。 ふだんアタシらのことを『田舎モン田舎モン』って馬鹿にしやがる前橋のモンがいーっぱい焼け死んでるって思うと、嬉しくって嬉しくってしようがなかったねー。 ざまぁみやがれざまぁみやがれって言いながら見てたもんだよ。 ざまぁみやがれ!ざまぁみやがれ!!ざまぁみやがれ!!!・・・・・・・・」

写真・赤と黄色の抽象写真.JPG

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青と緑の光 [写真]

写真・緑と青の光.jpg


もう何年も前に、街なかのイルミネーションを 携帯端末をふりふりしながら撮ったものでやす。
加工は、青味と緑色味をほんの少し強めただけでやす。
緑の光と青い光の強弱、画面に対する位置・分量がバランスよくキマってくれたので、作品とすることにしやした。
久しぶりに、抽象的なのを一枚挙げたくなったので、今回アップすることにしやした。

この作品から何を感じてくださるかは、観てくださるかた各々にゆだねやす。


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残雪を蹴って [独り言]

日射しの心地良い午下がり、散歩に出る。
コートの前ボタンを外したくなるほどの暖かさである。
アスファルトの道路の端には、ところどころに 先日の雪が、氷の塊となって残っている。

私は、氷の塊を蹴った。
氷は砕け、私の握り拳大の塊が割れ出た。
私は握り拳大の氷の塊を、戯れに軽く蹴りながら歩き進んだ。
と、気まぐれに 高々と蹴り上げてみた。
氷の塊は、白群色の空に小さくなっていった。

----ストン!
私の足元に、淡いピンク色の蕾をつけたチューリップの球根が落ちてきた。

残雪.jpg

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七輪 [写真]

写真・しちりん.jpg

西荻窪の駅前の 安くて美味しい焼き鳥屋さんの前に置いてあった七輪ふたつ。
別段個性的な写真ではありやせんが、構図がキマったので 作品とすることにしやした。
そしてもちろん、白黒加工にすることに迷いはありやせんでやした。

みなさんは七輪で何を焼いて食べたいでやすか?
あっしは肉好きなので、ジューシーなカルビを たらふくいただきたいでやす。


タグ:西荻窪 七輪
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注文を取りに来なかった店員 [喫茶店・レストラン・カフェ]

私・ぼんぼちは喫茶店マニアで、中学生の頃からありとあらゆる喫茶店の扉を押してまいりました。
喫茶店は、私の最高のくつろぎの場です。
しかし、その喫茶店で 楽しい思いばかりをしてきたわけではありません。
無愛想な店員 つっけんどんな店員 客を小馬鹿にした態度の店員・・・・・
気分の悪いことにも多々出食わしてきました。
中でも強烈に負の印象に残っているのは これです。
----注文を取りに来なかった店員。
そういう店員が、二人いました。

どちらも、私が高校生の時のことです。
まず一人目は------
入店し席につき、店員がお冷やを持って注文を取りに来るのを待ちました。
けれど、いくら待っても来ません。
店員はすぐ見える位置に居て、私はアイコンタクトで「お願いします。注文取りに来てください」と意思表示をしました。
が、店員は、私をはっきりと見ていながら その位置に立ったまま動こうとしません。
私は何度も、アイコンタクトをとりました。
しかし店員は、私を認識していながら動きません。
するうち、店員が動いた・・・・・と思ったら、他のお客さんの器を片付けたりお冷やを継ぎ足したりし始めました。
喫茶店.jpg私は、店員が動きながらこちらを見る度に、アイコンタクトをくり返しました。
それが20分は続いたでしょうか?
近くの席に居た男性のお客さんが、「なんであのお客さんの注文を取りに行かないんですか?さっきから呼んでますよ」と、助け舟を出してくれました。
そこで初めて店員は、お冷やを持ってやって来ました。
けれどその時、「待たせてしまって申し訳ありませんでした」という言葉も態度もみぢんもありませんでした。

もう一人目は----喫茶店2.JPG
二階建ての店の二階席に座った時のことです。
むろん、二階フロア担当の店員はいました。
そこでも前述の店と同じように、何度アイコンタクトをとろうが、お冷やも持って来なければ注文も取りに来ませんでした。
店は、少しも忙しいわけではありませんでした。
アイコンタクトの行為を20分以上続けました。
しかし店員は、こちらを見るものの やっては来ません。
私はついに怒り心頭し、階段をトントンと駆け降りました。
一階のレジの所に店長と思しき中年男性がいたので、「なんでこの店は、お冷やも持って来ないし 注文も取りに来ないんですかっっっ!!」と訴え、扉に手を掛けました。
店長らしき男性は、「お客さん、ちょっとお待ちになってください!」と 慌てた様子で私を引き止めようとしましたが、私は、「もぅいいですっっっ!!!」と 小走りに店を出ました。
今思い返すと、店長らしき男性と一緒に二階へあがって、何故 注文を取りに来なかったのかを問いただせばよかったと思います。
もう一店の店も、「アナタはなんで ずっと注文を取りに来なかったんですか?」と怒ってやればよかったと。

今の私だったら、声を荒げ怒りをぶつけるところですが、まだ子供であった高校生の私には それができる勇気がありませんでした。
それにしてもその二人の店員が、何故ゆえどうして注文を取りに来なかったのか、いまだにさっぱり解かりません。


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紫のアイビー [写真]

写真・紫のアイビー.JPG

新緑の季節に撮ったアイビーをネガ加工したものでやす。
元は、周囲の白っぽいところが黒っぽい色の葉っぱで 紫に出ているところが初々しい黄緑色でやした。
ネガ加工に仕上げたら、なんだか雪の中にあるような感じに見えたので、この時期に相応しいかな?と思い公開してみやした。

アイビーって、生命力強いでやすね。
以前、小さな葉っぱの10センチほどの茎のアイビーの枝先を グラスの水につけて部屋に置いておいたら、根が出て新しい葉っぱも出て、いつまでもいつまでも元気でやした。
おかげで ずいぶん長いこと楽しく鑑賞させてもらいやした。
久しぶりに またアイビーの小枝を手に入れてこようかな・・・・・。


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あくびをする時 [独り言]

あくび.JPG

みなさんは、あくびをする時、手で口をおおってますか?
殆どのかたは「周囲に人がいる時はおおって 一人の時は大口開けてするよ」と仰るのではないでしょうか。
次に、この「周囲に人がいる」は、どの範囲を指していますか?
多くの人は「一緒にいる知人」だけを考えに入れているのではないでしょうか。
つまり、群衆の中に連れもなく出た時は、「一人」と認識しておられるのではないでしょうか。
------駅のホームや信号待ちの交差点など 街なかの群衆の中で、大口開けてあたりはばからずにあくびをしている人を 非常に高い頻度で見かけます。

これは決して 印象のいいものではありません。
見知らぬ人であったとしても、周りの空気を一気に飲みこむぞといった勢いで 顔をひずませ顎がはずれむばかりに大きな口を開けているのを見せられると、「嫌だな」と感じます。
あくびをする側の人は、群衆が匿名の知らぬ人ばかりだから それらの人を「人」と認識していないのでしょうけれど、見せられる側は、「この人はあくびをしているな」と はっきりと見えるわけです。
男性だけでなく女性にもけっこうおられます。
恥ずかしい事です。

この様な恥ずかしい行為は直したいものです。
しかし、見知らぬ群衆を、身近な人と同等の距離の「人」と認識できない以上は、直せるものではないと思います。
そこで、私は、ちょっと視点を変えた ある一つの方法を取っています。
それは-----
日頃から、自室などにたった一人でいる時も、あくびをする時は 手で口をおおうのです。
トイレの中であろうとベットの上であろうと いついかなる場でも、あくびをする時は、手を口にやります。
すると、あくびをしようとすると反射的に手が動き、うっかり群衆の中での恥ずかしい行為に至らずに済みます。

この方法、みなさんも習慣づけられてはいかがでしょうか?

あくび1.JPG

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雪だるま [写真]

写真・雪だるま.JPG

先日の大雪の次の日に 近所で遭遇した雪だるま。
への字の口にまん丸お目目で小首を傾げている様子がユーモラスだったので 思わず撮り収めやした。

雪といえば・・・・・・
あっしは、小学二年から三年になるときに福岡から東京・国立に引越して来たんでやすが、越して来たばかりの頃 国立の学校の同級生から「福岡ってどんなとこ?」という質問をしきりと受けやした。
中でもダントツに多かった質問は、「福岡も雪が降るの?」でやした。
福岡は、九州の中でも一番北だし日本海側なので ちょうど東京と同じくらい降りやす。
子供心には漠然と、九州=暖かい というイメージが強烈にあったのでやしょう。


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無自覚に時間にルーズな人 [独り言]

おかしな人1.jpg

携帯端末の普及で 時間にルーズな人がぐっと増えたように思う。
「メールさえすれば、いくら遅れても構わないのだ」というような。

待ち合わせの時間かっきりになって「○分遅れます」とメールが来る。
○分遅れて相手が来る。
そこには、あらかじめ約束しておいた時間より遅れて申し訳なかった という言葉も態度もみぢんもない。

あるいは、こういう人もいる。
例えば、1時に新宿の紀伊国屋書店の前で待ち合わせをしているとする。
1時きっかりになって「新宿駅に着きました」とメールが来る。
したがって、待ち合わせの場所である紀伊国屋書店前に到着できるのは、1時12分くらいである。
1時12分、相手は、悠然と当たり前の顔をしてやって来る。
新宿駅に1時に到着すれば時間通りに来たことになるとでも思っているらしく、「自分は遅刻をした」という自覚などまるきりないようなのである。

誰しも のっぴきならない事情で遅刻をしてしまう事はある。
しかし、そんな時は「待たせてしまって申し訳なかった」と 平謝りに謝るのが常識である。
けれどここに挙げたような人達は、「自分は遅刻をした」という自覚がないのである。
むしろ、メールで知らせているのだから 自分はきちんとした常識人とでも思っているようなのである。

文明の発達で便利になるのは喜ばしい事だが、文明を巧く正しく活用できずに そこに甘えただらしない人間を生み出してしまうのは憂うべきことである。

おかしな人.jpg

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