エッセイといふもの  [独り言]

短歌 俳句 自由律詩 小説 エッセイ 感想文 など 諸々のジャンルの記事を書いてゆくなか、「今年は特に これにエネルギーを注いでみよう!」というのを、自分なりに 年頭に決めています。
昨年は、「あっしが○○だったころ」と冠した短編シリーズ小説でした。

今年は------
エッセイを より探求してみようと思っています。
何を書いても拙い私ではありますが、エッセイというものの世界に もう一、二歩、深く踏み入ってみようと思っています。
これ迄、様々な体験を通して 様々なものに材を取り、それに相応しいと思われる文体・言葉でエッセイを模索して来、「エッセイというものの世界は、自分が書き手となってみる以前に漠然と外観を眺めていたより、遥かに 迷い愉しみ甲斐のある迷宮だ!」と 気づかされたからです。

エッセイ2.jpg私は、エッセイというジャンルは 文学の一ジャンルであると認識しています。
身辺雑記や体験記のように 事実を事実として述べることを最重要課題としたものではなく、むしろ、それ以外の プラスアルファの部分に凝らす意匠に心血を注いだものだ-----と。
例えれば、雑記・体験記が、ボウルにデン!と入った泡立て生クリームだとしたら、エッセイは、少量ではあるけれど 絞り出し口でデコレーションされた生クリームである と考えています。
生クリームが生クリームである「何が」という」事実は変えることなく、創り手の 意思・感情・感性で以って 受け手に「どう」伝えたいかのデコレーションをほどこして 小さな文学というケーキに仕立てるものだと考えています。

デコレーションの方法は、文体や言葉の選びかた ズームのさせかた 脚色など 幾多あります。
中、脚色は あくまで脚色ですから、新鮮味を出すために 二年前の体験を一週間前としたり、透明ビニールシートの屋根から落ちる猫のシッコを そうだと知らずに眺めながら飲んでいたのが 本当は赤ワインだったのを シッコに似ているほうの白ワインにしたり、という範囲です。
根幹になる話そのものが虚構では、読み手には見抜かれなくとも それではエッセイではなく「創作小話」になってしまいます。

エッセイ1.jpg又、それなら 私小説とはどう違うのか、というと------
訴えたい「テーマ」があるか否か だと判断しています。
無論、エッセイ その他にも、「ここでは何を言いたいか」というのはある訳ですが、小説の文が 作者が強烈に訴えたい思想なり持論なり信念なりを読者に伝えるために 綿密に組み立てられた装置であるのに対して、エッセイに於いては、その一切は ふわりと曖昧でいいと思っています。
正確には、「でいい」と云うより、その「ふわり」こそが エッセイならではの持ち味なのだと思っています。

今、私が 殊に面白味を覚えていて、今年 数多く公開できたら本望なのは、「散文詩に近いエッセイ」です。
散文詩に極めて近い、そぎ落としにそぎ落とし どの語を選択するかに心を砕いた末に完成する 何があったかという内容そのものよりも 遥かに ニュアンス マチエールを重視したエッセイです。
これも、散文詩との区別はどこでつけるか というと、「これがこして こうなった・こう感じた」というのを ふんわりとだけれど具象的に伝えるのがエッセイで、言葉の向う側に世界の広がる 読者の解釈にゆだねる部分の大きいものが詩だと 自認しています。

しかし、それらに 明確な境界線はありませんし、あくまで、私が私のエッセイを書くにあたっての持論に過ぎない訳ですが、以上のような考えを根底に、未熟なりに ノォトに向かおうと意気込む年初めです。

エッセイ3.jpg

タグ:エッセイ
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さきしなのてるりん

たのしみにしておりまする。
by さきしなのてるりん (2012-01-10 12:32) 

cafelamama

散文詩に近いエッセー、ぜひ読んでみたいです。
楽しみです。
by cafelamama (2012-01-10 17:50) 

れもん

楽しみにしています。
by れもん (2012-01-10 19:56) 

SU-SAN

エッセイ、楽しみです☆。
ぼくは文章が大の苦手なので、
ぼんぼちぼちぼちさんのように
品が良く面白い文章を書ける方は
凄いと思います☆。
by SU-SAN (2012-01-10 20:15) 

藤並 海

ボウルに入った生クリームと絞り袋から出された生クリーム
ものすごく違いがわかります!
どのようなデコレーションを施されるのか
とても楽しみです(^^
by 藤並 海 (2012-01-10 21:24) 

b.b.mk2

エッセイの定義、今まで曖昧な理解でしたが、少しわかったような気がします。ぼんぼちぼちぼちさんのエッセイ、楽しみです。
by b.b.mk2 (2012-01-10 21:50) 

銀

エッセイたのしみですねぇ~(^.^)
でも「あっしが○○だったころ」のファンとしては
たまに「あっし・・・・・」もお願いします
by 銀 (2012-01-11 07:44) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

みなさん おはよーございやす(◎o◎)/
あっしが自己満足で書くものに そんなふうに言ってくださるなんて
嬉し涙ちょちょぎれでございやす・ぺこりっ。

散文詩に近いエッセイ 今までそう自覚強くなく書いた記事の中だと
「小脇にはイヨネスコ」や「ポケットには安部公房」のあたりが近いと認識してやす。
で、今年は、あっしなりに それをはっきりと意識して臨んでみる次第でやす。

SU-SAN さん 品がいいとは あっし自身無自覚だっただけに
非常に嬉しいでやす・ぺこりっ

藤並 海さん この例えが適切だったようでほっとしやした。

銀さん 「あっしが○○だったころ」のファンでいてくださるなんて あのシリーズ書いてきて ほんとに良かったなーと思いやした。
へい、たまにそっちも書きやす。
今 頭の中で練ってるのは「あっしがタコだったころ」でやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-11 10:33) 

イヴママ

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

by イヴママ (2012-01-11 11:20) 

fumiko

今年も宜しくお願いいたします。
「あっしが○○だったころ」シリーズのファンでした!
ウイットに富んだぼんぼちぼちぼちさんの新しい取り組み
楽しみにしています!!
by fumiko (2012-01-11 13:03) 

rtfk

期待申し上げております^^)

by rtfk (2012-01-11 13:22) 

hoshino_sizuku*

楽しみにしています♪
by hoshino_sizuku* (2012-01-11 18:30) 

ぼんぼちぼちぼち

イヴママさん

明けましておめでとうございやす。
こちらこそ よろしくでやす(◎o◎)/
by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-11 22:13) 

ぼんぼちぼちぼち

fumiko さん

こちらこそよろしくでやす。
「あっしが○○だったころ」シリーズのファンでいてくださったなんて 嬉しいかぎりでやす・ぺこりっ。
そちらのほうも これからも時々公開しやすが、
今年は特に 散文詩に近いエッセイを あっしなりに より深く考えてゆこう と思ってやす(◎o◎)b  

by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-11 22:25) 

ぼんぼちぼちぼち

rtfk さん
hoshino_sizuku*さん

あっしが好き勝手に公開するものに対して そんなふうに思ってくださるなんて 恐縮でやす・ぺこりっ。
あっしなりに 一生懸命書こうと思いやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-11 22:32) 

つなみ

ぼんぼちさん、(⌒∇⌒)ノ"こんにちは。
年頭の…今後の記事、楽しみです。
私も、一年と四半期づつに分けて
テーマを決めて、レッスンしています。
ぼんぼちさんとは、ジャンルが違うけど、
エッセイ、深く追究せしめて、私達読者を、
ますます楽しませて下さいネ。
わくわくo(*⌒―⌒*)o
by つなみ (2012-01-12 12:22) 

rantan-nya

楽しみです!
わたし、若い頃、エッセイストという職業に憧れたことがありました
若い女性にありがちな単なる憧れでしたけど^^;
削ぎ落とされた散文詩に近いもの・・というところにワクワクします
わたしも言葉に対する感性、もっと磨きたいものです(^^ゞ
by rantan-nya (2012-01-12 20:39) 

ぼんぼちぼちぼち

つなみさん

なるほど! >一年と四半期づつに分けてテーマを決めて、レッスン・・・
ジャンルこそ違えど、適切なところで区切って 重点的に
というやり方の充実性、すごく実感しやす(◎o◎)b

バレエ、より一層 羽ばたかれてくださいでやすっo(◎o◎)o
あっしも 稚拙ながらも がむばって書きやすっf(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-12 23:52) 

ぼんぼちぼちぼち

rantan-nya さん

若い女性がエッセイストに憧れる・・・
解る気がしやす。
作詞家の安井かずみさんとか、ものすごくお洒落なエッセイを書かれてやしたね。

どぅも あっしは、言葉をそぎ落として構築するものに惹かれてしまうんでやす。
今まで そう意識せずに書いたエッセイの中に 散文詩に近いものが幾つかあったので
今年は、真正面から意識的に取り組んでみよう・・・と(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-13 00:03) 

さる1号

あっしシリーズが大好きなのです。
エッセイと共にあっしも楽しみにしています。
by さる1号 (2012-01-13 20:49) 

ぼんぼちぼちぼち

さる1号さん

あっしシリーズをお好きでいてくださるとは 嬉し涙ちょちょぎれでやす・ぺこりっ。
今年は、昨年の月一ペースほど頻繁ではないでやすが そちらのほうも あっしなりに新作書かせていただきやす(◎o◎)b


by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-13 22:35) 

まほ

自由形式の俳句や短歌と、散文詩の区別も難しいです。
エッセイと散文詩も同じですね。
表現をそぎ落とすのと語り足りないのとは、似て非なるものです。
私など、そのへんが。。。(泣)
by まほ (2012-01-14 03:33) 

ぼんぼちぼちぼち

まほさん

そう>表現をそぎ落とすのと語り足りないのとは、似て非なるもの
そう思いやす。

まぁ、あっしなんぞも 小生意気な講釈たれてやすが
自己満足で書いてるだけなんでf(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-14 10:46) 

そらへい

エッセイというものを、念頭に置いてブログに向かったこともありますが
いつの間にか、ブログに向かっているだけの自分がいました。
意気込みよりも、いろいろなことを思案しながら、
今だ何もほとんど実行出来ずにいる60歳の年頭です。
by そらへい (2012-01-14 11:17) 

ぼんぼちぼちぼち

そらへいさん

あっしは そらへいさんのブログに
東京では観ることのできない景色を楽しませていただいたり
ジャズの紹介に興味深く耳を傾けたりしてやすよん(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-01-14 12:35) 

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