ポケットには近代能楽集 [独り言]
ある夜更け。
私は、スカイツリーを背に 広々とした公園を通り抜けようとしていた。
両側には、男女男女で埋め尽くされたベンチ。
と、目前に、鹿鳴館時代を思わせる洋館が ぼうっと現れた。
くらりと不安を覚えた私は、あわてて振り返った。
スカイツリーは、変わらず 無機質に発光しながら佇立している。
安堵に小さく呼吸(いき)を落とし、洋館の脇を抜け 巨大ターミナルに歩をすすめた。
「・・・・もう百年」 と、独白しながら。
私は、スカイツリーを背に 広々とした公園を通り抜けようとしていた。
両側には、男女男女で埋め尽くされたベンチ。
と、目前に、鹿鳴館時代を思わせる洋館が ぼうっと現れた。
くらりと不安を覚えた私は、あわてて振り返った。
スカイツリーは、変わらず 無機質に発光しながら佇立している。
安堵に小さく呼吸(いき)を落とし、洋館の脇を抜け 巨大ターミナルに歩をすすめた。
「・・・・もう百年」 と、独白しながら。
読んだことも見たこともない戯曲だったので取り合えずググってみました。
スカイツリーを卒塔婆にベンチで愛を語る語る男女という設定が素晴らしい。
スカイツリーのLEDイルミネーションは、昔の人が見た神秘の光の色に近いです。
小町さんはもうそこにいなかったけれど、鹿鳴館のような洋館はあったのですね。
by ackylacky (2013-02-15 10:31)
古いものと新しいものがごちゃまぜになったところに魅力が生じますね☆
by 水無月 (2013-02-15 12:55)
ackylackyさん
へい、今回の記事の下敷きにしたのは、三島由紀夫の戯曲集「近代能楽集」の中の「卒塔婆小町」という作品でやす(◎o◎)b
夜更け、詩人がアベックで占めるベンチの公園を通りがかり、老婆の浮浪者と出逢う。
そして、老婆がとびきりの美女だったという鹿鳴館時代へと時空を飛び越え、二人は愛を語らう・・・
そんなシノプシスの話でやす。
で、「もう百年」というのは、劇中の老婆の決め台詞でやす。
鹿鳴館を彷彿とさせる洋館を目にすると、あっしの脳裏にはいつもこの戯曲が浮かび、いつか一つの記事としてまとめたいなぁと思ってやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-15 22:04)
水無月さん
そうでやすね。
特に東京の東のほうでは、まるで昔の写真と現代の写真をコラージュしたような景に出くわすことがしばしばあり
つい立ち止って眺めてしまいやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-15 22:10)
スカイツリーを卒塔婆とした設定ですね。
卒塔婆小町、何度も舞台になっていますが、
絶世の美女「小野小町」のなれの果てって、
難しい役ですよねぇ。。。
by まほ (2013-02-16 01:57)
百年後ベンチの男女もみな卒塔婆の下(苦笑)
最近三島作品にハマってるのですが、
これは未読でした。読んでみます。(*^_^*)
by ぴぃ (2013-02-16 09:13)
まほさん
何度も舞台になってやすね。
で、近代能楽集の他の一作品と二作で上演されることが多いでやすね。
尺的にちょうどよくなるからでやしょう。
小野小町ではなく、鹿鳴館時代に「小町」と呼ばれるほどに美女だった女 という設定でやす。
まぁ、どちらにしろ難しい役でやしょうなぁ。
でも、だからこそ、役者にとってやりがいもあるのでやしょうね。
老婆からうら若き美女へ そしてまた老婆へ
役者にとっての見せどころ、観客にとっても見どころでやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-16 10:55)
ぴぃさん
おぉ!三島作品にハマっておられやすか!
近代能楽集は、氏の代表的戯曲集で、あっしは三島作品の中では これをダントツに反芻してやす。
タイトル通り、謡曲を下敷きとして 三島独自の世界観で以って現代劇におこされたものでやす。
この卒塔婆小町の他には、あっしは弱法師が特に好きでやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-16 11:04)
いつもご訪問ありがとうございます。
三島由紀夫さんの「近代能楽集」私も持っています。
もう百年・・・沢山の想いが詰まっていますね。
by あざみ (2013-02-16 20:08)
あざみさん
おぉ!「近代能楽集」持っておられやすか。
「もう百年!」 あの台詞で再び現代に時空が戻るんでやすよね(◎o◎)b
以前、某劇団が近代能楽集を演るというので公開稽古を見学に行ったことがあり
あっしはこの文庫本版を持参し パラリパラリとやりながら観てやしたら
他の見学の人達の殆ども あっしと同じようにパラリパラリやってやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-16 21:38)
三島の隠れた名作ですね。好きです^^
by つむじかぜ (2013-02-17 01:03)
つむじかぜさん
おぉ!お好きでやしたか!!
近代能楽集は、この卒塔婆小町と弱法師 葵上が特によく上演されやすね。
弱法師の俊徳青年の狂気をはらんだデコラティブな長台詞の辺りも 何度読み返しても面白いなぁと思いやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-17 11:13)
> くらりと不安を覚えた私は~無機質に発光しながら佇立している。
とっても好きな表現です。
とっても分かる気がします!なんてちょっと、偉そうですが・・・
そこで三島さんの卒塔婆小町「・・・・もう百年」が出て来てしまう、ぼんぼちぼちぼちさんが・・・言わないでおきましょう♪(微笑)
by カリメロ (2013-02-17 18:08)
カリメロさん
そう言っていただけるとは光栄でやす・ぺこりっ。
今回の記事は、そぎ落としてゆくことで構築するタイプの文なので
あっしなりに 一つ一つの言葉選びに ちぃと心を砕きやした。
>言わないでおきましょう♪(微笑)
う~む すごーーく気になりやすーー(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-17 20:05)
うちの愚猫の不調でお久しぶりになります・・
なんだか、ゾゾッとするような、でも不思議と夢もあるような感じです
>小さく呼吸(いき)を落とし、 ここ、好きです~
三島由紀夫と関連してですが、天人五衰の意味をこの前はじめて知りました^^;
by rantan-nya (2013-02-17 23:19)
鹿鳴館というものは当時も今も異次元なんですね。
そこで賄われる美酒なんてものは所詮酔っ払うためと考えればデカダンスの香りは避けられないものですね。
by 扶侶夢 (2013-02-17 23:28)
懐かしいです、三島由紀夫の近代能楽集(*^_^*)
私も『卒塔婆小町』好きです。
美しさだとか若さだとか、囚われすぎている自分に
気付かされる作品でした。
by アリス (2013-02-18 02:27)
rantan-nya さん
愚猫という呼び方に ちぃと笑ってしまいやした。
主さんの異物、なんでもないとよいでやすね。
>ゾゾッとするような、でも不思議と夢もあるような
そんなふうに感じていただけたとは とても嬉しいでやす・ぺこりっ。
今回の記事、自分でもかなり一人よがりであると自覚していながらも 結構気に入ってたりするのでf(◎o◎)
そう、仏教用語って、字面だけ見ても意味が解らないものが多いでやすよね。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-18 10:51)
扶侶夢さん
劇中の台詞にもでてくるように俗悪だと嘲笑されつつも 渦中の人達は必死だったようでやすね。
そして短くその時代を了えたようでやすね。
そう、まるで つかのま異次元に越境する舶来の美酒のようだったのでやしょうね。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-18 11:14)
アリスさん
アリスさんも卒塔婆小町お好きでやしたか!
この記事を公開するまで、どのくらいのかたが興味をもっている戯曲なんだろー?って ちょっと見当つかなかったでやす。
よく女優さんで 明らかに皺のばしの手術してるって人を見やすが
あっしは、お洒落をしながら自然に年を重ねたほうが素敵だと思いやす。
白州正子やリーフェンシュタールみたいに(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-02-18 11:23)