ぼんぼち版・うさぎとかめ [小説]
へろり~へろへろりょぉ~ぉ~
小高い丘から草っ原に、今日も、いつも通りに 当たり前に、生温かぁい風が吹きおろしてやした。
こっくりこくりと居眠りをするうさぎを横目に、一匹のかめが、必死の形相で 追いつき追い越し、丘のてっぺんを目指しておりやした。
息は切れ切れに、四本の足の爪は割れ 血がにじんでやす。
丘のてっぺんにたどり着きやした。
と---、いつか目を覚ましたうさぎも、えへへと頭をかきかき ぺろりと舌を出しながら、いっそくとびに丘に登りつめ、ほぼ同時に ひょいと かめと並んで立ちやした。
が、そこには、遥かずぅっと以前から 着いていた者がありやす。
居眠りをしたうさぎとは別のうさぎでやす。
そのうさぎは、切れた息をととのえつつ 四本の足ににじむ血を舐め、ま白い耳の間には 一等を勝ち得た者にのみ与えられる白つめ草の王冠を乗せてやす。
そして、草っ原の彼方彼方のほうには----
ずんぐりと 黒い石のようなものがありやした。
別のかめでやした。
そのかめは 居眠りをしていたので、いつまでもいつまでも丘から遠ぉく離れた場所に ぽつねんとおりやした。
へろり~へろへろりょぉ~ぉ~
小高い丘から草っ原に、今日も、いつも通りに 当たり前に、生温かぁい風が吹きおろしてやした。
小高い丘から草っ原に、今日も、いつも通りに 当たり前に、生温かぁい風が吹きおろしてやした。
こっくりこくりと居眠りをするうさぎを横目に、一匹のかめが、必死の形相で 追いつき追い越し、丘のてっぺんを目指しておりやした。
息は切れ切れに、四本の足の爪は割れ 血がにじんでやす。
丘のてっぺんにたどり着きやした。
と---、いつか目を覚ましたうさぎも、えへへと頭をかきかき ぺろりと舌を出しながら、いっそくとびに丘に登りつめ、ほぼ同時に ひょいと かめと並んで立ちやした。
が、そこには、遥かずぅっと以前から 着いていた者がありやす。
居眠りをしたうさぎとは別のうさぎでやす。
そのうさぎは、切れた息をととのえつつ 四本の足ににじむ血を舐め、ま白い耳の間には 一等を勝ち得た者にのみ与えられる白つめ草の王冠を乗せてやす。
そして、草っ原の彼方彼方のほうには----
ずんぐりと 黒い石のようなものがありやした。
別のかめでやした。
そのかめは 居眠りをしていたので、いつまでもいつまでも丘から遠ぉく離れた場所に ぽつねんとおりやした。
へろり~へろへろりょぉ~ぉ~
小高い丘から草っ原に、今日も、いつも通りに 当たり前に、生温かぁい風が吹きおろしてやした。
タグ:うさぎとかめ
何故、小高い丘を目差すのかな?
景色がよいからかなぁ~
by Rchoose19 (2013-12-21 07:18)
我が家の近くにも小高い丘があります。
周りは住宅が密集していますが、
一部、見晴らしの良い場所があります。
カメのように、自転車を押してユックリ登ります。。
ここからの眺めは、富士山も見えて最高です。。
今は、冷たい北風ですけどね。。(笑)
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2013-12-21 07:47)
なるほど、同じことが繰り返されてきたんですね。
カメが勝ったり、ウサギが勝ったり。
ほのぼのとしたお伽噺と違って、やけにリアルなところが笑えます。
そうですよね。
血だって滲みますよね^^
by リンさん (2013-12-21 09:32)
別のウサギと亀さんが
いたんですね。
by koume (2013-12-21 10:07)
現実の繰り返しですね。
時々、一位になった夢も見ながら・・・
by あざみ (2013-12-21 12:25)
お見舞いコメント頂き、ありがとうございました(^^)
by 小梅姉 (2013-12-21 14:17)
リアルなストーリー面白かったです。
おとぎ話って結構怖かったりするんですよね。
by PENGUIN (2013-12-21 14:39)
効率重視の現代人は素カメじゃあないし
怠けウサギとも違うし。
すると先に登頂していた頑張りウサギ?
そもそも「現代人」という括りがおかしくて
万人いたら万通りの性格・性質ですものね。
色々なカメとウサギがごちゃまぜで共存しています(笑
by 昆野誠吾 (2013-12-21 17:03)
へろり~へろへろりょぉ~ぉ~
この部分がどうしても「越冬つばめ」の節にになってしまいます。
あちらは冷たい北風で、こちらは生温かい訳ですが。
競争に勝つ意味が曖昧になりました。さて、どうしましょ。
やっぱり、午睡が一番いいかな。
by ackylacky (2013-12-21 20:42)
別のウサギとかめの競争の間にも競争が行われ・・・
そこでは違うドラマがある
現在はまさにそういう時代ですね
by 藤並 海 (2013-12-21 23:52)
へろり~へろへろりょぉ~ぉ~
う~~ん。。。
ワタクシも「越冬つばめ」で歌ってしまいました・・!!
by 向日葵 (2013-12-22 04:19)
みなさん
今回の記事、「そうだよ、当たり前じゃん」ってご意見が大多数だと予測していただけに
寄せられたさまざまなコメント 新鮮な気持ちで読ませていただきやした(◎o◎)b
イソップのうさぎとかめ、あっしは子供の頃から、イソップらしからぬ随分現実味のない 寓話とも言えない矛盾に満ちた物語だなぁと 不愉快に感じ続けてやした。
ここで物語を終わらせるのなら 大きく分けて最低でも四匹必要なんじゃないの?と。
で、今回は、あっしが子供の頃から「こうだよねー」と思い続けていたのを 書き起こしてみやした。
ブログを始めてすぐに公開しなかったのは、あまりにも当たり前すぎて 公開するほどじゃないと考えていたからでやす。
大人になってから、イソップのうさぎとかめには、その後のうさぎ その後のかめ とそれぞれ話があることを知りやした。
---うさぎ仲間から馬鹿にされたうさぎは起死回生へと知恵をしぼり 機転を利かせて称賛を浴びる結末をむかえた話と
何でもできると過信をしてしまった亀が その過信のために死ぬ という話---
そこまで読めば、「あぁ、なるほどイソップ、さすがだな、これこそが寓話だ」と納得できるのでやすが
多くの人は、子供の頃、丘へのかけっこの勝敗までしか聴かされす゛に育ったと思いやす。
勿論それはイソップのせいではなく、そこで完結させてしまった 後年語り継ぐ者が悪いわけでやすが。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-22 10:51)
2:6:2の原理?
見方や居場所が違えば、お互いの評価や価値は無意味??
結果として丘の上に一番乗り出来れば良いですね♪
但し、その後も全国の一番達に囲まれ永遠に繰替えされるのかな?
by 柴犬 (2013-12-22 16:11)
へろり~へろへろりょぉ~ぉ~
生温かぁい風が吹きおろしてやした。
生温かぁい風は
へろり~へろへろりょぉ~ぉ~と吹くのかぁ、、。
今度よく聞いておこう。
いやその前に寝ちまうなぁ。
by さきしなのてるりん (2013-12-22 18:40)
寓話って、妙に納得させられるのが悔しいです(*´∇`*)
by johncomeback (2013-12-22 21:47)
今の 自分自身は黒い岩のようなカメ 居眠りはしていません
突然 気を失うように眠りますが 悪魔にような睡魔ですね
実際に 悪夢を毎日見ています 私の脳では実体験に近いもので
日々 増幅されていきます
自分を過信もしていませんが 同じような状態ですね
このような正しい 寓話イソップを 後生に語り継いでほしいですね
日本昔話なども 内容が替わってしまうのもどうかと思いますが
by エコピーマン (2013-12-23 00:15)
柴犬さん
そう、世の中にはたくさんの丘がありやすね。
どの丘を目指してどの丘は目指さないかの選択もできやすね。
で、どの丘でも永遠に鞍替えされ続けるでやしょうね。
そして、常に勝つのは、全力疾走したうさぎだけでやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-23 10:13)
さきしなのてるりんさん
へろり~・・・・に反応されたかた 意外と多いでやすね。
越冬つばめを思い出された というかたも。
あっしが何故、へろり~・・・・にしたかというと
これは決して緊迫した冷たい特殊な日のことじゃないんだよ、ありふれた当たり前のふつーの日常なんだよ ということを伝えたくて でやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-23 10:20)
johncomeback さん
そうでやすか、悔しいでやすか。
あっしは、すっぱいぶどうも つるときつねの食器の話もかなり好きでやす。
よくそこここで目にする光景でやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-23 10:24)
エコピーマンさん
毎日悪夢、辛いでやすね・・・。
そう、その後のうさぎ その後のかめの話まできちんと語り継いでこそ でやすよね。
丘の勝敗で完結させた話には イソップ 天から憤ると思いやす。
寓話なんだから・・・。
丘の勝敗での完結話を信じて育った子供が大きくなって悟るのは 現実は違うのだ という大きなズレだけでやしょうね。
あそこで完結させるのは 教育にも悪いと思いやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-23 10:36)
4者4通りの生き方で・・それはそれでいいのかなって思ったけど
努力したうさぎが、努力しないかめを
税金で助ける結果になるのかなって・・気もしました
by はなだ雲 (2013-12-23 11:48)
最終的にはカメが勝つでしょう。
鶴は千年亀は万年と言いますから。
by beny (2013-12-23 12:35)
うさぎパンだ^^かわいい♪
by 173 (2013-12-23 14:42)
ご訪問、ありがとうございました。
これを機会にしっかり読み直します。
「ウサギとカメ」の前後を考えるのは
新鮮な気分になりました。
by ちずのこ (2013-12-23 20:58)
似ているような似ていないような話を思い出しました
南の国の人が昼寝をしている横で
日本人がせっせと働いていました
「どうしてそんなに働くの?」
「昼寝なんかしてたらたくさん稼げないじゃないか」
「たくさん稼いでどうするの?」
「お金持ちになったらゆっくり昼寝できるじゃないか」
「それなら最初から昼寝すれば?」
by Chobi.H.YAOITA (2013-12-24 02:22)
おはようございます!
「うさぎとかめ」の話が好きになりました。
ずっとこの話は 崖っぷちで選択を迫られているようで
好きになれなかったんです。
選択肢は うさぎとかめしかなく
ひたすら努力することで天賦の才をしのぐ結果をだすかめ、
誰もがこがれるような才能を持ちながら
その才能を自覚しているがゆえに堕ちてしまううさぎ・・・
血が滲むほど努力できるというのも
ひとつの才能だから
この話は どちらも「才能ある者」のことを言っているんだと。
そうではない自分はどちらも選べないと
そう思って 好きになれなかった話です。
うさぎ1、うさぎ2、かめ1、かめ2・・・
途中放棄するかめや 初めから競争なんてしないうさぎ
ぼんぼちぼちぼち版ならではの解釈にすっきりしました。
少ない選択肢で決めさせるのは
楽なんでしょうけど
枠からはみでた感がつきまといますから
枠なんてないに越したことはありません(^^)
by ちゅんちゅんちゅん (2013-12-24 06:03)
はなだ雲さん
あ・・・そういう結果になってやすね。
馬鹿げた税率とその使い道には矛盾を覚えやす(◎o◎:
居眠りをしたかめも 助けてもらえるのが当たり前と思っていたり・・・・
弱者と怠け者は違う!と声を大にして言いたいでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-24 10:36)
benyさん
なるほど、寿命という点では亀が一番でやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-24 10:38)
173さん
うさぎパン、吉祥寺コピスの地下のモンタボーというパン屋さんで求めやした。
顔の中に甘すぎないチョコクリームが入ってて美味しかったでやすo(◎o◎)o
このパン屋さん、何を食べても美味しいでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-24 10:41)
ちずのこさん
新鮮な気持ちになってくださったとは嬉しい限りでやす・ぺこりっ
焦らず少しずつ普通食に戻ってくださいねでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-24 10:46)
Chobi.H.YAOITA さん
シニカルなお話でやすね。 リアルに日本人を物語っていると思いやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-25 09:59)
ちゅんちゅんちゅんさん
ぼんぼちのうさぎとかめに共感してくださって嬉しいでやす・ぺこりっ
ずーーーーーっと疑問を感じていたんでやすよね。あの二匹であの形で話を完結させるというのは。
最低でもこの四匹必要でしょ って。これが世の中の構造でしょ って(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-25 10:10)
わたしがこの前読んだのは・・
うさぎはわざと負けて、お金をたくさん貰うはずだった
ところがカメがドーピング検査で引っかかって、負けたはずのうさぎが
やっぱり勝ってしまった・・ という^^;
by rantan-nya (2013-12-25 19:05)
rantan-nya さん
この上なくブラックな話でやすなぁ(◎o◎:
うさぎもうさぎだけど、かめ どうしようもない奴・・・・
by ぼんぼちぼちぼち (2013-12-26 10:17)