シナリオを習っていた時の話し [映画・演劇雑記]

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私は、映画・演劇を様々な観点から勉強し、その方面の造詣を深めたいと思っているので、シナリオ作法の勉強もしてきました。
20年前に 某演劇研究所に入所する少し前、ちょっと通所できる状況になかったので、通信で、某シナリオ研究所で9ヶ月間学び、面談に通える時だけ通い、その間は、週6で1日12時間自主勉強していました。

私が何故、そのシナリオ研究所を選んだかというと、「全てのジャンルをお教えします。 プロを目指す人から趣味として楽しみたい人まで大歓迎!」という謳い文句があったからでした。
私はあくまで アマチュアの趣味として、当時 唯一好きなジャンルだったアート・実験系のシナリオの書き方を知りたくて応募しました。

ところが?!
最初の私のシナリオ作品の先生の添削に、「凝りに凝り過ぎた映像表現で、訳が解らず混乱するばかりです」とありました。
私は、「アート・実験系のシナリオを書いたのだから、映像に凝るのは当然なのになぁ」と理不尽さを感じ、さっそく面談を希望しました。

面談が始まるや、私が「アート・実験系のシナリオを書いたんです」と言うと、先生は、「アートジッケ、、、??? そんなジャンルはありませんっ!!」とヒステリックに否定されました。
どうやら先生は、映画のジャンルに アート・実験系というジャンルがある事を ご存知なかったようでした。
そして先生のお話しを聞いていると、そこの研究所で教えているのは、商業の劇映画だけだという事が判りました。
私は内心、「それならどうして、募集の謳い文句に『全てのジャンルをお教えします』なんてウソを提示するのだろう?!」と 理不尽な気持ちでいっぱいになりました。
けれど、決して安くはない授業料は最初に全額払いだったので、元を取らなければ損!何としても元を取ってやるぞ!と 全く興味のない商業の劇映画のシナリオを書く事にしました。

自分が書きたかったアーティスティックさをゼロにして、ありていの映画のようなシナリオを書いて行ったら、「シナリオというものが解りましたね。 アナタ、是非、城戸賞に応募しなさい!」と強く薦められました。
城戸賞というのは、自分の人生経験を元に起こした商業の劇映画の プロの脚本家の登竜門の賞なのです。
私は、「プロフィールに、『アマチュアの趣味として学びたいです』と書いたのになぁ」と ここでも理不尽な気持ちになりました。

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けれどーーー
私はそのシナリオ研究所で学んだ9ヶ月間は、決してムダだったとは思っていません。
それまでどういう観方をすれば良いのかかいもく解らなかった商業の劇映画の観方というものが解ったからです。

具体的に例を挙げるとーーー
私はそれまで「親が死んで悲しんでいる」という展開に、何故、何の説明もなく「親が死ぬと悲しい」という感情が出てくるのかが謎でした。
親が死んで悲しい人もいれば、嬉しい人もいるじゃないか、それは個人個人違うじゃないか、どうしてそこを説明する件りがないのだろう?ーーーと。
それが、先生のシナリオ作法の教え、つまり商業の劇映画では、世の中の多数派の人達の立ち位置に立って、世の中の多数派の人が疑問に思わない事は説明しなくて良く、世の中の少数派の人の感情や行動には説明が必要 という事でした。
私は、「あっ!そういう理屈なのか! 商業の劇映画というのは、多数派大前提で書くもの・書かれているものなのか!」と大きく気づかされました。

それからは、自分で 大衆ウケするシナリオを書く事もスラスラとできるようになりましたし、自分が観客として映画を観る時にも、「あぁ、これは多数派の人の話しだから、私にはその感情は理解はできないけれど、そういうものなのだ」と 理論的に理解ができるようになりました。

又、私が最初に書いて行ったアート・実験系のシナリオが何故、映像が凝り過ぎているためにダメだと言われたかというと、商業の劇映画のシナリオ(先生の仰るにはシナリオというもの)は、日本の端っこに住んでいる漁村のおじいさんが観ても解るように書かなければならないのがお約束 なのだという事も知りました。

よって 以来、私は商業の劇映画を観ても、その中に面白さや魅力を見い出せ 楽しめるようになり、観たい映画作品の数、前のめりに観られた映画作品の数がどっと増え、私の中で、映画の造詣の幅が、ぐぐっと広がりました。

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我流麺童

自分は映画・映像の勉強をしていないので「シナリオ作法」って言葉自体を初めて知りました。
by 我流麺童 (2022-04-25 06:36) 

伊閣蝶

商業映画の世界では、場面展開などを合理的に進めるために様々な約束事を「当然のこと」のように設定するきらいがありますね。
親が死んだら悲しい、というのもステレオタイプですし、凶悪な犯人が追い詰められて人質を取り「それ以上近づくとこいつを殺す」などという場面では、凶悪犯なくせに「大切な人を殺されたら悲しいだろう」とそれが威嚇的手段となりうると自分自身が信じ込んで使う、ということなども当たり前のように設定されたりします。
私が大好きな映画監督の一人に成瀬己喜男さんがおられますが、助監督などが斬新な考えを示したりすると「そんなことをしたって見物には伝わらないよ」と返したそうです。
観客・お客さんではなく「見物」なのですね。
そういう職人的な気質であっても、生み出された映画は芸術的だと私は思いますが、当の本人は決してそのようには思っていない。
知れば知るほど深い世界だと思います。
by 伊閣蝶 (2022-04-25 09:45) 

英ちゃん

私はシナリオの勉強はした事ないけど、中学生の時に架空の物語を書いて結構クラスメイトに受けてました(;^ω^)
今はもう想像力が低下しちゃったから書けないけどね(;・∀・)
by 英ちゃん (2022-04-25 10:34) 

フヂ

その研究所では、今までアート・実験系のシナリオを
書く人がいなかったんでしょうか。自分の知ってる世界だけが
全てだと思っている先生は残念ですが、そこからも
学ぶところを見い出せるぼんぼちさんがすごいです。
by フヂ (2022-04-25 10:52) 

hana2022

映画を観るのは好きですけど、自分でシナリオですか。
日活のATG作品って、アートシアターギルドの略ですよね。その先生、ご存じなかったのかしら?
by hana2022 (2022-04-25 11:12) 

hirometai

ぼんぼちぼちぼち様
商業の劇映画のシナリオというのがあるのですね。
それでほっとするのでしょうか?
写真の色が穏やかでしっとりとしていて今の自分の心に癒しを頂きました。ありがとうございます。
by hirometai (2022-04-25 11:30) 

溺愛猫的女人

ぼんぼちぼちぼちさんのブログがステキなのはいろいろ学んできた成果なんですね(*^^*)
by 溺愛猫的女人 (2022-04-25 11:57) 

Boss365

こんにちは。
商業の劇映画のシナリオ、多数派大前提・多数派の人の話、なる程です。
「日本の端っこに住んでいる・・・」これまた、なる程です。
目から鱗的ですが、納得出来る作り方になってますね。
ところで、逆に少数派の内容を盛り込むと意外性あり・・・
面白くなりそうです!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2022-04-25 13:48) 

猫の友 メルティー

シナリオの世界のことは全く知りませんでした。
ここでも、売れるには市場のニーズに応えることが求められるのですね。「要領」の良しあしで語られるものに非ずかな。
by 猫の友 メルティー (2022-04-25 14:10) 

newton

シナリオは書いたことがありませんが、それが映像になるかと思うと興奮しますね。
by newton (2022-04-25 16:19) 

きよたん

視野を広められてよかったですね
自分の軸はずらさずにいろいろ広範囲に知ることは
ためになると思います。

by きよたん (2022-04-25 16:58) 

拳客

日本の端っこに住んでいる漁村のおじいさんが観ても解るように書かなければならないのがお約束。
これ面白い観方ですよね。
by 拳客 (2022-04-25 17:31) 

kou

あらためてぼんぼちさんって才能豊かなんだなーって思います。
今はネットやゲームなど分野が広がってシナリオライターが不足しているみたいですね。
by kou (2022-04-25 17:50) 

ChatBleu

自分の希望しているものでなくても、褒められるほどの仕上がりで書き上げることができるなんて、ぼんぼちさんは本当にすごいですねぇ。
by ChatBleu (2022-04-25 19:53) 

美美

視野を広げるための期間って大切な時間なんですね。
何事にも無駄は無いと!
by 美美 (2022-04-25 20:18) 

taku1_lily

名を残すなら監督、金を残すなら脚本家なんてぇ話を昔から聞きます
カムカムの脚本家さんは今後の朝ドラのお手本になるらしい
(大家、橋田さんがご存命なら決して表には出ない評価かも?)
ぼんぼちぼちぼちさんのカムカムの脚本の評価はいかに?
興味や路線が違ってたら多謝です。


by taku1_lily (2022-04-25 20:31) 

リンさん

>多数派の人が疑問に思わない事は説明しなくて良く、世の中の少数派の人の感情や行動には説明が必要
なるほどな~と思いました。
説明ばかりだと面白くないですもんね。
それにしても、ぼんぼちさんは勉強家ですね。
by リンさん (2022-04-25 21:41) 

marimo

昨今は、ひと昔前と違い
マイノリティである障害やジェンダーをテーマとした
脚本(映画、ドラマ)も増え注目を浴びるようになりましたね。

by marimo (2022-04-25 21:44) 

naonao

シナリオの世界は知りませんでしたが、商業の劇映画のシナリオ
があるんですね。シナリオの世界も奥が深いですね。
ぼんぼちさんは、勉強家で多才でいらっしゃるので凄いです!
by naonao (2022-04-25 23:53) 

mau

絵画だけでなくシナリオの才能もあるんですね。すごいなぁ。楽しむには趣味にとどめておくというのも共感します。
by mau (2022-04-26 00:51) 

ゆうのすけ

いや~っ難しいですね。
普段ブログを書いている時にも どうして私は簡潔に書くことが出来ないのかなと 何度も書き直したり書き足したりしてるのですが 後で読みなおすと 重くて理解しずらい抽象的な表現が多いなと思うんですね。子供のころに習った起承転結。オチをつけるというのではないんだけれど どうも私は途中で広がりすぎちゃって収集付かなくなるようです。^^;
>日本の端っこに住んでいる漁村のおじいさんが観ても解るように
これって ブログを始めた頃に気をつけていた思い出があります。最近は どうも網にいろんなものが引っかかって取れなくなっちゃってるみたいで・・・。^^;
ぼんぼちぼちぼちさんの記事って 結構文字数はあるんですが上手く纏めることが出来ているので こういうことを表現したいんだなって!伝わってくるんですよね!^^v

by ゆうのすけ (2022-04-26 02:53) 

ヤマカゼ

芸術に秀でた感性の方は、何事にも通じるのですね。
by ヤマカゼ (2022-04-26 06:22) 

mm

おはようございます^^
ぼんぼちさんは人間が出来ていらっしゃる。わたくしもある勉強をしていて理不尽に非難するような添削を入れられて「これじゃ、『あなた勉強する価値無いですよ』って言ってるみたいじゃない?」と腹が立ち、やめてしまったことがあります。
ぼんぼちさんはプラスもマイナスも自分の血と肉となるように考えられるから素晴らしいですね^^
by mm (2022-04-26 06:30) 

KINYAN

何事も興味を持つことが大事だなとぼんぼちぼちぼちさんの体験で思いました(^o^)
by KINYAN (2022-04-26 06:48) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

今回の記事、興味を持って読んでくださるかたは少ないだろうな、と予測していたのでやすが、こんなにたくさんのコメントを、ありがとうございやす。

へい、あっしは仕事にしていた絵画以外は才能はないでやすが、
好きなジャンルのことは、勉強したい意欲が強く、勉強するのが少しも苦にならない、どころか楽しくてしかたがないんでやす。
画家の仕事で、毎日休みなく一日18時間描いていたので、自分から興味を持ったシナリオの勉強を週6で12時間なんて、あっしにとっては、たくさんでもなんでもないでやす。
好きなこと、それを深く解りたいと思ったら、たとえ出来は稚拙でも、勉強することが楽しくて面白くて仕方がないでやす。

「映画を理解する」方法って、レンタルビデオ屋にある映画をすべて観ることではないと、あっしは考えてやす。
映像理論を学んだり、演技のように実践してみないと身体の内側から解らないことがあったり、
シナリオ作法も同じで、自分で実際に書いてみることで、シナリオを読むだけでは理論的に解らないことが、たくさん解って、ほんとうに勉強して良かったと思ってやす。

ただね、人に「シナリオの勉強したいんだけど、どこかいい研究所ある?」って聞かれた時に、あっしがお習いした所は薦めたくないでやす。
理由は、記事本文にも書いたように、2つの「看板に偽りあり」行為をしているから。
アマチュアで勉強したい者は、それ相当の確固たる理由があって、アマチュアを貫いていたいんでやすよ。
あわよくばプロに!なんて思っていない。
アマチュアの道とプロの道って、まるで別のフィールドでやすからね。

と、もう一つ辟易したのは、最初の作品の担当だった、年配の女性講師。
シナリオ作家でありながら、アート実験系を知らないって、あっしも、「えっ?!この先生、ATG知らないの?」って、内心、驚きやしたよ。
そうそう、ATGは、アートシアターギルドの略、通称。
数々の優れたアート実験系の映画を生み出してきやしたね。
で、その女性講師、何から何までヒステリックな物の言い方をするんでやすよ。
百歩譲って、アート実験系を知らないのは仕方がないとしても、「私はそういうジャンルは知りません。とにかくここでは、商業映画だけしかお教えしないので、この研究所では、商業映画だけを書いてください」って、淡々と言えばいいじゃないでやすか。
それを一人でヒステリックになって、キィキィした言い方をする。
先生の納得する作品を書いて行ったら行ったらで「城戸賞に応募しなさい!城戸賞に応募しなさい!」って、あっしが「いえ、私はアマチュアとしてシナリオの構造を知りたくて勉強しているので、プロを目指す気持ちはありません」と返しているのに、2時間の面談時間中ずーーーっと、「城戸賞に!城戸賞に!」って、ヒステリックに声をあげるんでやすよ。
最後のほうでは、エネルギーが尽きてきたのか、ふうふう言ってやした。
ヒステリックにものを教えるメリットって何かありやすか?
あるならすればいいんだけど、あっしは何もないと思うんでやすよね。
こちらは、「あー、感情的になって、常軌を失ってるな」と、しらっとして、淡々と返すだけで。
あのような人格の講師を雇うという点でも、あの研究所はちょっと、、、と感じてやす。

だけど、記事本文にも書いたように、それまで興味がなくてかいもく解らなかった商業映画の理屈が解って、大きな糧となりやした。

そうでやすね、商業映画は、たくさんのお約束事、つまり多数派を納得させて興行成績をあげないと成り立たないから、監督や脚本家も本意に思わないことをたくさんやらなければならないでやしょうね。
それは、過去記事にも書いたように、どんな職業の人も、資本主義社会の外側で生きることは出来ないのだから、食うためにはニーズに答えねばならないんでやすよね。

カムカムについては、あっしは一度もチラとも観たことがないので、何とも言えやせん。
観ていないものは、何の評価もできないので。
でも、世間では、すごい好評のようでやすね。
それだけ日本国中のたくさんの人達を引き付ける脚本を書けるって、すごいことだと思いやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-26 10:28) 

erena

いろいろな事を学ばれていらっしゃるのですね。
芯が通っていて冷静で。
学びたいことがぶれないからこそなのだと思いました。
楽しく感じる事も そのぶれない部分に触れる事なのかなと
感じました。
by erena (2022-04-26 11:22) 

トモミ

何事も経験、ですね!

by トモミ (2022-04-26 14:19) 

yokomi

ちょっと違うかも知れませんが、禍転じて福となす.....といった感じかと(^_^;) いろんな「学び」は、どこかで役立つものなのでしょうね(^_^)v 私も勉強しなくちゃ(^_^;)
by yokomi (2022-04-26 14:29) 

藤並 香衣

ヒステリックなものの言い方をする・・・
うちの姑がそれの典型です(^^;)
ちょっとしたことで感情的になって冷静さを失うので、基本放置です
お金を出して習っているところでそれはイケませんね
by 藤並 香衣 (2022-04-26 14:57) 

Take-Zee

こんばんは!
すごいです、いろんなことを勉強されて。
私なんかボーっと生きて来たようでお恥ずかしい。

by Take-Zee (2022-04-26 19:06) 

サボテン

「決して安くはない授業料」を先払いしてしまったとの事、はらはらしながら読んでいったら、最後に「映画の造詣の幅が、ぐぐっと広がった」という自覚があったとの事、私も我が事のように安堵しました。学んでやろうという意気込みが結局成果を生み出すんですね。良い勉強になりました。ありがとうございます。
by サボテン (2022-04-26 20:19) 

さとし

学校の授業も、目的をもってうけていたら、きっといろいろな面で活きてきたんでしょうね。
やはり目的というか、夢があるって人を成長させるんでしょうね。
by さとし (2022-04-26 20:37) 

八犬伝

やはりヒステリック系な女性講師でしたか
なんか、読んでいくうちにそうなのかなと思い読んでいました。
でも、なるほどな
多数派と少数派か
この考え方は勉強になりますね。
by 八犬伝 (2022-04-26 21:33) 

werewolf

私は割と実験的な映像表現も見てきたので、
ぼんぼち様の映像化したものもぜひ観たいと思いました♪

by werewolf (2022-04-26 21:56) 

JUNJUN

アート・実験系というジャンルは、私もぶっちゃけ判りませんが(汗)・・・。
しかし普段見ているものが、商業用という一ジャンルに過ぎないことがよくわかりました。
それにしても研究所の先生、けっこうな上から目線ですね(笑)。
by JUNJUN (2022-04-26 23:11) 

Ja-Kou66

「アート・実験」というジャンルはわたしも初耳でした。
自分が思っていただけの分野ではなく
やらなければ知らないままだったこともあったり
開眼したり幅が広がるということもあるのですね。
by Ja-Kou66 (2022-04-27 00:21) 

ツツピーツツピー

知るという事は素晴らしいですね。
一応 "生涯学び" と思っている私は自分が臆病であることに
気づいてしまった時から足がすくんでいます^^;
by ツツピーツツピー (2022-04-27 09:02) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

へい、まさにこの研究所を選んだことで、「災い転じて福」となりやした。
もしも一作毎の授業料払いだったら、途中で辞めていただろうし、したがって今でも、商業映画には興味が持てずに理解が出来ずに、レンタル屋に行っても「観たい映画がない〜、面白いと思える映画がない〜」ってぼやいてたと思いやす。

そう、商業映画というのは、数ある映画ジャンルの一ジャンルなんでやす。
でも、あまりにも世の中に商業映画の数が多いために、多くの人は、映画=商業映画 だと思われているようでやす。
いや、一般の方がアート・実験系の映画があるという事をご存知なくても、それは別に恥ずかしい事でもなんでもないんでやすよ。
だけど、プロの脚本家という人が知らないというのは、ちょっと、、、と大きく疑問を感じてしまいやす。

そうでやすね、ヒステリックな人は困りやすねぇ。
しかも、ものを教える立場の人がそうとは、、、
ああいう人って、こちらが冷静で淡々としていると、よけいに気に食わないんでやしょうか?
一人でぐんぐんボルテージあげてきて、最後は目を吊り上げてふう〜ふう〜、って様子でやした。

うん、あっしは様々なことを学んでいる、といっても、それは全て、映画・演劇に関することばかりなんでやすね。
仰るとおり、芯はぶれてない。
一番好きな映画ジャンルは、アート・実験系、一番好きな演劇ジャンルは、アングラ。
その芯はぶれることなく、映画演劇にまつわることをあれこれ学んでやす。
実践でお勉強したことがあるのは、シナリオと演技の他には、朗読と16ミリ映写機の扱い方。
机上の理論として講義を受けるという形で学んできたのは、世界実験映画史、インスタレーション、日本の近現代演劇史、現代日本の主な劇作家について、舞踏の何たるかについて、演技論、演出論、映像理論、舞台メイク法、安部公房の演劇の仕事、チェーホフについてのシンポジウム、舞台装置の仕事について、と、まあ、こんなところでやす。

そうでやすね、自分で映画、一本くらい作ってみたいでやすね。
今はスマホで映画が作れる時代でやすからね。
作るとしたらやはり、松本俊夫先生のアートマンや伊藤高史さんのスペーシーのような、10分くらいの尺のスチルアニメーションを撮りたいでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-27 09:09) 

sara-papa

映画や演劇のシナリオって、どういうふうに書くのだろうって前から思っていました。
実は中学生の時に、八ミリ映画を仲間たちと撮ったんですよ!^^;
by sara-papa (2022-04-27 12:45) 

drumusuko

ぼんぼちぼちぼちさん、とても勉強家で尊敬します^^。
絵画もシナリオも創造の世界、芸術的センスがないとできませんよね~。今回もシナリオの奥深さ、少し理解したような気がします(^^♪。
by drumusuko (2022-04-27 15:11) 

sakamono

何事も学んでみて初めて分かることってありますものね。
元を取るため、というのは当然ですが、それも後から考えると
よい経験だったということですものね^^;?
by sakamono (2022-04-27 17:27) 

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
ぼんぼちぼちぼち さんはホントに多才ですね。
アート音痴の僕は羨ましい限りです。
by johncomeback (2022-04-27 20:04) 

ぼんぼちぼちぼち

sara-papaさん

中学生の時に8ミリ映画を作られたとは、羨ましい!
当時は、8ミリであっても、けっこうお金がかかりやしたよね。

シナリオの作り方はーーー
先ず最初に、テーマを決めやす。何を伝えたい作品なのか、それが一番大事なので。
次に、起承転結に相当するおおまかな構造を考えてゆきやす。(それをくくる線が箱のようになるので、箱書きと呼ばれやす。)
それから、台詞とト書きに入り、細部の、この人物像ならこういう言葉を使うな、とか、ここは感情を行動で表せるからそうしたほうがいいな、とか、を決めてゆきやす。
ちなみに、演劇の場合は、戯曲と呼ばれ、幕、場、に分けて書かれやす。
映画やドラマの場合は、シナリオ 脚本と呼ばれ、柱と呼ばれるシーン毎に分けて書いてゆきやす。
例えば、○喫茶店カトレア  ○太郎の部屋 というように。
これは、喫茶店カトレアのシーンならそのシーンをまとめて撮ってゆきやすいようにでやす。
ちなみに、柱を変えるのは、大きくキャメラ(撮影機材一式)を移動させるかどうかで、分けてゆきやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-28 09:13) 

ぼんぼちぼちぼち

drumusukoさん

いやあ、好きなことなので、勉強するのは苦にならない、どころか楽しくてしかたがないでやす。
そうでやすね、絵画もシナリオも(特にアート実験系のは)仰るとおり創造の世界なので、共通する部分は多いでやすね。
ただ、どう書けばよいかの理屈はすぐに解っても、筆とペンでは手段が違うので、言葉の扱い方に最初は戸惑いやしたが。
シナリオ作法を学んだことは、今こうしてブログで散文を書くことにもおおいに応用できて、ほんとに学んで良かったなと、思ってやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-28 09:24) 

ぼんぼちぼちぼち

sakamonoさん

机上で理論をノートをとりながら勉強するのと、実践でやってみるのとでは、理解の深さが格段に違いやすね。
今は、演技に関して、それを痛感しているところでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-28 09:28) 

ぼんぼちぼちぼち

jhoncnmebackさん

いえいえ、多才ではないでやすよ。
絵画に関しては、何の努力もしなくても美術学校で学年トップの成績で、その後プロになったので、才能があったのかも知れやせんが、
映画演劇に関しては、ただただ好きでお習いしているだけでやす。
授業料払えば、誰でも習えやす。

by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-28 09:34) 

Rchoose19

ぼんぼちさんのすごいところはさぁ・・・
否定しつつも自分の中に取り入れて消化しつつ
別のものに昇華させちゃうところですよねぇ~~♪
本当にすごいなぁって思うわ!
先入観もたずに飛び込んで行って学んで
自分なりに高めていくのって
なかなか出来ないことだと思うんですよねぇ~~(#^^#)
by Rchoose19 (2022-04-28 12:35) 

ぼんぼちぼちぼち

アルチューズさん

お褒めの言葉、まことに恐縮でやす。ぺこりっ
そうでやすね、まず、先払いしてしまった授業料がもったいない!元をとらなきゃ!っていう現実的な理由が第一にあったんでやすけどね、
先払いだったために、最後まで学んで、今思い返すと、大きな糧になって、ほんとに良かったでやす。
一番好きな映画ジャンルがアート実験系ということは変わらないのでやすが、鑑賞と興味の幅がとても広がりやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-28 12:50) 

あーちゃ

きちんと勉強したことはちゃんと身になるんですね。頭が下がります。
by あーちゃ (2022-04-30 16:52) 

ぼんぼちぼちぼち

あーちゃさん

ここの研究所、アート実験系は教えていないと知った瞬間は「しまった!」と思いやしたが
今思い返すと、幅広く勉強することの大切さを実感してやす。
ちなみに、二作目の課題の担当の先生は、冷静で好感の持てる先生でやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-04-30 17:44) 

そらへい

シナリオ講座、面白そうですね。
シナリオを勉強することによって、
劇映画がどのように作られているかわかるようになると言う
副産物もあったのですね。
by そらへい (2022-04-30 21:46) 

あずき

最初は無駄のように思えたことでも
結局いい経験だったんですね(^^)
いろんな映画を楽しめるようになれてよかったですね♬
by あずき (2022-05-01 20:59) 

ぼんぼちぼちぼち

そらへいさん

そうなんでやす。
なので、あっしが以降、商業の劇映画を観る時は、理論的に分析しながら観られるようになったので、たいていの映画は、たとえ駄作だったとしても、どこがどう悪かったのか、が解って、損はなく感じてやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-05-01 21:26) 

ぼんぼちぼちぼち

あずきさん

へい、ほんとに結果的に良かったでやす。
途中で投げ出していたら、今でも、商業映画が解らずに、
観たい映画がない〜ない〜ってぼやいてたところでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-05-01 21:31) 

暁烏 英(あけがらす ひで)

すっかりご無沙汰です。
79歳にもなると目が上がって、小さな文字の長文は避けるようになってきました。
きょう届いた拡大メガネを使い久しぶりに訪問です。
拝読すると、わたしには全く知らない世界の話ではありますが、商業劇映画は「・・・漁村のおじいさんが観ても解るように書かなければならない」と講師が述べたとありますが、私が学んだノン・フィクションジャンル文章の書き方でも似たようなことをいわれた記憶があります。師の大宅壮一は、「馬鹿な奴ほど難しい文章を書こうとする。当用漢字でわかりやすく書け」と口酸っぱく言ってました。いわゆる一般大衆を意識して書け!っていうことです。物書きも売れなくては生きて行けないからなんでしょうね。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2022-05-04 23:09) 

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