日本実験映画の開花 [感想文]
東京大学総合研究博物館インターメディアテクにて 日本実験映画の開花と題された上映会が催されたので、実験映画好きの私は一も二もなく出向く。
上映された作品は、かつてベルギーの実験映画祭にて発表されたもので、今年 日本とベルギーは友好150周年を記念する という理由から、この催しがなされる運びとなったのだそうである。
上映された作品は、「日本の文様」吉田直哉1961年 「戦争ごっこ」ドナルド・リチー1962年 「砂」高林陽一1963年 「ONAN」飯村隆彦1963年 「喰べた人」藤野一友+大林宣彦1963年 である。
「日本の文様」は、ありとあらゆる日本の古典柄を材に 日本にどれほど意匠を凝らした遊び心溢れる図案があるのかを、寄りや引きやパンや回転を用い映像に仕立てて紹介した作品。
「戦争ごっこ」は、海辺で少年達が山羊を殺し墓を作る様を 詩的でありながらも淡々と描写した寓話。
「砂」は、砂浜にて ダイヤローグなくすれ違う男女のやるせない感情が表現された 抽象作品。
「ONAN」は、性欲をうっ屈させる若い男が突然大きな卵を産む 奇妙な物語。
「喰べた人」は、レストランでものを食う人達とウェイトレスの妄想を コマ抜きや逆廻し等の技法で以って グロテスクかつユーモラスに描いた喜劇。
である。
内、私が殊に感嘆したのは、「日本の文様」である。
動かぬものを元にキャメラの工夫でこれだけ変化をつけて 完成度の高い映像を生み出せる技は 天晴れだと思った。
その変化のみせ方は実に多彩で、これこそ実験映画の醍醐味ではないだろうか と唸らずにはおれず、松本俊夫の「石の詩」にも通ずる感覚と技術を感じた。
以前 研究所で実験映画理論を学んだ時に テキストとして扱われ既に観ていた作品も二作ばかりあったが、改めて 実験映画の面白さ・表現の自由さ・創り手のエネルギーの強さに圧倒されないわけにはゆかなかった。
実験映画というジャンルに惚れ直さずにはおれない 有意義な上映会であった。
上映された作品は、かつてベルギーの実験映画祭にて発表されたもので、今年 日本とベルギーは友好150周年を記念する という理由から、この催しがなされる運びとなったのだそうである。
上映された作品は、「日本の文様」吉田直哉1961年 「戦争ごっこ」ドナルド・リチー1962年 「砂」高林陽一1963年 「ONAN」飯村隆彦1963年 「喰べた人」藤野一友+大林宣彦1963年 である。
「日本の文様」は、ありとあらゆる日本の古典柄を材に 日本にどれほど意匠を凝らした遊び心溢れる図案があるのかを、寄りや引きやパンや回転を用い映像に仕立てて紹介した作品。
「戦争ごっこ」は、海辺で少年達が山羊を殺し墓を作る様を 詩的でありながらも淡々と描写した寓話。
「砂」は、砂浜にて ダイヤローグなくすれ違う男女のやるせない感情が表現された 抽象作品。
「ONAN」は、性欲をうっ屈させる若い男が突然大きな卵を産む 奇妙な物語。
「喰べた人」は、レストランでものを食う人達とウェイトレスの妄想を コマ抜きや逆廻し等の技法で以って グロテスクかつユーモラスに描いた喜劇。
である。
内、私が殊に感嘆したのは、「日本の文様」である。
動かぬものを元にキャメラの工夫でこれだけ変化をつけて 完成度の高い映像を生み出せる技は 天晴れだと思った。
その変化のみせ方は実に多彩で、これこそ実験映画の醍醐味ではないだろうか と唸らずにはおれず、松本俊夫の「石の詩」にも通ずる感覚と技術を感じた。
以前 研究所で実験映画理論を学んだ時に テキストとして扱われ既に観ていた作品も二作ばかりあったが、改めて 実験映画の面白さ・表現の自由さ・創り手のエネルギーの強さに圧倒されないわけにはゆかなかった。
実験映画というジャンルに惚れ直さずにはおれない 有意義な上映会であった。
タグ:実験映画 インターメディアテク
昨日のオフ会お疲れさまでした。
着ぐるみ以外で見るのは初めて(^_^;)
またよろしくお願いいたします。
by green_blue_sky (2017-04-02 07:32)
昨日は打ち上げ会場に待ってらして
いつものぼんぼちさんとまた違った感じ
本当に個性的で素敵な方だと思いました。
面白い記事ですね
実験映画 改めて見てみたいと思いました。
高林陽一監督はお気に入りの監督でした。
砂とONANは特に興味があります
砂は観ましたが忘れてます。
by きよたん (2017-04-02 09:37)
おはようございます。昨日はありがとうございました。
お一人でポツンと座っていたぼんぼちさんに全く気付きませんでした。
「日本の文様」とは、
http://www.sda.nagoya-cu.ac.jp/sa08m13/images/top.html
とか、
http://irohacross.net/2013/07/japanese_traditional_pattern.html
こういうのですよね。箱根細工のような工芸品もとてもきれいで
四季折々の風情とか日本人の美意識が出ていますね。
by kick_drive (2017-04-02 11:23)
昨日のオフ会は、お疲れ様でした。
楽しかったですね~
また、よろしくお願いします。
そう言えば、高円寺以外でお会いしたのも初めてでしたね。
着ぐるみじゃないぼんぼちさんも素敵でした。
by えーちゃん (2017-04-02 12:36)
こんにちは!
素敵なオフ会があったようですね。
by Take-Zee (2017-04-02 17:04)
ぼんぼちぼちぼち さんの紹介文を読んで
どんな映画だろうと、
勝手に想像を巡らせているだけでも
面白そうに思えてきますね。
by そらへい (2017-04-02 20:17)
「日本の文様」はYouTubeで3分ちょっとの「部分」を観ることができました。
和模様を回転させると、妖怪や忍者のアニメのシーンのようです。
1961年の作品ということは、こちらが元でテレビマンガに取り入れられたのかもしれませんね。
by ackylacky (2017-04-02 21:20)
実験映画・・・、というジャンルがあるんですね Σ(・ ・ )!
アタマの中にあるものを出力するって、映像にしても文章にしても、
芸術ですね!!!!
by フサヲ (2017-04-02 22:19)
音楽にもエクスペリメンタルというジャンルがありますが、映画にもあるんですね。
by Flatfield (2017-04-02 22:34)
ぼんぼちさんの記事を拝見して
どんな映画なのか見てみたいと思いました
機会に恵まれると良いのですが・・・
by 藤並 海 (2017-04-03 00:40)
おはようございます。
田舎生活ですとこんなものも見る機会がなくどんどん取り残されそうです、オフ会は今度はどなたのでしたですか、近ければ行けるんですがなんとも致し方ないですね。
by 馬爺 (2017-04-03 10:04)
green_blue_sky さん
お疲れ様でやした。とても楽しいオフ会でやしたね。
着ぐるみじゃなかったんでみなさん しばらくぼんぼちだとは気付かれなかったようで・・・・(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 11:58)
きよたんさん
幹事さんお疲れ様でやした。
昨日は寒かったけど せめて服は春っぽくと バラプリントを着てみやしたf(◎o◎)
高林陽一監督、ご存じだったのでやすね!
実験映画はDVDになっているものも少ないし上映される機会も少ないでやすが
チャンスがあったら観られてみてくださいでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:03)
kick_drive さん
きよたんさんと席がえしていろいろお話できて楽しかったでやす。
着ぐるみじゃなかったから みなさんぼんぼちだと気づかれなかったようでf(◎o◎)
そうそう、そういうのでやす。
で、その文様にぴったりのキャメラの動かし方がなされているんでやすよ。
鶴の文様だと、鶴がしゅーっと飛び立つようにパンされたり うずまきだとぐるぐる回ったり・・・・・と(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:11)
えーちゃんさん
楽しいひとときでやしたね!
そうでやすね。考えてみたら高円寺以外ではお初でやしたね。
これからは他のかたの主催するオフ会に積極的に参加しようと考えているのでよろしくでやす~o(◎o◎)o
一昨日は湿気で髪がぼわぼわだったので ちとお恥ずかしかったでやすf(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:15)
Take-Zee さん
そうなんでやすよ。
あっしは打ち上げの飲み会だけの参加でやしたが
みなさんは早稲田に集合してあちこち歩かれたそうでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:18)
そらへいさん
下のackylackyさんのコメントによると、「日本の文様」はゆーちゅーぶで一部観ることができるようなので 是非!
リチーの「戦争ごっこ」は有名な作品なので、もしかしたらどこかでご覧になれるチャンスがあるかも知れやせん(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:21)
ackylacky さん
ゆーちゅーぶにありやしたか。良かったでやす。
そうでやすね。妖怪や忍者モノのアニメに出てきそうでやすよね。
観ていて、美しさに感心すると同時に なんだかユーモラスな印象も受けやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:25)
フサヲ さん
そうなんでやす。
研究所で映像を勉強すると必ず学ぶジャンルでやす。
CМを観ていると、「ああ、これは実験映画作家○○さんに影響受けて作ったなー」って解ることがよくありやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:28)
Flatfield さん
そうなんでやすよ。エクスペリメンタルシネマ。
型にはまらない自由な発想でとても面白いジャンルでやす。
あっしは音楽には疎いのでやすが、音楽のエクスペリメンタルもちょっと聴いてみたいな と思いやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:32)
藤並 海 さん
上のコメント欄にてackylacky さんが「日本の文様」の一部を観ることができると書いてくださってるので 是非観てみられてくださいでやす。
実験映画は時々、小さな劇場で上映されやすが
あまり大々的に宣伝されなかったりするので、チャンスに遭遇できるとよいと思いやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:37)
馬爺 さん
今回のオフ会は、きよたんさんと向日葵さんの主催でやした。
あっしは早起きができないという理由で 打ち上げの飲み会だけ参加させていただきやしたが
みなさんは、午前中に早稲田に集合されてあちこち散策されたそうでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-03 12:40)
拙ブログへのコメントありがとうございます。
尿酸値が高く「痛風」と診断されて薬を処方されましたが、
実は一度も発症した事が無く「痛み」を体験していません。
僕は「痛み」に弱いので一生体験したくないです(*´∇`*)
by johncomeback (2017-04-03 22:04)
映画の紹介、どれもそれぞれに奥が深そうですね。
日本の文様、繊細な和の美しさが感じられそうな映画でしょうね。
気になるところです。
by アールグレイ (2017-04-04 13:01)
こんにちは^^
映画のことはとんと分からないわたくしですが、日本の文様は気になります。ただその文様を見るだけでも良い。そう言う展覧会でもあれば行ってみたいと思う口です^^
by mimimomo (2017-04-04 18:00)
johncomeback さん
そうでやしたか。痛くなくて何よりでやす。
痛風ってものすごく痛いと聞いていたので。
確か魚卵とかが良くないんでやすよね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-04 20:14)
アールグレイさん
上映された作品はどれも方向性が違って面白かったでやす。
「日本の文様」はほんとうに美しくかつユーモラスでもある映像でやした。
もう一度観てみたいと思ってやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-04 20:17)
mimimomoさん
日本の文様、展覧会があってもいいでやすよね。
日本古来のものを再発見する楽しさは大きいでやすよね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-04 20:20)
「スターウォーズ エピソードⅣ」の冒頭でスターデストロイアーが登場するシーン、モデルシップを固定して、カメラを後ろに動かしながら(飛行しているように)撮影していましたね(^^;;
by 風来鶏 (2017-04-05 16:28)
風来鶏さん
すいやせん、そういう系の映画はあっしは観ないので解からないでやす。
キャメラワークが秀逸だったのでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-05 20:28)
「日本の文様」は、武満徹さんが音楽を担当していましたが、実に刺激的な映像でした。
映像と音楽とのコラボレーションは、二次元あるいは三次元という世界を遥かに超えていく刺激的な表現があります。
こうした上映会が企画されることを本当に嬉しく思います。
by 伊閣蝶 (2017-04-27 23:43)
伊閣蝶 さん
へい、ほんとに有意義な上映会でやした。
「日本の文様」は武満徹さんの音楽があってこそ あそこまでクオリティの高い作品になったのだと大きく頷けやすね。
古典と前衛を巧くシンクロさせた映像と音楽・・・・・もう一度鑑賞したい作品でやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-04-28 11:44)