山田孝之氏・探し続けていたリアリズム演技  [感想文]

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私は十代の頃より 美術を生業として生きてきました。
今現在は 指導するのみの立場となり、余暇を 映画・演劇にまつわる講座の受講、それらの作品の鑑賞、散文や短歌創りといった 言葉の創造の愉しみにあてています。

ですから 美術以外は あくまで 単なる素人の趣味の世界から越境しないものなのではありますが、表現の世界は 手段とそこに必要とされる技術は違っても 共通するものは大きいので、「何をどう感じていいのかさっぱり解らない」 と 掌を肩の両側で天に向けたくなることは まず ないように思います。
逆に、「自分は、この分野では こういう表現方法 こういう表現者しか好きになれない」 というのが非常に強くあり、それゆえ 自分の求める表現者が、探しても探してもなかなか見つからない という 精神の飢餓におかれてしまうのでした。

演技に対しても 例外ではありません。
「この役者さんは巧いなぁ」とか「この役者さんは この役に合っているなぁ」などとは思っても、そこに 自分の嗜好に寸分たがわずピタリとはまる 「自分にとって特別だ」と思える役者さんは、この 決して短くはない人生の中 どれほど 映画や舞台を観続けても 存在しませんでした。

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と、二年ほど前に 何の気なしにテレビを点けたら、不良の高校生がこれでもか!というくらいに次から次へと登場する映画を映っていました。 
私は、一人の高校生役の役者さんの演技に 身動きが出来なくなりました。
台詞といい 動きといい 表情といい・・・寸分たがわず自分の嗜好にピタリの演技だったからです。
まるで顔も知らない役者さんでした。
山田孝之さんという名だと知りました。
すぐに 別の監督による 不良学生とは真逆の ヲタク青年を演じられている作品を観ました。
そこにいるのは、不良学生とは細胞の一つ一つからして まるで別の人物でした。
やはり 間違いなく、「この人は 自分が長年探し続けてきた 寸分たがわずピタリの役者さんだ」 と 魂の奥底からうなりました。

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思い返すと、私の中には 中学一年の頃には すでに 「こういう演技でなければ 自分の嗜好に合わない」 というのが 明確に固まっていました。
まだスタニスラフスキーのスの字も知らなかった頃なので、当時は このように 上手く言葉にして説明することは出来ませんでしたが、それは 以下の通りです。

私は 私の信ずるところの「真のリアリズム演技」でなければ 好きにはなれません。
無論、作品によって 役柄によって そうでない演技のほうが面白く リアリズムでおしすすめてしまったら ちぐはぐで おかしくなる場合も幾多ありますが、ここでは 「リアリズム演技が相応しい場に於いて」 ということを前提に述べます。

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まず 逆説的に言うと、発散型の演技や ナルシスティックな演技や ステレオタイプの演技や 押しつけがましい演技や 外側から創っていく演技や やりすぎの演技は どうも苦手です。
否定はしませんが、作品全体のバランスから突出してしまって、無理やり 砂をこちらの口の中に一杯押しこまれ 「ほぅら! 砂って美味しいでしょう!!」 と 満面の笑顔で覗きこまれるような不快さに 耐えられなくなってしまうのです。

又 、時々 リアリズム演技を 単に 地で ただただ現実っぽく演ればいいと思っている人がいますが、作品というものの何たるか、それぞれの登場人物は どんな生まれ育ちをしてきたのかを 真正面から考えたら、そんな短絡的な答えなど 出る筈はありません。

作品というものは、劇映画でも舞台でも、メタシアターやアンチテアトルといった特殊なケースを除いては それぞれ ある一つのテーマに向かって突き進むものであり、そして 役者さんの演技というのは それを担う 大きな一要素であると思います。

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絵画に例えると、「私は こんなにつやつやと真っ赤なリンゴの美しさに感動しました」 ということを言はむとする時、単に視た通りに描いては 鑑賞者には リンゴの何が言いたいのか 伝わりません。
リンゴをいかにも本物のリンゴのように描きつつも、表皮の赤みを強調したり バックを 赤さを際立たせる補色にしたり 最も効果的に照りが出る位置から光をあてたり・・・といった技術が必要になります。

役者さんの存在というのは 「画布におかれた絵の具の如きもの」 だと思います。
映画・舞台といった 一編の画布の上に それぞれ さまざまな役割りを背負ってテーマに向かう 「意思ある絵の具」 だと思います。
ですから、演ずる人物を、俯瞰しつつも 内側から 着ぐるみを動かすように操る といった 技術と感性を踏まえた人、それこそが 真のリアリズム演技の役者さんだと思います。

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私は これまでの人生の中で、過去に 四人の 「自分の嗜好にピタリの 自分にとって特別な表現者」を発見し、その作品に浸る度に 少しづつ 精神の飢餓から救われてきました。
短歌・映画・演劇と 多方面で活躍した 寺山修司氏。
映像界の 松本俊夫氏 塚本晋也氏。
小説家の 車谷長吉氏。
そして、五人目の表現者は まぎれもなく 役者 山田孝之氏です。

私は今、「この役者さんの出演作品は すべて観たい」 と 思えるほどに 贔屓の役者さんが存在し、その出演作品が 現在 次々と公開されている状況は 何という幸せなことだろう と 感慨の海に浸っています。

私の精神の飢餓感は、もうだいぶ 薄れてきました。
自分にとって特別な表現者を探し求める旅は、これで終わりにしてよいと思っています。
山田氏が、私にとって 最後の「特別な表現者」であるように思います。

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あんにゅい

ご訪問とお見舞いメッセージ、ありがとうございました^^
by あんにゅい (2010-12-13 10:08) 

デルフィニウム

ググってお顔を確認しました。
気をつけてみたいと思います。
by デルフィニウム (2010-12-13 13:34) 

qooo

ぼんぼちさんのblogで、まさか、自分の知ってる名前が
出てくると思ってなかったから、山田孝之さんが、あの
山田孝之さん(変ないい方ですね!)とは、思わずに、
読んでおりました。

私も山田さん、大好きです。リアリティというのは、
わかる気がします。東野圭吾さんの小説を映画化した
『手紙』の、山田さんも良かったです。
by qooo (2010-12-13 14:13) 

hatumi30331

今日は、ぼんぼちさんの内面を少しだけ覗かせてもらったような気分です。 山田孝之さんですか・・・・・かなり若かりし頃から注目されてきた役者さんですよね。 彼は、自分を正直に出すのが苦手なタイプの人だと言う印象があります。だから、役にハマるのかもしれませんね。最近、肩の力が抜けて良くなってきたように感じていました。これからが楽しみですね。
ぼんぼちさんの好きな物、好きな人、並べてみると・・・ちょっとだけシルエットが見えてくるような感じがして、一人でうれしくなってしまいました。(笑) 勝手に妄想・・・(笑)
by hatumi30331 (2010-12-13 17:34) 

ふぢた

逆に何をやっても同じになる演奏者もいます。
作曲家は全然違うのに、みんなベートヴェンに聴こえます。
フックオンクラッシックかっ!って突っ込みます。
役者もそうで、1つしか演技の幅をもっていない人。
当たり役から抜け出せないという、良い言い方で済まされてますけど。

あ、そういえば
海老蔵は、会見中「市川海老蔵」を演じてましたね。
ちょっと臭かったですけど~


by ふぢた (2010-12-13 17:55) 

ミケシマ

↑の、qoooさんの言ってらっしゃる「手紙」の山田さんわたしも好きです^^
何度観ても泣いてしまいます。
あといま「闇金ウシジマくん」でもいい演技されてますよー!
マンガが原作ですがかなりハマっているドラマですv
by ミケシマ (2010-12-13 18:44) 

inacyan

山田孝之さんが出てる深夜テレビ「闇金ウシジマくん」が好きで録画してみています・・明日の夜中、正確には15日0時55分ですけど(o^_’)b
でも次回が最終回なんです、ざんねんだなぁ~(-_-;)
シリーズになればいいのにと切に願っています(^^)
by inacyan (2010-12-13 18:45) 

toyo

>・・・ですから、演ずる人物を、俯瞰しつつも 内側から 着ぐるみを動かすように操る といった 技術と感性を踏まえた人、・・

同感です。
演技が上手ければ上手いほど・・・・
◯◯という役者が、実に上手く◯◯の「役を演じているなあ~」と感心することはありますが、◯◯という役者・・という眼で見てしまうのでつまらない・・というか、いくら演技が上手くても「一編の画布の上に それぞれ さまざまな役割りを背負ってテーマに向かう 「意思ある絵の具」・・から外れた絵の具であっては違和感を感じてつまらないなあ~・・と日頃から思っていたので、
我が意を得たりという思いで読ませていただきました。

しかし、「演ずる人物を、俯瞰しつつも 内側から 着ぐるみを動かすように操る といった 技術と感性を踏まえた人、」って、とっても稀な気がします。
むしろ、外国映画(主にハリウッド映画以外の・・アキ・カウリスマキ監督の作品とか・・)の役者に該当する演技者を見かける場合が多いような気がしています。

いずれにせよ、この違和感は私だけじゃなかったんだ・・と勝手に嬉しく思っています。ありがとうございました。


by toyo (2010-12-13 20:04) 

末尾ルコ(アルベール)

実におもしろいお話でした。
わたしは場合によっては「やり過ぎ演技」も嫌いではありませんが(笑)、山田孝之ももちろん大好きです。

                        RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2010-12-13 20:29) 

Huck_Finn

そこまでのこだわりはないですねー。
普通に演出とかストーリーが先に来てしまいますね。
嵐の二宮君とは、結構好きですが。
by Huck_Finn (2010-12-13 21:37) 

モッズパンツ

山田孝之くん、「ちゅらさん」の弟役が印象に残っております。w (^ω^)b

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2010-12-13 22:02) 

ecco

塚本晋也さんは
日芸の学生時代から知っています。
当時のかれの芝居は面白かったです。
しばらくぶりに
映画『クワイエットルームへようこそ』を見ましたが
おもしろかったです。
山田孝之さんは
『世界の中心で愛を叫ぶ』しか思い出せなくて・・・
by ecco (2010-12-13 22:07) 

ぼんぼちぼちぼち

あんにゅい さん

いえ、こちらこそありがとーでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-13 22:32) 

ぼんぼちぼちぼち

デルフィニウム さん

デルフィニウムさんは 山田氏 ご存じなかったのでやすね。
あっしも 記事中に書いているように 知ったのは ほんの 2、3年前のことで・・・。
それを友人に話したところ「映画好きなアナタが何で知らなかったのー?」
みたいなリアクションをされやしたf(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-13 22:41) 

ぼんぼちぼちぼち

qooo さん

今回の記事に対するみなさんのリアクションで 一番多いだろうなーと予測したのは
qooo さんのようなコメントでやす。

まぁ、あっしはひねくれ者だからか 非商業の世界で活躍する表現者や ひとくせもふたくせもある表現者を好きになる場合が多いんでやすが
演技に関しては 山田氏がばちこーーーんとあっしの嗜好に合いやした。
記事中にも書いたように 演技というものは 表現の世界でも
それ単独で独立するものではないから という理由でやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-13 22:50) 

ぼんぼちぼちぼち

hatumi30331 さん

あっしが山田氏の存在を認識し まず知りたいと思ったのは
「芸歴」でやした。
どこの研究所出身の役者さんなのだろう?と。
調べたら アイドル的な位置から出発されたようなので ちょっと驚きやした。
それからまたちょっと考えて 納得しやした。
現場の場数を踏んでいないと あの若さであれだけの演技は そうできないだろうな と。
また、商業から出発している役者さんは「好き勝手なことは出来ない」という認識が根底にあるように思うので。


by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-13 23:11) 

ぼんぼちぼちぼち

ふぢたさん

あっしは音楽には疎いんでやすが やはりおられるのでやすね。
絵描きでも 何を描いても同じ おりやす。
技術はあるのにそれをやる表現者 あっしは傲慢さを感じてしまいやす。
尤も 寅さんのようなケースは別であって あれは素晴らしい選択だったと思いやす。

by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-13 23:18) 

ぼんぼちぼちぼち

ミケシマさん
inacyan さん

「手紙」DVDで観やした。
恥ずかしながら リアルタイムでは全然知らなかったのでやすが
話題作だったのでやしょうか?
「闇金ウシジマくん」あっしんちにはテレビがないので DVDで楽しみたいと思いやす(◎o◎)V

by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-13 23:35) 

ハジナレフ

どうにもその役者本人にしか見えない人が巷のドラマであふれかえって、さらに人気だというから「何で?」と思うこともしばしばです。マンガをドラマにしたからそのままマンガみたいな演技では…
それでも釣りバカ12で三國連太郎さんのお葬式のスピーチにはシビれました。この方はやはりすごいと思います。
by ハジナレフ (2010-12-13 23:40) 

よいこ

もっと年配の役者さんの名前が挙がってくるかと思っていたので、意外でした。素が役に出ない役者さんは、魅力的ですね。

by よいこ (2010-12-13 23:42) 

ぼんぼちぼちぼち

toyo さん

あっしもこうして演技の世界の一観客として 好き勝手なことを書いてやすが
言うは易し行うは難しでやすからねー。
今の時代、必死にそこを目指している役者さんは多いと思いやすが
理屈では解っていてもできる人は 極めて稀だと思いやす。

あっしが中学生の頃は まだまだ新劇の考えを引きずった演技が 映像に於いても幅をきかせていたように記憶してやす。
「違うと思うけどなーーー」って ずーーーーっと思いながら観てやした

by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-13 23:44) 

michi

ぼんぼちぼちぼちさん、ご訪問ありがとさんです。かなり話題がずれるかもしれませんが、私は山野草の写真を撮りに山を歩くことがあります。何枚撮っても、たった1枚自分の想い現せるものがあるかないかです。それは、よく言えませんが、その被写体に対する思い入れが初めにあって写真を撮っているからなのかもしれない。その思い入れを1枚の写真に表現できないことによるのかな・・・・・・・・と思っています。
by michi (2010-12-14 06:38) 

ぼんぼちぼちぼち

末尾ルコ(アルベール)さん

今回の記事は長かったのに 面白く読んでいただけたとは光栄でやす・ぺこりっ。

そう、コミカルな作品の場合 やりすぎくらいの演技は面白かったりしやすね(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 11:29) 

ぼんぼちぼちぼち

Huck_Finn さん

すいやせん・・・恥ずかしながら 嵐の二宮クン どのかたか解りやせん・・・。
嵐自体 どのかたたちかを知ったのは ごく最近でやす(◎o◎:
auの広告にでておられるのでやすよね?

ちなみに 男性化粧品の広告のビートルズを模したイメージの4人の男性アイドルでは
うち2人は解りやすが あとの2人が誰だか解りやせん(◎o◎:
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 11:39) 

ぼんぼちぼちぼち

モッズパンツ さん

ちゅらさんでの山田氏の演技 一瞬ちらと観ただけなので
今度ちゃんと観てみたいと思ってやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 11:44) 

ぼんぼちぼちぼち

ecco さん

塚本晋也氏、日芸時代に「海獣劇場」なる幟旗を掲げて
テント芝居を演っておられたようでやすね。
観られたなんて 羨ましいでやす。

塚本氏は、唐さんの芝居 大好きだったようでやすね。
だから 氏の映画には 唐さんとこにいらした役者さんが よく出演され
鉄などの無機質な素材を扱いながらも とても湿ったアングラの匂いがしやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 11:54) 

スイミングママ

確かに、昔から可愛い顔だけでなく、とても、リアリティーのある演技をする役者さんでした。
「世界の中心で愛を叫ぶ」は、繰り返し見たドラマです。
きっと、これからも、残って行く役者さんになるでしょうね。

ご訪問、ありがとうございました。
by スイミングママ (2010-12-14 16:04) 

ケリー

ご訪問&ナイスありがとうございました。
興味深いお話で
山田孝之さんの作品を見てみたくなりました。
実はお顔と名前が一致しないのですが・・・^^;
by ケリー (2010-12-14 19:01) 

ぼんぼちぼちぼち

ハジナレフさん

そう、何をやってもジの役者さん おられやすね。
で、あっしが勝手に臆測するのは
その役者さん本人からしてそれを望んでいる場合は まぁそれぞれの自由として
役者さん本人は役に入りたいのに
ファンがジを観たいという理由で 商業として成績が上がるから
それを押しつけられているとしたら
その役者さんは 辛いだろうなぁ 不幸だなぁ と思いやす。
勿論 商業の世界は売れるためなら何でもあり というのは理解するのでやすが
いくらなんでも そこまで作品・役をないがしろにするのは 如何なものか・・・と思ってしまうあっしでやす。

昔のアイドル歌手が 悲しい歌なのに ニコニコと可愛らしい笑顔を作りながら歌っていたのにも 同じものを感じてやした。

三国連太郎さん 日本を代表する大御所ベテラン俳優でやすね\(◎o◎)/
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 19:08) 

ぼんぼちぼちぼち

よいこさん

あ! そのご意見 かなりあっし的に予測してやした(◎o◎)b
勿論、ベテランの役者さんで「見事だなぁ」と思うかたは沢山おられやす。
が、そこに あっしの極めて主観的な嗜好が重なると
やはり山田氏一人なんでやすね。

ちなみに 女優さんで一番好きなのは 余貴美子さんでやす(◎o◎)b
基本をあえてガクッガクッと崩していかれるところに グッグッと引き込まれやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 19:25) 

ぼんぼちぼちぼち

michi さん

あぁ なるほど、あっしは写真のほうは ご覧の通り ケータイでそれなりのものしか撮ってない素人なので 
そう偉そうな意見ができる立場ではないのでやすが
あっしがお教えしている絵の生徒さんは
よく似たようなことをおっしゃいやす。
「最初に わぁ! この花綺麗っ!って感動が大きいと 
それにとらわれて仕上がりに納得できない」と。

確かにそういうものかも知れやせん。
が、何も考えずにただ漠然と制作に向かうより
自分の中に明確なイメージを持って向かうほうが
よほど良いように思いやす。

仕上がりが 最初にイメージしたものと違っても
意外な面白さが発見できる場合もありやす。

また、現実の美しさ 奥深さ 偉大さに並ぶもの それを超えるものを制作しようとすることは
高望み過ぎるかも知れない
だから 現実にはない 自分なりの意匠をこめよう と考える人もいやす。

まぁ、美術の世界で仕事をしてきた あっしなりの考察でやすが こんなふうに思いやす・ぺこりっ。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 19:51) 

ぼんぼちぼちぼち

スイミングママさん

あっしが山田氏を認識した時 すでに氏は10年近い芸歴を持っておられたと知り
「なんで自分 知らなかったのだろーー?」と思い
出演作品を調べたら 見事にあっしが観ない方向性のばかりでやした・苦笑
「世界の---」も リアルタイムではタイトルしか知りやせんでやした(◎o◎:
「電車男」も ポスターを街で ちらと目にした記憶はあったのでやすが
この青年は新人さんかなー くらいに思って通り過ぎてやした(◎o◎:
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 20:07) 

ぼんぼちぼちぼち

ケリーさん

あっしが極めて主観的に好きな山田氏の出演作品は
「クローズZERО・Ⅰ」
「電車男」
「大洗にも星はふるなり」
「大洗にも星はふるなり・これって全力すぎてスピンオフじゃねぇじゃんスペシャル」
でやす(◎o◎)b

上二つは 一般的な劇映画が好きなかたは面白いと感じられると思いやす。
「大洗---」は、小劇場での軽い笑いが好きなかたがハマると思いやす。
.
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-14 20:21) 

優花風音

ご無沙汰してました~(>_<)お元気でしたか?

この記事、同感です。
私の場合は、歌い手さんに対して好みがハッキリしてまして。
音程を正しく歌えて巧い歌い手さんは、素晴らしいとは思いますが、興味がないようです^^;声の出し方とか意図的な部分が見えてしまったり、「ここで泣け」って言われるような歌い方をされると・・・ダメみたいです。
by 優花風音 (2010-12-15 00:09) 

腹黒ピカソ

いろいろ共感しました!
私は絵画に関心があるのですが、「この人のこういう表現好きだな」とか「この人の絵魅力的だな」とは思っても、自分の嗜好に寸分たがわずピタリとはまる 「自分にとって特別だ」という絵を描く人は私にとってはピカソと岡本太郎だけで、今生きている方ではそのような方にはまだ出会えていません。
これからの人生のなかで私にとっての精神の飢餓をから救ってくれるような芸術家さんに出会えるよう、これからもいっぱい勉強して、いつかは自分もなんとなくではなくいろんな人に知ってもらうのではなく、誰か一人にでもそういう心にぴったりはまるような存在になりたい、そのためにも努力を続けなければと、向上心がわいてきました!
まだたったの19年しか生きていないくせに偉そうなこと言ってしまいすいません…


by 腹黒ピカソ (2010-12-15 00:18) 

扶侶夢

歳を経るって必要なことだなぁ…と思います。ようやく“演出”というものの意味や価値が解るようになりました。リアリズムとは何かという点で、同感です。
by 扶侶夢 (2010-12-15 01:48) 

リンさん

私も山田孝之は好きですよ。
テレビに、あんまり出まくってないのがいいですね。
十三人の刺客は見てないのですが、いい演技だったと、ダンナが言ってました。
若いのに大したものですね。
by リンさん (2010-12-15 13:18) 

coralie

はじめまして!
ご訪問&niceありがとうございました。
by coralie (2010-12-15 19:49) 

ダイナ

初めまして。ナイスありがとうございました♪
私も山田孝之さん好きです。
白夜行が好きな作品です。
by ダイナ (2010-12-15 20:43) 

りんりんママ

はじめまして!
ご訪問&niceありがとうございました!!


by りんりんママ (2010-12-15 21:37) 

ぼんぼちぼちぼち

優花風音さん

へい、元気でやす(◎o◎)V

解りやす解りやす。
あっしは音楽に関しては疎いので ライトユーザーの範囲から越境せずに
それなりに愉しんでいるに過ぎないんでやすが
すごく理解できやす。
どの表現分野も 勿論 技術がなくては 何が表現したいのかすらも伝わらない訳でやすが
技術だけのごり押しも 鼻につくばかりでやすね。

「観客を感動させる」ということは、
「ほら こうすれば感動するでしょ」などといういう計算ではなく
表現者が己れをさらけ出して捨て身になってこそだと思いやす。
この辺り 過去記事にも書いたように 車谷長吉氏の私小説にも強く感じてきやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-15 21:52) 

ぼんぼちぼちぼち

腹黒ピカソさん

なるほど、ピカソと岡本太郎なんでやすね!
方向性 かなり近いでやすもんね(◎o◎)b
以前、この二人の手相はとてもよく似ていた という話を聞いたとき、
それまで手相などに まるきし興味のなかったあっしは
妙に納得してしまった記憶がありやす。

岡本氏の壁画は、何年か前から渋谷駅の通路に飾られてやすね。
非日常の空間ではなく こういった場に作品が置かれる というのは
氏 御自身も強く望まれていたことなのではないかと思いやす。

19歳 未来がたくさんありやすね!
頑張ってくださいでやす\(◎o◎)/
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-15 22:12) 

ぼんぼちぼちぼち

扶侶夢さん

へい、「真のリアリズム演技」というものは こういうものだと あっしは思いやす。
また、リアリズムに関して広くは 過去記事「リアリズムとは」にても 綴っておりやす。
もしも、おヒマがあってお気が向かれやしたら そちらのほうも ちらと観ていただけると幸いでやす・ぺこりっ。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-15 22:21) 

チヨロギ

技術だけで演じる役者さんは、台詞が心に響きませんね。
山田孝之さん、今度ちゃんと見てみたいと思います。
by チヨロギ (2010-12-16 02:39) 

ナツパパ

伊丹十三さんが生前、ただ演技していればいいものを、途中で観客に振り向くヤツがいる、と仰ってましたっけ。
by ナツパパ (2010-12-16 08:29) 

ぼんぼちぼちぼち

リンさんさん

「十三人の刺客」観やした(◎o◎)b
山田氏、江戸から明治へと大きく時代が変革する中を生き続ける重要な役どころでやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-16 11:09) 

ぼんぼちぼちぼち

coralie さん
りんりんママさん

こちらこそ ありがとーでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-16 11:12) 

ぼんぼちぼちぼち

ダイナさん

白夜行での山田氏の演技 くわ~んとカウンターパンチをくらったように感動しやした。
中、何気ないシーンなんだけど あっしがとても好きなのが
図書館で 余貴美子さんと机に頭を寝かせてのダイヤローグなんでやすね。
名優同士の何気ない会話、きらめくさざ波のように
心に深く焼き付いてやす。

by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-16 11:26) 

ぼんぼちぼちぼち

チヨロギさん

そう、何の分野でも、技術は誰れでも一生懸命に学べば習得できると思いやす。
ようは、その先にある+アルファの 「えも言われぬ魅力」という部分に到達できるかどうかだと思いやす。

「この役者さんが出ている作品なら とにかく足を運びたい」
ここまで思うのは あっしの中で山田氏一人でやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-16 20:47) 

ぼんぼちぼちぼち

ナツパパさん

そういう 作品全体や与えられた役の何たるかを考えずに
とにかく 自分が目立てばそれでいい という役者いやすね。

悪評がたっても まず 何が何でも自分の顔を売ってやるんだ という
ハングリー精神の元に狙ってやっている場合は 理解できなくもないのでやすが
自由に動けて顔がいっぱい映れば満足ーーみたいな役者がいやすね。
とにかく「自由がいい」と。
で、彼らの言う「自由」というのは 決まって、思想や役についての解釈の幅という自由さではなく
単なる物理的に沢山動けるか 顔が映るか だったりしやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-16 21:08) 

matcha

ちょっと話が外れるかもしれませんが、『レインマン』のレイモンド役を演じたダスティン・ホフマンが忘れられません。
天職としての役者は、多々居ても、天から授けられたものを持つ役者は、なかなかいないものですね。白いキャンパスに絵画を描くように、自分を無にし、役を描く。
別に役者だけに限ったものではないですが・・・。

by matcha (2010-12-16 23:04) 

あんこ

山田孝之クンは「ちゅらさん」の主役の弟役で名前を知りました。
もう10年位前でしょうか。
ずいぶん変わりましたね。ご本人の成長、変化が著しいのだろうなと
思いつつ最近の作品を観ています。
by あんこ (2010-12-17 17:20) 

ぼんぼちぼちぼち

matcha さん

「レインマン」恥ずかしながら観ていないので
機会があったら観てみようと思いやす。
あっしは 現代のハリウッド物はあまり観ないのでやすが
その中で記憶に強いのは
「羊たちの沈黙」のアンソニーホプキンス演ずるレクター教授でやすね。
普通 狂気の天才教授 となると
神経質に眉をひそめたり 視線を細かに動かしたり
手をプルプルさせたり と
そういうふうに創る役者が殆どだと思いやす。
しかし、氏のレクター教授は
ゆーーーーったり歩いてきて 丁寧にきおつけをして まっすぐに視る・・・
そこですでに「うわっ やられたー」と 思いやしたね。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-17 20:06) 

ぼんぼちぼちぼち

あんこさん

そうなんでやすか、ずいぶん変わられたのでやすか?
ちゅらさんでの演技 近いうちにきちんと観てみたいと思いやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-17 20:17) 

どるつー

ご訪問ありがとうございました!

山田孝之さんの出演作品は、残念ながら「十三人の刺客」しか観ておりませんが、存在感はタップリでした。
今後は注目したいと思います。
by どるつー (2010-12-18 10:12) 

ぼんぼちぼちぼち

どるつーさん

「十三人の刺客」での山田氏の演技、
酔っ払って倒れ込むあたりが とても記憶に残ってやす。

また、その少し前に「シーサイドモーテル」という作品も公開になっていたのでやすが、
そこでは、氏は どうしようもないギャンブラーを演られており
骨の髄からギャンブラーであることが臭い立つようで
その演技に、あっしは くららっっっと めまいがするほど感動しやした。

中でも ベットの上での何気ない会話、
「違ーーーーーう」ここはウィスパーで発するのかー とか
実に自然でありながらも 立てるべき言葉がきちんと立っているとことか・・・
by ぼんぼちぼちぼち (2010-12-18 23:10) 

いそしぎ

なるべく、無にして好きか嫌いか何ともないを感じるようにしているつもりです。無というのは、誰々監督だからつまらない映画だろうとか、誰々作曲だから、売れ線アイドルもいいだろうとか・・・、そういうのを意識せず(潜在的にはしているかも知れない)、見て聞いて好きだなぁと思ったものは、何故かしらリンクしていき、自分の好みを知るときがあります。
↑内容とズレていますが、この今回の記事を拝読して思ったことで~す(^^;
by いそしぎ (2011-01-02 17:07) 

ぼんぼちぼちぼち

いそしぎさん

いえ、ズレてないでやす。
直接的にふれてはいやせんが
今回の記事で あっしがもう一つ強くテーゼしたかったのは
そこなんでやす。

ちょっとかたい文学や 芸術色の高い映画を好むぼんぼちが
何故 アイドル的位置から出発した商業王道の俳優さんを これほど支持するの?
と 思われたかた 多いと思うんでやす。

しかし、あっしにとって、どういう位置でお仕事を初めて どういう路線に今 立たれているか
というのは 関係ないんでやすね。
芸術色の強い作品にだけ出ていても あっしは
自分自身が本当にいいと思わない役者は みじんもいいと思えやせん。

何年か前のNHKの演劇の番組にて
演劇評論家の先生のお一人が
「舞台 蒲田行進曲でのスマップの草なぎクンの演技は最高に良かった。
あれほど ひょうひょうと哀愁を出せる役者は そういない。
しかし、彼は 人気アイドルだという理由で 実力より 随分 その演技を低く評価されている。
日本の演劇界の先入観に 非常に理不尽さを感じます」
と 仰ってやした。
あの先生の憤りは 忘れられやせん。


 
by ぼんぼちぼちぼち (2011-01-02 19:08) 

NO NAME

ウシジマくんの感想を聞かせてください^^
by NO NAME (2011-04-14 23:05) 

ぼんぼちぼちぼち

NO NAME さん

「闇金ウシジマくん」 正月にゆっくり観やした。

まず、山田氏の 目玉を動かさない演技に
「あっ なるほどー」と思いやした。

あと、演出に関しては、動きのつけかたが面白いなー と感じた所が そこここにありやした。
上司が駄目な部下の周りをぐるぐる廻りながら説教するとことか
ウシジマ社長がビールを断って 手がピッと止まるとことか
風俗店の男性社員が すっくと棒立ちになっているとことか・・・
あっし個人的には、こういう演出 すごく好きでやすね。

by ぼんぼちぼちぼち (2011-04-18 11:42) 

NO NAME

ぼんぼさんはじめまして大洗これ全スピスペのなかではどれが一番お好きでいらっしゃいますか?
by NO NAME (2011-06-10 00:23) 

ぼんぼちぼちぼち

NO NAME さん

コメント発見するの遅れて失礼しやした。

「穴」が一番好きでやす。
非常に不条理演劇的な要素が強くて。
通常 芝居では、登場人物の言動には 必ず それ相当の理由があるのだけれど
これは「ただ なんとなく」や「うっかり」だったりする。
そして、独特の間・空気感。
ベケット的な不条理を笑いに立ち上げたシティーボーイズのコントを彷彿とさせやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2011-06-24 10:38) 

NO NAME

勇者ヨシヒコと魔王の城はご覧になりましたか?
周りのキャストも監督も素晴らしい中、山田さんも抜群でした。
今まで演じてきた役柄とは打って変わって
お人よしの正義感の塊の役でした。
独特の間と空気感で成り立ってるドラマでした。
DVDレンタルできますのでどうか観てください(><)
by NO NAME (2012-02-26 12:49) 

ぼんぼちぼちぼち

NO NAME さん

勇者ヨシヒコ、これからDVDで観ようと思ってやす。
大洗と同じ福田監督でやすよね。
なので、あっしにばちこーんの世界観だと期待しておりやすo(◎o◎)o

因みに、先日は、荒川アンダー ザ ブリッジ・ムービーを観
この世界観にもハマったので、明日 もう一度 劇場に足を運ぼうと予定しておりやす。
この作品の感想は、4月の上旬くらいに一つの記事として公開したいと考えておりやす。

テレビドラマ版は、やはりまだ観てないので DVDでの鑑賞を楽しみにしておりやすo(◎o◎)o
by ぼんぼちぼちぼち (2012-02-26 22:50) 

ぼんぼちぼちぼち

2012-02-26 12:49にコメントくださったNO NAME さん

勇者ヨシヒコ 昨夜レンタルで 壱弐参を観やした。
いや~ いいでやすね~ 巧い役者さん達がきっちりした芝居で大真面目に演ってるからこそ面白いでやすね。
早速今日、購入注文しやした(◎o◎)b
全話観おわったら これも一つの記事として感想綴らせていただくかもでやす\(◎o◎)/
by ぼんぼちぼちぼち (2012-03-17 21:28) 

ぼんぼちぼちぼち

みなさん

DVD「勇者ヨシヒコと魔王の城」の感想を 5月21日公開の記事にて 
あっし・ぼんぼちなりに綴らせていただきやす。
もしも、おヒマがあり 気が向かれたら チラと覗いていただけると嬉しゅうございやす・ぺこりっ。
by ぼんぼちぼちぼち (2012-05-10 17:54) 

NO NAME

来年山田くんはミュージカルフルモンティに主演します。

生でオチリも見れます(≧∇≦)キャハ

by NO NAME (2013-10-07 21:49) 

ぼんぼちぼちぼち

NO NAME さん

「フルモンティ」楽しみでやすね!
山田さんが舞台に進出されるとは驚きでやすね。しかもミュージカル!
生で演技を観られる機会がくるとは思ってもいなかったので 今からわくわくドキドキでやすo(◎o◎)o
ちなみにぼんぼちは、2月3日に観に行きやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2013-10-14 14:06) 

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